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親も子も「はじめてのつうしんぼ」第一子・小1の1学期を終えて

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2017年08月01日 12:03  MAMApicks

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小学1年生の長男が、生まれてはじめて「通知表」というものをもらってきた。
彼の通う学校ではそれを「あゆみ」と呼んでいるそうだが、第一子の“はじめて”は、すなわち“親のはじめて”でもあるのだ。

≪ああ、ついに子どもの通知表をドキドキしながら見る親の側に立ってしまったな、この私が……!≫

まったく“思えば遠くへ来たもんだ”である。

■ひらがなで苦戦するつもりじゃなかった
小学校入学前にひらがな・カタカナの読み書きはできていた長男だった。なんなら少しは漢字も書けて、「うわあ、うちの子天才かも!」と思っていた親バカファンタジーは、入学後1ヵ月でぶち壊されるのだ。

「……ほう、6点ですか」
「あ、それ、46てんまんてんね! 40てん、たりないね!」

長男が無邪気に出してきた、ひらがな46文字書き取りテストは、無残な成績をおさめていたのだった。

その晩、我々夫婦は答案用紙を見ながら悩む。

「これ、どこがバツなのかわからない」

「書けてるし、読めてんじゃん。それじゃダメなの?」
夫は言う。
「それにさ、仮に判断基準のハードルを高く設定してたとして、いきなり悪い点数取ったら、子どものモチベーション下がるんじゃないのかなあ」

まったく同じ感想を持った私は翌日担任にその旨を伝えた。

その日のうちに、第一連絡先である夫に担任から電話が行ったようで、「ちゃんと読めてるし書けてるし、小1の1学期としてはお手本どおりに書けてるとか、正直どっちでもいいと思ってるんですって言っちゃった」
帰宅後、夫はそのように言って笑っていた。


後日、私は担任から一枚の紙を渡される。

「これ、ほかのクラスの子ですが、みなさん40点は越えていらっしゃるので……」

名前は消されていたが、ほかの子の答案用紙のコピーであった。
答案用紙の本人に許諾取っているのかが気になりつつも、渡されたそれを持ち帰り、夫婦は話し合う。

「たしかにきれいな字だね」
「小1ってこんなキレイに字書くっけ?」
「お習字とか行ってんじゃない? 硬筆。」
「アレだ、日ペンの美子ちゃん!」

筆者はネットで『小1 ひらがな 字』と画像検索して、「ほら! こんなだよ!」と安心してみたが、安心したところで長男の字がうまくなるわけでも、評価基準が変わるわけでもない。

しかも、長男本人がひらがなに対してすでに苦手意識を持ってしまった。翌週もう一度行われた46文字テストは、後半を白紙で出していたのだ。

保護者が集まれば自然と“ひらがなテスト”の話題が出るようになっていった。

「何点だった?」
「うち6点」
「やばーい! うち5点!」
「○組の女子しか合格してないらしいよ」
「男子みんな1桁点だったってよ!」
「全員合格するまでテストやるっていわれたよ」

≪うちだけじゃなかった、みんな苦戦していたんだな……≫

全員合格までくりかえされるのではたまらん、と筆者は、できる限りの対策を練ることにした。

字がきれいになるドリルというのを買ってみたり、Amazonで売っているカラーマスの練習帳を模したものを作ってみたり、学校で配布されたお手本をスキャンし、Photoshopで切り抜いてマスに配置し文字色を薄くした“自家製練習帳”を用意してみたり。

普段は筆者の父が学童に迎えに行って夕方以降は面倒を見ているため、宿題の様子を写メで送ってもらい、添削して返すことも繰り返した。

「もう! なんで見たとおりに書けないの!」

帰宅が21時になる筆者は、眠くてグダグダの6歳を空腹に任せて怒鳴ったこともあった。
やはりちゃんと親がしっかりついて宿題を見てやらないといけないのか、私が働いているのがいけないのだろうか……と泣いた日もあった。

しかし、書き取りは物量がものをいうのだろうか、丸がたくさんつくようになると、本人のやる気もみるみる上がっていった。

一時は0点を取った彼の点数は7月に入ってからめきめき上がり、34点を取ったところで1学期の幕は閉じたのだ。

≪“偏差値40からの大学受験”みたいだ……≫

■思った以上に“ご家庭力”が試される小学校
筆者がひらがなの件で反省したのは、学校で丸がつくような“きれいな字”を書けるようになるためのトレーニングが必要だったということ。「読めるじゃん、書けるじゃん」では通用しないなんて、入ってみるまで知らなかったのだ。

「自分の名前が読めれば問題ないですよ」と入学説明会で校長先生にいわれたそれは、あくまでミニマムの話で、実際そのレベルだと、本人の自己肯定感は底辺をさまよってしまうだろう。

