各地で相次ぐ落雷! 雷から身を守るために最低限知っておきたいこと

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2017年08月25日 13:00  citrus

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花火、バーベキュー、野外ライブ、屋外イベントがめじろおしの夏につきものの災害に「落雷」があります。夏に生じる印象が強い災害であり、事実夏の発達した積乱雲(いわゆる入道雲)には無数の雷が観測されます。しかし落雷は冬場、特に東北〜北陸の日本海沿岸部でもよく生じており、必ずしも夏限定の現象ではありません。1年を通じて意識をすることが必要な、身近な災害であるといえます。

 

 

■人体に影響をもたらす落雷の種類

 

生死に関わる被害をもたらす落雷は、大きく分けると2種類あります。

 

「直撃雷(ちょくげきらい)」

雷の直撃を受けるのが直撃雷です。雷は「相対的に高い場所」へ落ちやすいという性質を持つため、何もない平地、海岸、砂浜、木に覆われていない山頂や尾根、グラウンド、ゴルフ場など、周囲が開けている場所では、「最も高い場所」となる人間に向かって雷が落ちやすくなります。

 

落雷は上空と地上の最短距離をとろうとしますので、うずくまっているより立っている方が、気をつけの姿勢よりも、傘・釣竿・ゴルフクラブなどを持ち上げている方が、当然ながら直撃雷を受ける可能性は高くなります。できるだけ姿勢を低くすることが落雷を避けるポイントです。

 

「側撃雷(そくげきらい)」

落雷を受けた樹木や住居の軒先に接近していると、「とばっちり(再放電)」を受けて命を落とすことがあります。木の下や家の軒下で雨宿りをすれば、人より高い樹木などが雷を引き受けて安全なように見えますが、接近しすぎているとこの側撃雷の被害をうけることがあるのです。

 

側撃雷を回避するためには、物体から4メートル以上距離をとることが必要です。樹木の場合は木の幹だけでなく枝や葉などの末端から、住居の場合は壁や屋根から4メートル離れなければなりません。ですから、落雷を伴う大雨時には、木の下や軒下での雨宿りは避けるべきです。

 

なお「雷は金属に落ちるから、メガネやアクセサリーを捨てれば安全」とか、「ゴムは電気を通さないからゴム長靴を履いていれば大丈夫」といった対策を見聞きすることもありますが間違いです。雷は金属の有無に関わりなく高い場所に落ちる、ゴム製品を身につけていても黒焦げにになる、というのが現実です。

 

 

■落雷から生命を守る方法(屋内への避難)

 

落雷から身を守る最良の手段は、建物や乗り物の中へ避難することです。屋内にいれば基本的に雷の被害を受けることはほとんどありませんが、建物自体やその至近に落雷した場合、アンテナ・電線・水道管・外壁などを経由して感電する恐れが希にあるため、万全を期すのであれば、電化製品や天井から1メートル以上離れた部屋の中央に座っているのが安全です。

 

建物と同様に安全な場所が乗り物の中です。ただしバイクやオープンカーではなく、完全に閉めきることができる鉄製の乗り物、乗用車・バス・電車・飛行機の中が対象です。乗り物の中が安全な理由は、乗り物に落雷しないからではなく、落雷しても電流が金属のボディーを伝わって地面に流れるからです。そのため、乗り物の中に入ったらできるだけ金属面には触れないようにしましょう。

 

 

■落雷から生命を守る方法(屋外での対処)

 

周囲に逃げ込める建物や乗り物がなく、短時間での移動も難しいという場合は、少しでも安全性が高い場所で落雷を避けることになります。直撃雷を避けるためには、自分よりも高い樹木や建造物の近くにいる必要がありますが、4メートル以内に接近すると側撃雷を受ける可能性が高まるため、ほどほどの距離をとる必要があります。

 

高さ30メートル以上の建物や鉄塔がある場合、「その建物から4メートル以上離れ、かつ30メートル以内」の場所であれば、雷は建物側に落ち、かつ側撃雷も回避できるため安全な場所となります。(※30メートル以上のビルやマンションがあればその近くも同様に安全ですが、その場合は建物の中に避難した方がよほど安全です。)

 

樹木や電柱など、30メートル以下のものしかない場合は、「4メートル以上離れ、かつ頂点を斜め45度の角度で見られる範囲(直角二等辺三角形になるので、対象物の高さと同じ距離の範囲)」が比較的安全な場所となります。また電線の下も安全な場所になります。(※ただし前述の通り、逃げ込める建物があるならば斜め45度云々にはこだわらず、走って避難してください。)

 

 

■屋外で落雷を避ける際の注意点

 

姿勢を低くするあまり、地面にうつ伏せになるのはやめてください。至近に落雷した際、身体に流れる電流が多くなり危険になる場合があります。傘を差さず、雨はポンチョやレインウェアでしのぎ、できるだけ姿勢を低くして雷が収まるのを待ってください。もちろん屋内に移動できるのであればそれが一番安全です。

 

夏場に落雷をもたらす発達した積乱雲は、いわゆるゲリラ豪雨をもたらす要因とおなじものです。落雷が生じる場合、同時に大雨や雹(ひょう)が降る可能性も高いといえます。落雷を避けるには低い場所に移動することが重要ですが、同時に増水を避ける必要があるため、用水路や水の流れる溝などに入り込むことは避けてください。

 

 

■落雷を避けるための情報収集について

 

空から「ゴロゴロ」という音が聞こえ始めた際には、雷雲はすぐそこまで近づいています。基本的に屋外において絶対安全な場所は存在しません。雷鳴が聞こえると言うことはいつ落雷が生じてもおかしくない状況ですので、近くに建物や乗り物があればすぐに入れるようにする、逃げ込める場所がなければ安全な場所まで移動を開始するという対応が必要です。

また気象庁がWebサイトで公開している「雷ナウキャスト」は、最新の落雷の状況と雨雲の分布から、リアルタイムの落雷危険情報を知ることができますので、こうしたサイトを参照するのもよいでしょう。

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  • IEC61000-4-5は直撃雷は対象としておりません。電源線、通信線に雷エネルギーが乗っかりそれが電気電子機器の耐性を試験する規格でつ。イミュニティ試験。
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