若きフランス人医師の実話描く『夜明けの祈り』、モデルになった医師本人のポートレート公開

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2017年07月25日 17:52  リアルサウンド

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 8月5日に公開されるフランス映画『夜明けの祈り』より、映画のモデルとなった実在の医師マドレーヌ・ポーリアック本人の写真が公開された。


参考:「人類史上最高の物語のひとつとなった」 クリストファー・ノーラン、『ダンケルク』を語る


 第42回セザール賞で主要4部門ノミネート、フランス映画祭2017でエールフランス観客賞を受賞した本作は、『ココ・アヴァン・シャネル』『ボヴァリー夫人とパン屋』のアンヌ・フォンテーヌ監督が手がけた人間ドラマ。1945年12月のポーランドを舞台に、赤十字で医療活動を行う若きフランス人女医マチルドが、ソ連兵の蛮行によって身ごもり、信仰と現実の狭間で苦しむポーランド修道女を救うため闘う模様を描く。


 このたび公開されたのは、『世界に一つの金メダル』のルー・ドゥ・ラージュ演じる主人公マチルドのモデルになった女性医師マドレーヌ・ポーリアック本人のポートレート。第二次世界大戦末期から戦争終結直後にかけてポーランドで医療活動に従事したポーリアックは、航海日誌のようにとっていた治療の記録をとっており、そこにはソ連兵によるポーランド人女性への暴力や性的虐待に関する事実が克明に記されていた。さらにその手記には、“いつかこの陰の天使をヒロインに…”という司祭からの手紙が添えられていた。フォンテーヌ監督は、プロデューサーが持ってきたこの物語に感銘を受け、製作に取り掛かったのだという。


 フォンテーヌ監督は、「すべて実際の出来事ですがこれまで忘れ去られ、隠されてきたことです。女性への暴力や性的虐待は70年前の出来事ではなく、今なお戦時下の国々で行われていることを忘れてはいけません」とコメント。カトリックの大本山であるヴァチカンで上映された際には、フランシスコ教皇の側近である大司教から「カトリックの修道院でも同じようなことが行われていた。物語の人物を通して悲劇に向き合うことで、教会にとってもセラピーとなるような作品だ」と絶賛を受けている。


 ポーリアックをモデルにした主人公マチルドを演じたラージュは「真の英雄はスーパーヒーローではなく、実際の歴史の中に息づくポーリアックのような人のことよ」とコメントしている。(リアルサウンド編集部)


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