同時期に行われた保育園に通う次男の個人面談。
2歳児クラスの担任は
「小さい“できた!”をいっぱい積み重ねていって欲しいんですよ」
といった。それは2歳や幼児に限ったことではなく、小学生でも同じことだと思っていたのだが。

筆者がかつて服飾の専門学校に通っていた頃の話だ。
デザイン科1年生の最初の制作課題がYシャツだった。
「最初に難しい課題を出して、やる気のある、ついてこれるやつとそうじゃないのをスクリーニングするんだよ」
と担任は言っていたのだが、まさか小学校でこの手法が出てくるとは思わなかった。

そこで「チッキショー!」とがんばれる子もいるだろうが、「じゃあいいや……」となる子も、もちろんいる。
そして、親がどのレベルでそこにコミットするか。

親がテストの直しを見る→丸をつけて提出
親が宿題を見る→保護者サイン欄に記入する
音読→親が聞いてサインする
運動(※)→親が見てサインする
※筆者の子の学校では運動の宿題が毎日出される

宿題には“ご家庭力”が常に付きまとうのだ。

サインするものが多すぎる、と愚痴をこぼす私に夫は言う。

「ねえ、ふざけたハンコでも買って押しちゃえば? それか先生と同じやつとか」

この状況をいかに楽しむか、以外に選択肢のない我々保護者である。
私は先生が押す「みました」と書いてあるハンコをAmazonで探し当てるのだが、最終的にはスペースインベーダーのスタンプ印というのを発見し、それを買った。

これが、我が家の“ご家庭力”である。

■昭和生まれ、平成の公立教育に悩む
長男が入学して以降、学校について疑問に思うことが日々山のようにあるのだが、それに対してネット上では「学校指導要領くらい見ろ」という声もあった。

みなさんそんなに用意周到に調べるのがスタンダードなのだろうか?

“丸腰で行ったら負け”といわれているようで、どこに決闘しに行くんだよと、なんだか学校が怖いところのような気もしてしまう。

先日、書店で“教科書の内容に沿ったドリル”というのを見かけた。出版社ごとにわかれており、自分の使っている教科書と同じ内容から出題されるというものだ。

≪こういうの使ったほうがいいのかなあ≫
≪手っ取り早くテストの点は上がりそうだよなあ≫

保活のときもそうだったが、小学校も思った以上に情報戦だ。親のリサーチ能力がものをいう世界なのかもしれない。

「○年生の□学期で△を習うから、この時期にやっといたほうがいい」
「●年生で▼を使うから、安いの調べといたほうがいい」

どこまで先取りで調べておかねばならないというのか。
ボケーっとしていたら、子どもも自分も置いてきぼりになる不安がある。

つい自分も口に出してしまった言葉だが、「ここだけおさえれば点取れるから」。
子どもにいう台詞として、それもどうなんだ?とあとから思う。

でも、ある種の“チートの仕方”も覚えないと、生真面目な子ほどこの先戦えないのではないかと心配もするのだ。

学校で学ぶのは子どもなのに、1年生だからだろうか、必ず親とセットで評価されている気もする。昔よく、「忘れ物して困るのはお母さんじゃないからね!」といわれたのを思い出したが、今は親子・連帯責任のフシがある。

“忘れ物ゼロ運動”を掲げたクラスでは、まわりまわって親が注意されたりするのだ。
そんな中にあっても「困るのは子どもで、私じゃないから」と先生に言い返していた保護者がいらしたが、そういう人に、私はなりたい。


長男が持ち帰った「あゆみ」を開いてみる。

普段の担任とのやり取りから、もっと悪い成績を想像していたが、2段階評価で「人の話を聞く」が“もうすこし”になっていたほかは、すべて“よい”に丸がされていた。

これが“親への通知表”の意味合いもあるのだとしたら、親が出来る範囲のことは努力を認めてもらったことになるのだろう。


公立の利点として、“先生も生徒も多種多様な人がいる環境”が挙げられる。
純粋培養よりも雑多な環境のほうがいいだろうし、保育園からのお友だちもみんな迷わず学区域の区立に進学するしなあ……と、本人の意向を尊重しながら決めた。そこに親として後悔はない。

たまに「おい!」とつっこみたくなることもあった3ヵ月であったが、家からの距離も近隣の環境も、学校も学童も、おおむねは「こんなもんだろう」という認識でいる。

ある程度は“置かれた場所で咲くスキル”というのも、特に社会では必要だと思うので、親としては介入タイミングである“あまりにひどいとき”を見極める力を、この先ずっと試されるのかなと思うのだった。

まだまだ、先は長い。

ワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。

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