『NEWSポストセブン』によると、若者の「胸離れ」が起きている──そんなニュースがアメリカから入ってきた……らしい。
報じた媒体は『BUSINESS INSIDER JAPAN 日本版』。『Pornhub』というアダルトサイトが「胸」に関する利用者の検索傾向を分析し、その結果をもとに、あのセクシーコスチュームのウェイトレスで有名な『フーターズ』など、飲食業界にも話を広げている……のだそう。
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分析結果によると18歳から24歳の若者世代は、ほかの年齢層に比べて胸への関心が19%も低いことがわかりました。25歳から34歳の世代も11%低め。いっぽう55歳から64歳のおっさん世代は、ほかの世代より17%も高かったとか。65歳以上も12%高めで、45歳から54歳も4%高めでした。
……なんて風に丁寧語で分析結果を解説するこのヒトは「一体どこのアメリカ通なんだ?」と、著者名を確認してみれば……(citrusでもご馴染みの名コラムニスト)石原(壮一郎)サンだったんですね〜(笑)。硬軟問わず、さすがの幅広い情報網! 脱帽であります!!
さて。この若者の「胸離れ」、いや、ここはもうコンプライアンスとかは無視して、ハッキリ「おっぱい」と言ってしまおう。若者の「おっぱい離れ」は、アメリカだけの局地的現象なのか? それとも、日本にも押し寄せる世界レベルの余波なのか?
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私の率直な印象を述べれば、「おっぱい離れ」は、すでに日本の若者をも席巻する主流のマインドとなりつつある……気がする。
近年、やたら「おっぱい? キョーミないっす」みたいなニヒリズムを匂わせる台詞を、20代前後の男子の口から耳にする。我々が彼らくらいの年齢だったころは、誰もが「とにかくおっぱい!」だった。DだとかEだとかFだとかG・H・I……だとかの、じつはさして目安にもならないカップ数のアルファベッドにいちいち過剰反応を示し、おっぱいに始まりおっぱいに終わっていた。
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そして、30代半ばから40代に差しかかったあたりで、ようやくおっぱいから卒業し、「やっぱオンナは脚でしょ」「尻でしょ」「ウエストのくびれでしょ」「鎖骨でしょ」「肩胛骨でしょ」「アキレス腱でしょ」……etcと、徐々に“枝分かれ”していくのが、スタンダードな成長(?)の過程であったのだ。
ところが! もはや、その世代別傾向は「10〜20代がマニアックなフェティシズム、あるいはトータルバランスの“多様化”に走り、中年以降がおっぱいに固執する」という逆転現象が起こっているのである。「ヘソマニア」なんて人種までもが、昨今は若者たちのあいだでにわか増えているようで、一般的には「縦長で底深なヘソ」が「美ヘソ」と認定されるのだという。岩瀬唯奈という名のタレント兼モデルさんが「美ヘソギャル」として、赤丸急上昇中……だと聞く。まさに「そこまで来たか…」って感じである。
でも、ご心配なかれ(誰も心配はしていないだろうがw)! いくら若者たちがデータ上では「おっぱいから離れはじめている」とはいえ、それをイコール「おっぱいが秘める求心力の減少」と直結してしまうのは、あまりに早合点だと私は考える。
なにを隠そう、私もハタチのころから、おおかたの「おっぱいミーハー」な同世代男子に抗い、「おっぱい? キョーミあらへん(※関西弁。ゴメスは大学卒業まで大阪在住)」とマイノリティーを貫きとおし、現在に至るまでずっと「アンチおっぱい派」に身を投じ続けてきた。にもかかわらず、街で通りすぎる女子をガン見する際、最初のチェックポイントは間違いなく「胸元のユルさと膨らみ」だったりする。
そう。たとえ優先順位が何番目であろうと、男とは両のおっぱいから挟み築かれる「谷間」という、もっともわかりやすく具体的なブラックホールへと条件反射レベルで吸い寄せられる生き物なんである。よほど肥えてでもいないかぎり、どんなに頑張っても男は鏡でしか見られない臀部以外、おのれの肉体で「谷間」をつくることができないのだから……?