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「集大成」と「未来」を感じた新iPhone 生活を変える新Apple Watch

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2017年09月14日 19:24  ITmedia Mobile

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写真iPhone 8
iPhone 8

 Appleの創業者にして前CEOである、故スティーブ・ジョブズ氏の名を冠した「スティーブ・ジョブズ・シアター」。2017年の新たなiPhoneは、このスティーブ・ジョブズ・シアターのこけら落としに合わせる形で開催された。


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 2017年は、初代iPhoneが登場してから丸10年を迎えた年。その節目となる年に発表されたのは、「過去10年の集大成」と「次の10年に向けた布石」の2つだった。前者が「iPhone 8/8 Plus」、後者が「iPhone X」である。


●10年かけてたどりついたiPhoneの完成形「iPhone 8/8 Plus」


 クック氏が「iPhoneにとって飛躍的な新製品」と紹介したのが、iPhone 8とiPhone 8 Plusだ。ディスプレイサイズは4.7型、5.5型と、iPhone 6/6 Plus以降の枠組みを継承しながら、背面にもガラスを使い、デザインには変化を持たせている。ガラスを用いることで、ワイヤレス充電に対応できたのも、iPhone 8/8 Plusの大きな特徴の1つだ。ワイヤレス充電はQi方式に準拠しているため、これまで他の機器のために販売されてきたチャージャーも利用できる。


 スマートフォンの頭脳ともいえるプロセッサも一新した。iPhone 8/8 Plusに搭載されたのは、「A11 Bionic」。CPU部分は6コアの構成で、高パフォーマンスの2コアと、省電力のコア4つからなる。これによって、1世代前の「A10 Fusion」よりも「25%高速化されている」(フィル・シラー上級副社長)。省電力の4コアは、さらにパフォーマンスが上がっており、A10 Fusionよりも70%速度が上がっているという。


 CPUだけでなく、GPUも自社で設計したものを採用。ISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)も刷新されており、ハードウェア側でノイズリダクションを強化するなど、カメラの機能も強化されている。さらに、AIへの対応も強化。「A11 Bionic neural engine」を搭載し、画像認識や音声認識の処理を高速に行えるようになった。このメリットがユーザーに見える形として提示されるのが、iPhone 8 Plusに搭載された、“β”のないポートレートモードである。


 デュアルカメラを搭載したiPhone 8 Plusは、人物撮影の際に、人物と背景を見分け、背景にボカしをかけることが可能。これに加えて、4種類の照明効果(ポートレートライティング)をかけ、人物の輪郭をよりクッキリさせたり、背景を消してモノクロの陰影がはっきりした写真を撮ったりできる。この人物だけを抽出する処理に、AIが用いられている。もちろん、カメラ自体もフィルターが変わったことで、より色鮮やかになり、低照度時のノイズも減る格好になった。


 もちろん、クック氏が「過去10年で、これらのイノベーションを築いてきた」と語り、プレゼンテーションで挙げていたマルチタッチ、App Store、Retinaディスプレイ、iMessage、Facetime、Touch ID、Apple Payなどは全て継承。LTEの速度も下り最大800Mbpsに向上するなど、過去10年の集大成的なモデルに仕上がっている。


 一方で、デザインはガラスの採用によって変わったとはいえ、前面から見た際の印象は大きく変わらない。iOS 11が採用されることで、操作性には違いがあるものの、iPhone 8/8 Plusは、あくまでこれまでのiPhoneと地続きの存在だ。成熟しつつあるスマートフォン業界に新たな風を吹き込む端末というより、これまでのiPhoneユーザーが満足して使える、王道の戦略に基づいてできた端末ともいえるだろう。


 ただ、モバイル業界全体を見渡すと、次の10年に向けた取り組みも徐々に明確になりつつある。縦に表示領域を広げ、ベゼルレスを志向する方向はその1つ。特に2017年はSamsung ElectronicsやLGエレクトロニクスに加え、ミッドレンジモデルを手掛ける他のメーカーも続々とこうしたディスプレイを採用し始めている。


