武井咲『黒革の手帖』はなぜ成功した? 女優キャリアと重なる、悪女役のリアリティ

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2017年08月24日 08:22  リアルサウンド

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 女優・武井咲の評価が高まっている。現在放送中のドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日)の主人公・原口元子役で、これまでの武井のイメージを覆す“悪女”を演じ、注目を集めているのだ。『黒革の手帖』は、1982年から2017年までに6回もドラマ化されてきた、松本清張原作の不朽の名作で、大谷直子や浅野ゆう子、米倉涼子といった名だたる女優たちが、本作を通じて新境地を切り開いてきた。


 武井は『黒革の手帖』史上、最年少で原口元子を演じるとあって、ドラマ開始前はその仕上がりを不安視する向きもあったが、蓋を開けてみれば、クールビューティーな立ち振る舞いと迫真の演技で、平均視聴率10%を越える安定の人気作となっている。本作が成功した理由を、ドラマ評論家の成馬零一氏に訊いた。


「初めて武井咲を女優として認知したのは、2010年に放送された野島伸司脚本の『GOLD』でした。天海祐希の娘役で、颯爽としたイメージの美少女という印象があり、その後に出演した『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ)などでも、その路線を踏襲していました。2011年の『アスコーマーチ〜明日香工業高校物語〜』(テレビ朝日)からは主演作が非常に増えて、経験値を積んでいきますが、良くも悪くも作品数が多かったため、その演技が批判されることもありました。しかし、武井自身のポテンシャルは高く、ここ数年は安定して“等身大の女性”を演じられる女優になっていたと思います。


 このタイミングで彼女が『黒革の手帖』と出会ったのは、そのキャリアにおいても重要だったといえるでしょう。もともと芯の強さを感じさせる女優ではありましたが、それが良い意味で花開いています。加えて、『黒革の手帖』の導入部も素晴らしかった。今回の原口元子は、派遣の銀行員からスタートしていました。貧困の問題などと合わせて、等身大の女性として丁寧に描きつつ、そこから悪女へと変貌していく。そのステップアップの様子は、まさに武井自身のキャリアともリンクしていて、だからこそリアリティがありました。これまで、弱い部分もある主人公を多数演じてきた武井だからこそ、本作の原口元子には説得力があり、それが評価に繋がっていると思います」


 また、今後は武井のラブシーンにも期待したいと、成馬氏は続ける。


「本作を通じて、世間的にも武井を“ポスト米倉涼子”と見る向きが高まっていると思います。そう考えたときに、武井に必要なのは体当たりで演じるラブシーンなのかもしれません。米倉涼子はラブシーンを演じない女優ですが、だからこそ武井が大人の色気を醸し出すラブシーンを演じれば、米倉涼子とはまた違う女優としての魅力を打ち出すことができるのではないかと。『黒革の手帖』で江口洋介演じる安島富夫と、妖艶なシーンを演じることで、さらなる新境地を見せてくれることを期待したいです」


 『黒革の手帖』第6話は、本日よる9時より放送される。これまで、すべてが順調に進んできていた元子の頭上に、初めて暗雲が立ちこめる展開になるとのこと。武井は、どんな表情を見せてくれるのだろうか。(松下博夫)


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  • 今期の中で唯一ちゃんとみてる!和装のコーディネートが素敵だし似合ってる(´∀`)�Ԥ��Ԥ��ʿ������� そして 良さそうな子が悪いのがやっぱりいい(笑)
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