K-POPがきっかけ? MCMやハンティング・ワールド…往年のバブルブランド復活の理由

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2017年07月05日 21:00  citrus

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コニャックカラーにインパクト大のモノグラム……。最近、こんな柄のリュックサックを背負った若者を街で見かけることはありませんか? バブル景気の日本で人気を博していた「MCM」。ドイツ・ミュンヘン発祥の同ブランドは、韓国の会社が2005年に買収、そして2012年セレクトショップ「LOVELESS」から日本再進出を果たし、2014年には直営店もオープンしました。

 

実は私自身、バブル時代に日本で流行ったブランドとは知らずトートバッグを購入していました。先輩から「懐かしい!」という声を聞き、当時の人気ぶりを初めて知りました。

 

今回はちょっと上級です。のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行してきた服のコンサルタント™(パーソナルスタイリスト)の私が「バブルブランドの活用法」について教えます。

 

 

■バブルブランドの再構築の影にK-POPがアリ

 

もはや“懐かしのブランド”と化していたMCMのリローンチ成功要因として、K-POPアーティストの存在が欠かせなかったという話があります。韓国資本となったMCMのリュックを、K-POPのアーティストが背負っていたことによって、それを見たK-POPファンの若い子たちが同じリュックを欲したそうです。彼らにとってMCMはバブルブランドではなく、K-POPアーティストに近づけるアイテムだったのです。

 

また、MCMを扱った国内の販売チャネルがセレクトショップ「LOVELESS(ラブレス)」だったことも大きかったと私は見ています。LOVELESSは、日本で無名な海外ブランドをローンチしヒットさせた実績がすでにありました。当時はまだ広まっていなかったフランスの鞄メーカー「GOYALD(ゴヤール)」を、ショップ立ち上げ当初から扱い、ルイ・ヴィトン級のムーヴメントに押し上げた話は業界では有名な話です。

 

MCMのみならず、バブルブランドの再構築を後押しする要素として「ストリート」というキーワードが挙げられると思います。

 

 

■MCMだけではなかった! 再注目される“あのブランド”たち

 

MCM日本再進出と同じく2012年、デザイナーが変わった新生「KENZO(ケンゾー)」では、メジャーリーグの公式キャップ「New Era(ニューエラ)」とのコラボレーションを発表。それを皮切りに、ブランド全体が新しくなった印象が生まれ、その後も続々と新作が発表されています。

 

またロンドン五輪で日本代表選手団の公式ウェアを手掛けた実績もあり、“服を着るフィールドは全てアウトドア”という世界観で幅広い世代に支持されているブランド「ホワイトマウンテニアリング」の相澤陽介氏が、ハンティング・ワールドのディレクターとして2018SSコレクションから関わるという情報を耳にしました。バッグや小物のコレクションはコンスタントにリリースしていましたが、ウェアのコレクションとなると非常に新鮮です。

 

ハンティング・ワールドのアイデンティティを活かしたアウトドアスタイルや、氏が得意とするプリント柄を取り入れたスタイルが印象的! 近年、機能性素材を用いた「アスレジャー(アスレチックとレジャーを融合させた造語)」のコーディネートが主流になっているからこそ、一部のファッション好きのみならず、一般男性が取り入れやすいリアルな仕上がりに見えました。

 

 

■時代の潮流は「バブルブランド×ストリート」か

 

K-POPアーティストたちは、日本でかつてヒットしたMCMのリュックをハイカットスニーカー&スキニーデニムと組み合わせ、もはや定番となったストリート感あふれる着こなしに昇華させています。また、ストリートシーンで人気のNew EraのキャップにKENZOのロゴが入ったモデルにも注目が集まりました。いずれも、かつてのブランドイメージを覆し、ストリートシーンに踊り出たと言えるのではないでしょうか?

 

80〜90年代に圧倒的な人気を誇ったブランドたち。その世界観の強さから、当時は全身をブランドで揃えた着こなしが主流だといわれてきました。しかし長続きはしなかった──完成されたコーディネートであるからこそ、着回しができなかったのです。

 

ところが近年再注目されているバブルブランドの共通点は、着回しができるようになったことだと思います。たとえば、MCMのような強烈な個性を放つブランドでもバッグなどの小物であれば様々なスタイルにアクセントとして取り入れることができます。またウェアも奇抜なものばかりではなく、ベーシックでシンプルなものをラインナップしています。

 

エッセンスはそのままに、過剰なクセを抑えることでかつてのバブルブランドは現代のファッションシーンにフィットするようになりました。MCMやハンティング・ワールドをいま着るということは、懐かしさという点でもいろんな年代の方との話題に使える有用な選択だと言えるでしょう。

 

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このニュースに関するつぶやき

  • MCMたくさん持ってたなぁ…取っておけば良かった…
    • イイネ!2
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