【妊婦さんのギモン】医薬品・漢方・サプリとの付き合い方〜医薬品編〜

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2017年08月17日 22:42  &Mama

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出典:https://www.shutterstock.com


妊娠中は初期、中期、末期とそれぞれの段階があります。


特に妊娠初期であれば赤ちゃんの中枢神経や心臓、消化器や四肢などの重要な器官の形成に関わってくる時期ですので、医薬品の影響を受けやすい時期であると言われています(※1)。


それでは、妊娠中は全ての医薬品を飲んではいけないのか、漢方薬やサプリメントはどうなのか、よくわからない部分もあるかと思います。


今回は記事を医薬品編、漢方編、サプリ編の3回に分けて、基本的な“付き合い方”をご紹介します。


まず第1弾では“医薬品”についてお伝えしていきます。



医薬品を処方されたら?妊婦さんは飲んでも良いの?

基本的な考え方として、自身の判断だけで医薬品を使用する事は好ましくありません。


医薬品にはほぼ必ず、「添付文書」という使用上の注意などを記載した説明書が存在します。


ほとんどの添付文書には妊婦への使用に関して「〜治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与すること」、「〜投与しないこと」、「〜投与しないことが望ましい」と言ったように注意事項が記されています(※2)。


もし医師から医薬品が処方される場合、全てこの添付文書を基に必要性の有無を判断しているため、必ず指示通りに服薬するようにして下さい。




もし妊娠中に風邪を引いてしまったらどうすれば良い?

妊婦が医薬品を使用するのは好ましくないと書きましたが、もし妊娠が発覚する前に薬を飲んでしまった場合、そのことばかりに気を取られてしまうのもストレスとなり悪影響です。


不安を感じた際は自分の判断に頼らず、担当の医師に相談するのが良いでしょう。


また、妊娠期間は約10ヶ月と長期間にわたります。その間一度も体調不良にならないという人はあまりいないのではないでしょうか。


例えば風邪はもちろん予防が大事ですが、発熱してしまった場合には解熱剤を用いることがあります。


出典:https://www.shutterstock.com



この時には「アセトアミノフェン」という解熱剤を用いるケースが多く見受けられますが、これは胎盤を通過してしまいます。


ただこれまでは短期間・適量の投与であれば比較的胎児に影響を及ぼさないと考えられていたものの(※3)、最近の研究では産後の子どもの発達への影響に言及する論文もあるため(※4)、使用頻度や回数に関して必ず医師の指示を守るようにしてください。


一方、喉の腫れに対しては抗生物質を用いることがありますが、抗生物質は安全性が確立されていないものが多いため、注意が必要です(※3)。


また、早期流産の一つの原因と考えられている咳に関しては、比較的安全性が高いと考えられている「デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物」という咳止めが処方されることがありますが(※3)、こちらも一方で「妊婦に対する安全性の研究が完全になされた医薬品ではない」という指摘もあります(※5)。常に症状の重さを鑑みて慎重に利用する事が望ましいと考えられています。



このように、風邪ひとつとっても各症状に対してそれぞれ対応する医薬品は異なります。


もし体調不良となった場合、今生じている症状を医師に伝え、安全性の高いもの薬だけを処方されるか、緊急性が高くない症状に関しては自然治癒力によって治すように指導されるかのいずれかが対処法となる事が多く見受けられるのではないでしょうか。


次回の第2弾では、漢方薬についてお伝えします。お楽しみに。



※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。


【参考・画像】
※1 坂井建雄・河原克雅(2012)『カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版 生殖器 妊娠・分娩<改訂第2版>』p454-455日本医事新報社
※2 お薬110番 妊娠とくすり 3.薬危険度評価基準 (1) 添付文書 – ファーマフレンド
※3 妊娠・授乳と薬対応基本手引き(改訂2版) 2012 年 12 月改訂 – 社団法人愛知県薬剤師会 妊婦・授乳婦医薬品適正使用推進研究班
※4 Acetaminophen Use During Pregnancy, Behavioral Problems, and Hyperkinetic Disorders – JAMA(Journal of the American Medical Association)
※5 Dextromethorphan Hydrobromide – SafeFetus.com
※ wong sze yuen、Elnur / Shutterstock


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