ホーム > mixiニュース > 経済 > BMWが日本に小排気量バイク投入「大排気量より市場大きい」

BMWが日本に小排気量バイク投入「大排気量より市場大きい」

2

2017年09月14日 17:12  THE PAGE

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

THE PAGE

写真[写真]「エンジン音がいい」とバイカーの顔を見せるリー・ニコルス本部長(写真はいずれも白馬村で)
[写真]「エンジン音がいい」とバイカーの顔を見せるリー・ニコルス本部長(写真はいずれも白馬村で)

 ドイツの自動車メーカーBMWのバイク販売部門「BMWモトラッド」(ドイツ語でバイク)が排気量400CC以下の小排気量バイクを日本市場に投入し、注目されています。1000〜1600CCの大型バイクを中心とするBMWモトラッドですが、「小排気量バイクの世界市場は大規模であり、重視する」として参戦。9月9日から2日間、長野県白馬村で開いたバイク・フェスティバルに来場したBMWモトラッドジャパンのリー・ニコルス本部長に戦略の一端を聞いてみました。


小排気量参入は「エキサイティング」

 「(500〜400CC以下の)小排気量バイクの世界市場は、大排気量の市場に比べ、とても大きいのです」。小排気量車の投入の理由を聞かれたニコルス本部長は、即座にこう答えました。開発途上国などでは大型バイクより小型の小排気量車の需要が圧倒的に多く、大型車を造ってきたメーカーとしてもその市場を無視できないということです。BMWにとって小排気量車の販売開始は画期的で「その判断はエキサイティングだった」とニコルス本部長。

 日本では、バイクの大型免許が教習所で取れるようになったものの、まだ「難しい免許」の印象が強く、400CCまでの普通二輪免許で乗れるバイクに関心が向きがち。BMWはそんな日本の事情に合わせたかのように昨年の東京モーターサイクルショーで300CCクラスの「G310R」を披露。今年7月から日本販売を始めました。担当者は「日本の消費者の反応は良い」としています。姉妹車種の「G310GS」も年内にも販売の見通しです。


251CC以上のバイクは横ばいを維持

 2012年の総務省・国交省調べによると、国内の二輪車の保有台数は全部で1200万台。このうち原付1種(排気量50CC以下)が約690万台、原付2種(50CC超〜125CC以下)が約158万台で、125CC以下のバイクが全体の7割以上を占めています。

 国内のバイクの販売不振は50CC以下の原付一種で顕著で、2005年の47万台から2014年には22万台へと半分以下に減少。便利な電動自転車に利用が移ったり、制限速度などの規制で使い勝手が悪いことも一因とされています。

 その半面、排気量が大きくなる小型二輪(251CC以上)は同7万6000台から同7万台へと微減で、2011年以降は5万〜7万台の増減を繰り返してほぼ横ばいを維持。50CCバイクを除けば小排気量バイクの販売促進の余地はあると見られています。


日本で輸入車首位のハーレーを追う

 BMWと同様に国内のバイク業界も小排気量車の海外市場に目を向けています。全国オートバイ協同組合連合会、全国二輪車用品連合会、日本自動車工業会(自工会)などは昨年、2020年を目標とした「二輪車産業政策ロードマップ」を取りまとめ、新興国などの市場を中心に拡大が見込まれる二輪車市場での成長対策をまとめました。自工会は「排気量の小さい二輪車は通勤、通学、買い物など日常生活で活用されている」とし、発展途上国などの大きな需要が期待できると見ます。

 大型バイクを中心にしたこれまでの日本の輸入は、日本自動車輸入組合が公表している2016年度の輸入小型二輪車の新規登録台数(速報)によると、今年3月までの1年間の実績でハーレー・ダビットソンが1万772台(シェア49.9%)、BMWが4448台(同20.6%)、イタリアのドカティ2439台(同11.3%)、イギリスのトライアンフ1811台(同8.4%)などとなっています。

 これは、2011年度のハーレー1万1609台、BMW2882台、ドカティ2145台、トライアンフ1526台との実績に比べ、BMWが5割以上、ドカティが1割以上、トライアンフも2割近い増加で首位ハーレーを追い上げています。

 大型車の日本市場への食い込みがじわじわ進む一方で、BMWのように小排気量車の展開もスタートしたわけで、東南アジアのバイクメーカーや海外の大手メーカーも125CCから750CCまで幅広い小排気量車の品ぞろえで、日本をはじめ世界の需要に応えていく構えです。大小排気量にまたがる国内外のメーカーのつばぜり合いは、日本国内に限らず新たなバイク市場の模様を描き出す可能性も出てきました。