 スマートフォンの主役は、そこに表示されるアプリやコンテンツであると考えると、この方向性は間違っていない。中身こそ最新のiPhone 8/8 Plusだが、集大成であるがゆえに、形として、次の10年に向けた回答が示しきれていないも事実だ。


●スマートフォンの「未来」を示したiPhone X


 集大成であるがゆえに、初代iPhoneから続く枠組みが残るiPhone 8/8 Plusに対し、「スマートフォンの将来といえる」存在だとクック氏が語るのが、iPhone Xだ。iPhone Xについて、クック氏は「これからの10年を反映する、新たな製品」とも語っており、iPhoneが今後、どのような進化をたどっていくのかを示す意味合いもある。


 iPhone Xでシラー氏から真っ先に紹介されたのが、有機ELを採用した「スーパーRetinaディスプレイ」だ。一目見れば分かるように、iPhone Xは、上下左右ギリギリまでディスプレイが広がっており、“ほぼ全てが画面”といえる状態だ。


 従来のiPhoneと比べ、ディスプレイは縦長になり、アスペクト比が18:9よりやや縦長になった。iPhone 8/8 Plusにはない、HDRディスプレイもサポート。映像をより臨場感のある形で楽しめるようになったと同時に、横幅が大きく増したわけではないため、手にもしっかりとフィットする。縦に情報が流れるTwitterやFacebook、Instagramなどのサービスとも相性がよさそうだ。


 ディスプレイの変化に伴い、操作の作法も変わった。10年間搭載され続け、iPhoneの象徴でもあったホームボタンが取り除かれているからだ。これまでのiPhoneはどのアプリを開いている状態でも、ホームボタンを押すだけでホーム画面に戻ることができたが、物理的なホームボタンのないiPhone Xではそれができない。代わりに、画面を下からフリックすることで、ホーム画面に一発で戻れるような仕組みを導入した。


 ホームボタンのダブルクリックで呼び出していたマルチタスクの画面は、フリックを途中で止めることで現れるようになっている。また、下からのフリックは、これまでのiPhoneだと、コントロールセンターに割り当てられていたため、これも画面右上から引き出す形になった。


 Androidで18:9のディスプレイを採用する端末の場合、画面下にナビゲーションキーを配置しなければいけない関係で、表示領域が狭くなってしまう。ナビゲーションキーを隠せる実装をするメーカーもあるが、逆に操作時に、もう一度ナビゲーションキーを表示させなければならないため、ひと手間余分にかかってしまう。シンプルなジェスチャーでこうしたトレードオフを解決できたのは、ハードウェアとソフトウェアを共に自社で開発しているからAppleだからこそだ。この点では、未来のスマートフォンを志向しつつも、伝統である強みを生かしている印象だ。


 ディスプレイだけでなく、「将来のスマートフォンのロック解除方法」(シラー氏)を提案してきたのも、iPhone Xで注目すべきポイントだ。ホームボタンがなくなった結果、iPhone Xでは、指紋センサーが搭載されていない。代わりに採用されたのが、顔認証の「Face ID」だ。


 顔認証というと精度面での課題があるように思われるかもしれないが、iPhone XのFace IDは、既存の機能とは一味違う。その理由は、前面に搭載されたセンサーにある。インカメラの周辺には、赤外線カメラ、近接センサー、ドットプロジェクター、フラッドイルミネーターを配置。顔を3万のドットに分解して、立体的に構造を把握することで、精度を上げることに成功した。解析には、先に挙げたA11 Bionic neural engineが用いられており、認証の速度も速い。指紋センサーのように端末を机などの上に置いたままロックを解除するということはできないが、逆に操作を開始しようと思ったら、ほぼ何もせずに認証が終わっているというのは大きなメリットだ。


 このセンサーの特徴を生かし、インカメラでのポートレートモードやポートレートライティングにも対応。さらに、サービスともつなげ、顔の動きに合わせてキャラクターが動く「Animoji」の利用も可能になった。


