難病「脊髄性筋萎縮症」初めての治療薬が承認−バイオジェンがセミナー開催

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2017年07月25日 12:01  QLife(キューライフ)

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重症型では人工呼吸管理が必要に


東京女子医科大学附属遺伝子医療センター所長・教授 齋藤加代子先生

 筋力の低下や筋萎縮などの症状が現れる脊髄性筋萎縮症(SMA)。国指定の難病で、その罹患率は10万人あたり1〜2人といわれています(難病情報センターより)。これまで治療薬がなかったSMAですが、先日、日本で初めてのSMA治療薬としてバイオジェン・ジャパン株式会社の「ヌシネルセンナトリウム」(製品名:スピンラザ)が製造販売承認されました。これを受け、同社はメディアセミナーを開催。東京女子医科大学附属遺伝子医療センター所長・教授の齋藤加代子先生が講演しました。

 SMAは、遺伝子の異常によって、脊髄の運動ニューロンを維持するタンパク質が不足することで、筋肉が萎縮する病気です。小児期に発症する1型(重症型)・2型(中間型)・3型(軽症型)と、成人期に発症する4型に分類されます。とくに重症な1型は最も患者数が多く、生後0〜6か月ごろまでに発症。支えなしに座ることができず、誤嚥(ごえん)、呼吸不全などを引き起こすことから、多くの場合、人工呼吸器の補助なしに2年以上生きることができません。そのため、気管内挿管や気管切開と人工呼吸管理が必要です。

齋藤先生「きちんと診断すること、早く治療を行うことが重要」

 SMAの患者さんは、SMN1という遺伝子に異常があります。今回承認されたスピンラザは、SMN1とほぼ同じゲノム配列をもつSMN2という遺伝子が、タンパク質を作り出す過程に働きかけるお薬です。SMN2からは、通常10%ほどしか正常なタンパク質が作られませんが、同剤によりその量を増加させることができるといいます。

 新たな治療選択肢が登場したことで、「きちんと診断すること、早く治療を行うことが重要になります」と齋藤先生。「手を“だらり”と下におろして、足が外側に開く」「筋肉が全く収縮せず、なされるがまま」「お腹は幅があって、胸は幅がない“つりがね”のような形をしている」など、1型の赤ちゃんに現れる特徴を紹介しました。(QLife編集部)

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