心筋梗塞や狭心症につながるLDLコレステロール、下げる意義とは?

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2017年07月24日 18:01  QLife(キューライフ)

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動脈硬化予防は、生活習慣の改善から


地方独立行政法人りんくう総合医療センター病院長 山下静也先生

 MSD株式会社は7月18日、コレステロールに関するメディアセミナーを開催。地方独立行政法人りんくう総合医療センター病院長で、大阪大学大学院医学系研究科 総合地域医療学寄附講座・循環器内科学特任教授の山下静也先生が講演しました。

 心疾患である心筋梗塞や狭心症の主な原因は動脈硬化で、その原因のひとつが、LDLコレステロールです。急性心筋梗塞の発生率は、年々増えています。原因となる動脈硬化の発症は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病がベース。生活習慣をいかに改善するかが、最終的には動脈硬化性疾患の予防につながります。

 4人に1人が亡くなっている心疾患は、日本人の死因の第2位です。日本人とアメリカ人のコレステロール値を比較した調査結果によれば、アメリカ人は1960年代に比べるとコレステロール値が下がってきています。しかし、日本人は男女ともにコレステロール値が上がってきており、特に女性はアメリカ人よりも高くなっています。将来的には、さらに日本人の心疾患リスクが増えてくると考えられます。

再発予防の治療においては、コレステロール値は低いほど良い

 LDLコレステロール値を下げるスタチンという薬があります。スタチンを使った治験症例を解析したデータから、LDLコレステロール値をスタチンで下げると、心疾患の発症リスクも下がることがわかっています。「一度心疾患にかかった人の再発予防では、LDLコレステロール値は低いほど良いです」(山下先生)

 さらに、「LDLコレステロール値の下げすぎは身体に悪いのか?」という問いに対しては、「問題はありませんが、治療を進める上で通常よりも下がりすぎる場合はその原因を調べる必要があります」と山下先生。今までは、コレステロール値が低いと死亡率が上昇するという疫学成績の結果もありましたが、NIPPON DATAという研究の解析によって、コレステロール値が低い領域での総死亡率の上昇は、肝疾患やがんによる死亡率の上昇によるものだということがわかっています。

 心疾患の原因となる動脈硬化の発症は、日々の生活習慣によるものです。また、LDLコレステロール値に異常があっても自覚症状がないことから、自分のLDLコレステロール値を把握していないという方も多いのではないでしょうか。健康診断などの血液検査で調べることができるので、生活習慣の見直しに役立ててみても良いかもしれません。(QLife編集部)

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  • 家族性の脂質異常症です。20代から数値高いです。普通体形ですがどうしたらいいですか?
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