9月1日AM8時──確率的には数年に一度くらいしか目の当たりにできないという、まるで皆既日食のようにレアな現象が、今日見られるかもしれないので、早速とある場所まで足を運んでみた。
「とある場所」とは、家の近所にあるローソンの新聞コーナーである。そこで、とあるスポーツ新聞を一紙買い、そのまた近所にあるドトールへと小走りで向かう。
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「とあるスポーツ新聞」とは、もちろん「阪神タイガース愛」を隠そうともせず一方的なトラ情報を常に発信し続ける、あの『デイリースポーツ』である。タイガースが勝った翌日は、一面右上の「デイリー」の「ー」が虎のしっぽ柄になる。
そして、崩御や未曾有の天災クラスの大事件でも起こらないかぎりは、頑なに「一面トップは阪神ネタ」を遵守するデイリーと、世間一般との“感覚のズレ”を心ゆくまで堪能し尽くせるのが今日、サッカー日本代表がオーストラリアを2−0で破り、W杯出場を決めた翌日、2017年9月1日だったのだ!
そんなデイリーが、今でもトラ党のあいだで語り継がれている“大仕事”を成し遂げたのは2年前の6月17日。埼玉スタジアムで行われたW杯アジアE組2次予選で、日本代表がFIFAランク154位(当時)のシンガポールとまさかのドローとなった翌日──スポーツ新聞のどれもが「ハリル日本 0点」「不吉0点発進 ハリル」「過去に初戦白星逃してW杯出場なし」……みたくハリルJAPANの今後の行く末に対する不安をトップで煽りまくるなか、デイリースポーツのみが一面で
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〜セ唯一!!交流戦勝ち越し〜
爆勝呼んだ 鶴岡(びっくり!!プロ初)5打点
と報じ、日本国中を「つるおかって誰やねん?」といったクエスチョンの嵐に巻き込んだ歴史的偉業に、思わず私(ら)は溜飲を下げたものであある(※鶴岡一成:1995年にドラ5でベイスターズに入団し、その後トレードでジャイアンツに移籍、さらには去年国内FA権を行使してタイガースに移籍した捕手。2016年に現役引退。現・千葉ロッテマリーンズ二軍バッテリーコーチ。40歳)。
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ただ最近は、さすがのデイリーも紙媒体を襲う構造不況には勝てないのか、去年の8月14日の朝は他のスポーツ新聞と同様、前日タイガースが勝利したにもかかわらず「SMAP解散」をトップ一面に持ってきて、少なからずのデイリーファンを「デイリーよ、お前もか…」と、おおいに失望させたりもしている。はたして、今回は大丈夫か!?
杞憂であった。全然大丈夫だった。各紙が、
6大会連続W杯
史上初
初戦黒星からGOAL
浅野が決めた(スポニチ)
……などと、しかも、讀賣ジャイアンツの御用紙『スポーツ報知』ですら
本田 香川抜き
ハリル監督賭けた
歴史作った
6大会連続W杯!!
……とトップで騒ぎ立てるなか、デイリースポーツだけは、ブレずに
奇跡起こせる
金本監督
鯉に5.5差
……なるキャッチコピーを一面に持ってきたのだ。
ああ、久々にイイモン見させてもらいました……。次の“Xデー”は、来年のロシアW杯が開催される6月〜7月あたりか? “そのとき”が待ち遠しくてたまらない。刮目せよ!
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