【ニコルス本部長やり取り要旨】

 新たな展開を図るBMWモトラッドジャパンのリー・ニコルス本部長に日本市場への取り組みなどを聞きました。


(1)大排気量のバイクで知られたBMWが、G310Rのような小排気量車に目を向け始めた。これは戦略の変更か。

ニコルス本部長:戦略の変更ではなく、戦略の中に小排気量車を位置付けたということです。小排気量車の販売開始は私たちにとってもエキサイティングなことでした。何よりも小排気量車の世界市場は大排気量車に比べ、極めて大きいということが重要です。開発途上国も含めてです。

(2)世界のバイク市場は拡大、縮小のいずれの動きか。

ニコルス本部長:日本で見ると、排気量500CC以上の分野は、わずかな変化ではありますが成長基調です。各メーカーは新車の投入に力を入れています。一方で小排気量車のとても大きな市場も注目されていくでしょう。

(3)日本のバイク市場をどう見るか。外車との関係は?

ニコルス本部長:20年前には日本のバイクメーカーは国内で大変強い力を持っていました。しかし現在では輸入車も弱いとは言えません。以前に比べハーレーなどが日本国内で次第に増えており、ヨーロッパ車も性能が良くなってきました。ハーレーはアメリカのライフスタイルを象徴し、ヨーロッパ車もそれぞれのライフスタイルを示して日本で受け入れられつつあります。


(4)日本の二輪をめぐる法規制や免許制度については論議があるが。

ニコルス本部長:幾つかの課題があるとの指摘についてはその通りだと思います。日本ではバイク、特に大型バイクの免許を取るのが大変で、お金もかかります。ほかの国ではバイクの免許はもっと容易に取ることができます。ドイツで考えるとおそらく日本円で13万円ぐらいで大型バイクの免許が取れると思いますが、日本では20万円台はかかるのではないでしょうか。

 また、首都高などの一部道路では自動二輪車の2人乗りが禁止されているほか、バイクの駐車禁止については日本で極めて厳しい措置が取られてきました。この問題ではヨーロッパは逆の対策を取っています。バイクの方が車より道路の占有スペースが小さいので、都市部に入る場合はバイクを使うように誘導している例もあるのですよ。

 こうした日本の現状に対して私たちは輸入関連などの業界とともに日本の政府や関係当局に改善を働きかけており、今後も要請していくつもりです。

(5)日本国内で「バイクの販売不振」が言われている。海外メーカーはそんな日本市場にどう切り込むか。

ニコルス本部長:日本のメーカーは日本市場のほか(の海外市場)に目が向いているので、私たちはやりやすいですね(笑い)、半分冗談ですが。ヨーロッパ勢も将来への投資にとても熱心に取り組んでいます。バイクは実用面だけではなく趣味性の強い存在にもなっており、そこに今後の期待が持てるのではないでしょうか。

(6)若者のバイク離れなどが言われているが。

ニコルス本部長:世界でも同じ状況です。そこで各メーカーは若者向けの製品に力を入れており、デザインなどにも工夫を凝らしています。ですからBMWも大排気量車だけではなく若者向けに排気量300CCクラスのG310RやG310GSなどの投入を決めました。

 若者たちのバイク離れがあるとすれば、ゲームやスマホなど若者を取り巻く環境の変化との競合が生じているためでしょう。しかし若者たちがスマホだけの世界ではなく「風を感じる」バイクの世界に関心を持ってくれることに期待したい。人々の寿命も伸びており、アクティブにバイクなどで人生を楽しむ人々が増えていくことにも期待しています。

(7)排ガス規制の強化などでバイクの将来は?

ニコルス本部長:電気自動車への移行の動きもあり、ガソリンエンジンなどが消えるとすればバイクの前にガソリン自動車がなくなるでしょう。幾つかの車メーカーは電動化に取り組んでいます。電動のスクーターも開発されています。電動のメリットはクリーンであることと、製造コストが低いことです。

 しかしガソリンエンジンのバイクには、そうした事情だけで語れない引き付けるものもあるのです。個人的には、エンジンの音に心躍るものを感じています。

----------------------------------
■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説


あなたにおすすめ

このニュースに関するつぶやき

  • 「日本のメーカーは日本市場のほかに目が向いているので、私たちはやりやすいですね(笑)」 「しかしガソリンエンジンのバイクには、そうした事情だけで語れない引き付けるものもあるのです」真っ当スネ
    • イイネ!3
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定