明治神宮外苑に全６面（天然芝５面・人工芝１面）を有する大きな軟式野球場がある。
６面ゆえ、総面積は約４haの東京ドーム一個分と、相当に広い。都内の、それも新宿区の一等地では本来あり得ない贅沢な“使い道”だと言えよう。
フェンスもなく、ショートと隣チームのライトが重なって守っている……なんてケースもしょっちゅうで、グラウンド使用料も少々高めだが、交通の便の良さやシチュエーションの都会感などのおかげか、土日祝日は終日予約で埋まっている。私が所属する草野球チームも、毎週火曜日の朝ここで行われている某リーグ戦に参加しており、依存度としてはかなり高い。
|
|
|
|
そんな東京近郊に在住する草野球人にとっての“拠り所”であるこの軟式球場が、今年いっぱいで閉鎖される……という噂がまことしやかに流れている。理由はいわずもがな、2020年に開催される「東京五輪」だ。
そりゃあ、（新）国立競技場のすぐそばにある東京ドーム一個分の敷地を遊ばせておく手はない。五輪のため、なんらかのかたちで有効活用したいのは理解できる。当然と言えば当然だろう。けれど、我々「草野球を愛する東京都民」にとっては決して大袈裟ではない、まさに死活問題である。８チームもの大所帯で組まれるリーグ戦を、来年はいったいどこでやればいいのか!?
|
|
|
|
そこで私は考える。
「明治神宮外苑軟式野球グラウンドを残すことを約束します！」
……といったマニフェストをブチ上げ、７月２日の都議選に立候補すればよかったのではないか、と。
|
|
|
|
ざっと計算してみた。
少なく見積もって１チームを10人とする。となれば、一試合に参加するメンバーは20人。「〜８時・〜10時・〜12時・〜14時・〜16時・〜18時」の６枠が、基本土日はすべて埋まっているので、一日20人×６枠＝120人。月で計算すれば120人×８日＝960人。年に換算すれば960人×12ヵ月＝11520人。
これも少なく見積もって、平日は４分の１が埋まっていると見なすならば、120人×240日（１年内にある平日の大まかな全日数）÷４＝14400人。
合計すれば11520人＋14400人＝25920人と、じつに2万５千以上の票を集めることができる算式となるのだ。都議選の場合は２万票あたりが当確ラインだとすれば……もう楽勝ではないか！
……とはいえ、私なんぞが立候補した日には文春砲で一撃粉砕されてしまうのは火を見るよりあきらかだし、立候補届けの期日もとっくに過ぎちゃっているので、しょせんは絵に描いた餅──しかも、冷静に照らし合わせてみればそもそもこの25920人、けっこうな割合でダブってますから（笑）。
しかし、今からでも遅くはない。仮に「明治神宮外苑軟式野球グラウンドの死守」を公約してくれる候補者が現れたなら、私は今回の都議選にかぎっては党派を超えて、そのヒトに一票を投じる。おそらく私と同じように日和る草野球人は、少なく見積もっても1000人くらいはいるのではなかろうか。ただ、具体的にどんな政策をもってそれを“死守”するか……は、公約したヒトに丸投げしたい。
コラム
