『やれたかも委員会』ってヤツが、ネット上で炎上騒ぎになっているという。それについてゴメスさんなりの見解を述べてください、とcitrus編集部から依頼が来た。
やれたかもいいんかい……? なんのことやらイマイチよくわからなかったので調べてみると、クリエイターと読者をつなぐサイト『cakes(ケイクス)』で連載されている漫画シリーズ(作画/吉田貴司)で、「あのとき、もしかしたら、あの子とやれてたかもしれない…。男たちのそんな『やれたかも』を、『やれたかも委員会』が判定する」といった内容である。
「宅飲みで2人きりになったあの夜」「年上女性が運転する車に乗ったあの日」「某巨大掲示板で出会った女の子と飲み明かした夜」……ほか、さまざまな「やれたかも?」っぽいシチュエーションをテーマとし、なかなか達者なちょい萌え系タッチの漫画が“あのとき”を再現する……。
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なかなかに人気な話題作らしく、すでに数冊、単行本化もされている。
で、この“委員会”がどういう風な炎上のしかたをしているのかといえば、女性側から寄せられる
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いや、どう考えてもやれてねーから。
女が純粋な気持ちで優しくしたことに対して、「やれたかも」とか下衆の勘繰りされる不快さ、想像できない?
「人には優しくしましょう」を実行しただけで、すぐに下半身と結びつける大馬鹿。
これって精神的なレイプと違うの?
やれたかも委員会とかいうのがあるから勘違い男が増えるんだよ。
もう2度と優しくなんかするか。
死ね!
……みたいな生理的嫌悪感風論調のディスりが大半であるようだ。
たしかに、コレを「キモい」と断じる女性側の言い分は、それなりに理解できる。「やれたかも?」と勝手にジャッジされてしまう不快さも充分に想像できる。ただ、「モテない男のとほほ話をコミカルに描く作風」ってえのは(かなり高い確率で)ものすごく売れるし、ハネるのだ。歌舞伎町で伝説のホストやカリスマAV男優が吹聴するナンパだとかイカせ自慢が延々描き連ねられている武勇伝を誰が好んで読もうとするのか。昔、ヤンマガあたりで流行ったヤンキー漫画とかも、主人公はたいがいが“とほほ系の三枚目”だったりする。
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基本、この手の作風は、男性のみが秘やかに独りで悦しむものである。なのに、どうしてここに女性が入ってくるのだろう?
もう一度言うが、コレを「キモい」と感じる女性の気持ちは充分に理解できる。お世辞にも「上品」とは呼べないお下劣な企画である。だったら、読まなきゃいいじゃん。わざわざ目にしなくていい「男の下衆な勘ぐり」を、わざわざ最後まで読んで「死ね!」とまで憎悪の念を抱くのは相当なストレスなのではないか? 「精神的レイプ」って言われても……精神的レイプまで禁じられたら、男はなにをやって性欲を発散すればよいのか?
女性の皆さま、どうかこの程度の「『人には優しくしましょう』を実行しただけで、脳内において下半身と結びつける馬鹿な妄想」くらいはお許し願いたいm(_ _)m。大なり小なり男とは、こういう虚しいシミュレーションゲームに興じながら明日への活力を漲らせる生き物なのだから……。
ちなみに、先日飲んだとあるシングルマザーが「(まだ肉体関係のない女子と)温泉に一緒に行ったからって、絶対ヤレると勘違いしないでほしい! 私はシンプルにお湯につかりたかっただけなのに!!」と力説していた。このケースもやっぱ「男の勘違い」の範疇なんですかね? どう思います? 奥さん……。