 縦長で、ほぼ全体が表示領域のディスプレイは他社も搭載しているが、その先の利用シーンまできっちり描いて機能を実装してきたのは、さすがのiPhone。ここ最近のiPhoneは、技術的にこなれたものを選び、母集団の大きさを生かしてそれを広げる傾向にあったが、iPhone Xはトレンドにいち早くキャッチアップしつつ、さらにApple流の味つけまでして見せた格好だ。10周年の今、送り出すのにふさわしい端末といえるだろう。


●スマートフォンの使い方を変える「Apple Watch Series 3」


 もう1つ、モバイルを語る上で忘れてはいけないのが、「Apple Watch Series 3」だ。iPhoneのコンパニオンデバイスとして生まれたApple Watchだが、Series 2ではフィットネス用途の色合いを濃くしながら、ターゲットを明確化してきた。クック氏も発表会で「Series 2が出てから大きな成長を遂げた」と語っていたが、用途を明確に打ち出した戦略は功を奏したようだ。そのうえで、Series 3では、ついにLTEと3Gに対応した。LTEについては、省電力性を重視し、速度を下り最大10Mbpsに抑えたIoT向けの規格である「カテゴリー1」を採用しているようだ。


 LTEや3Gに対応したことで、これまでの、主にBluetoothでの接続が必要だったApple Watchよりも利用シーンが拡大している。Appleの発表会では、象徴的なシーンとして、サーフボードに乗った女性が海(湖かもしれない)の上で電話を受けるデモが行われたが、ここまで極端なケースではなくても、LTEや3Gが活躍するシーンは多いはずだ。ランニング中や、ジムでのトレーニング中など、スマートフォンを携行しづらいスポーツはその代表例といえる。電話だけでなく、Apple Musicで音楽を聞いたり、マップを見たりできるのも、LTE/3Gに対応したメリットだ。


 もっとも、Apple Watchはフィットネス分野に重きを置いた製品ではあるが、それ以外での利用シーンも多い。ラグジュアリーブランドのエルメスとコラボレーションしていることも、Apple Watchがフィットネスバンドとは一線を画している証拠といえるだろう。


 より日常的な場面としては、近所のコンビニに買い物に行ったり、クリーニング店に洋服の受け渡しに行ったり、保育園・幼稚園に子どもの送り迎えに行ったりといった、手ぶらや手ぶらに近い状態で外出する際にも、iPhoneを持ち歩かずに、急ぎの電話を受けたり、メールをチェックしたりできる。Series 3も引き続きFeliCaを搭載しているため、ちょっとした買い物までできてしまうというわけだ。


 これまで、iPhoneやスマートフォンが入り込みづらかったシーンに、ネットワークを活用したサービスを広げていけるという点では、むしろSeries 3こそがスマートウォッチとしてのあるべき姿のように思えてくる。eSIMの採用や、ディスプレイをアンテナにするなど、技術的なバックグラウンドがそれを支えている点も、見逃せないポイントだ。


 もちろん、これまでもLTEや3Gを搭載したスマートウォッチは存在したが、製品としてのクオリティーはやはりApple Watchが群を抜いて高い。しかも、単一のシリーズとしては世界で最も販売量の多いiPhoneと密接に連携し、世界各国で多くのキャリアが取り扱うアドバンテージがある。


 実際、Apple Watch Series 3発表直後には、日本でも、ドコモ、au、ソフトバンクの3社が取り扱いを表明。ドコモは「ワンナンバー」、auは「ナンバーシェア」といったネットワークサービスを導入する予定だ。これによって、1つの電話番号を、iPhoneとApple Watchのどちらでも利用できるようになる。Apple Watch Series 3は、ポストスマートフォン時代の一端をのぞかせてくれた製品だが、こうしたAppleの“提案”がどこまでユーザーに受け入られるのかも、引き続き注目したい。


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