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赤ちゃんも1歳前後になると、徐々に色々なことができるようになります。そのうちの1つ“物を投げる”という、親にはちょっと困った行動もありますね。
「食事中に食べ物を投げて大変!」
「何度話しても直らない」
「外食時に何でも投げてしまうので危険」
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という理由でお困りのママへ、教育コンサルタントで教育業界に10年以上携わっている筆者が“何でも投げる子”への対応について説明します。
東京都教育委員会の保育文書によると、1歳前後の子どもは意図的に物を投げることができるようになります。(※1 P90)
子どもは目まぐるしく成長し、体の筋肉と骨の発達と共に、身の回りにある物に手を伸ばしては、触れ、掴み、手に取って遊び、投げるという動作を身につけていきます。
握力が強くなっているので(※2 P37)、自発的に掴む・離すという体のコントロールができることに驚きと楽しさを学ぶのもこの頃なのです。
1歳の段階では遊びで投げていることがほとんどで、悪さをしようという気持ちはあまりないです。
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投げる行為は物をつかみ、腕や腰など体を動かし重心を保ちながら、さまざまな要素をコントロールして投げます。
自分の意思と体の使い方、物が遠くへ落ちる様子や音などを子どもは投げる行為を繰り返しながら学習しているのです。
また、食事を投げたら「食べるものは投げないよ」と注意された、公園でボールを投げたら「上手に投げたね」と褒められたなど、大人の反応や顔色も良く見ているため、社会性を育てる行動の一つでもあります。
●危険がある時
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まず、投げるという行為は、人間の成長に伴う一過性のブームのようなものと考えるとよいと思います。
子どもは別の動作を覚え興味が移っていくので、徐々に物を投げることが少なくなってきます。基本的には叱らずに、温かく見守ってあげたいものです。
ただし、壊れそうな勢いで投げたり、人にぶつかって怪我をさせそうな危険がある時は、“その場ですぐに”、“短い言葉で”、“困った時の顔の表情”をしっかりと子どもに見せながら言うとよいでしょう。
●感情表現として物を投げる時
次に、この時期の子どもはまだ話せないため、自分の気持ちや欲求の意思表示の表現方法として物を投げることがあります。(※3 P36)
例えば、ママやパパにかまってほしい時に相手の気を引こうとして物を投げたり、おもちゃで上手に遊べない時、怒った感情を表すために物を投げたります。
こうした理由で物を投げた場合はすぐに叱るのではなく、子どもの表情や様子をよく観察し、子どもの気持ちの代弁をしながら言葉かけをすると効果的です。
例えば、食事中に野菜を投げたとしたら、「うまくお口に入らなくて嫌だったね。でも、野菜は食べものだから投げないよ」などと気持ちをくみ取りつつも誤った行動を正します。
子どもも「ママがわかってくれた。ちゃんと通じた」と感じることができて、気持ちも徐々に落ち着いてきます。
投げる行為は、新たな意思表示ができるようになった立派な成長の証しです。
子どもの投げる行為を“困った行動”としてすぐにやめさせようとするのではなく、泣く&寝る中心の新生児からここまで色々なことができるようになったという喜びを感じてほしいと思います。
子育てはまだまだ先が長い道のりです。
多少のことは大丈夫! くらいの心持ちで大らかに見守っていきたいものですね。
【参考・画像】
※1「<参考> 0歳児から2歳児の発達過程」 – 東京都教育委員会
※2 田口喜久恵、遠藤知里、栗田泰成、田村元延(2017)「乳幼児(0∼2 歳)の(把)握力調査とその発達経過の検討」『発育発達研究 第74号』※3 『幼児教育ハンドブック』」 -「お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター
※ Mcimage、Oksana Kuzmina / Shutterstock
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