ノムさんはノムさんらしくなくても説得力がある

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2017年09月23日 01:00  citrus

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「ノムさん」こと、南海・ヤクルト・阪神・楽天で監督を務めてきた名将である野村克也氏(82)が、「虎の逆転日本一へ愛の緊急提言」という名目で『デイリースポーツ』のインタビューを受けていた。

 

私のようなデイリーマニアじゃないとわからないことかもしれないが、サンケイスポーツ解説者の肩書きを持つノムさんが、デイリースポーツでコメントを発するのは、なかなかに珍しいケースだったりする。まさに“お宝記事”である。

 

古巣にもなる阪神に対し、ノムさんは「CSによる下克上優勝」、さらには「これから」のキーポイントとして、「藤浪投手の復活」「捕手の固定」「怖い監督」の3つを挙げている。とりあえず、その“3つ”を要約し、紹介してみよう。

 

1.投手は地球が自分中心に回っていると思うくらいでいい

 

「藤浪に進言したい。当てても気にするな。外角を生かすためにも内角は必要。ピッチャーは『当たったらごめん』くらいの飄々とした自己中心的なメンタルで投げるべき」(ノムさん談)

 

2.捕手を固定し、配球でも口でもだます

 

「キャッチャーに重要なのは記憶・推理・判断。バッターと(受ける)ピッチャーの能力を共に理解し、相手を攻略するためにも“捕手の固定”は必須。また、正攻法で勝てないんだったら、どんな手段でも使うべき。バッティングで重要な集中力を乱そうと私がやってみたのが“ささやき戦術”。現役時代はマスク越しに『最近、銀座行ってるの?』などとバッターに向かってささやいていたものだ」(ノムさん談)

 

3.阪神は怖い監督がいい、金本は合っている

 

「自分が指揮を執った阪神では3年連続の最下位。その経験から考えると、阪神は(かつての星野仙一氏のように)怖い監督のほうが好結果を生む。そういう意味で、金本は向いているんじゃないか」(ノムさん談)

 

さすがの分析である。素晴らしい! 素晴らしいけど、ノムさんフェチのアナタなら、ここにある3つの指摘を読んで、思わず「おや?」と首をひねってしまうのではなかろうか? そう! いつもは「野球は失敗のスポーツ」だとか「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」だとか……と抽象的な格言か、「何球目の何々の配球が云々」だとか……と理論派よろしくの細かい部分ばかりを突いているはずのノムさんが、今回にかぎってはヤケに実利的で精神論っぽいことばかり言っているのだ。

 

じわりと方向転換を謀っているのか、「デイリー読者にはあんまし難しいこと言ってもムダやろ」とナメてかかられたのか……その理由は定かではないが、いずれにせよどれもこれもが納得しまくれる内容で、しかもじつにわかりやすい。

 

正直なところ、私は個人的に「ノムさんの野球論は、もしかするとちょうどこのあたりのバランスがベストなのでは…?」と考える。私の単なるノムさん勉強不足なのかもしれないけど、できればもっともっと、ノムさんのこういう中途半端な金言に触れてみたい……。

このニュースに関するつぶやき

  • こんなただの老いぼれ爺、全然説得力なんてないよ。
    • イイネ!1
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