読めない上位争い、キャシディがスーパーフォーミュラ6戦目で初ポール獲得

1

2017年09月23日 16:22  AUTOSPORT web

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

6戦目でスーパーフォーミュラ初ポール獲得したニック・キャシディ
残り2大会となりタイトル争いも大詰めとなった全日本スーパーフォーミュラ選手権。第6戦SUGOの予選が土曜日に行われ、ニック・キャシディ(KONDO RACING)が自身初のポールポジション(PP)を獲得した。

 第4戦もてぎ、第5戦オートポリスでは2スペック制のタイヤフォーマットにてレースが行われたが、SUGO戦はミディアムタイヤのみの1スペック制に戻ってのレースとなる。

 天候は金曜日の夜から土曜の朝にかけて雨が降り、午前中のフリー走行はウエットタイヤを装着しての走り出しに。セッション終盤には、走行ラインのみが乾き、多くのドライバーがスリックタイヤに履き替えてマシンの確認やタイヤの皮むき等を行っていた。

 Q1セッション、空は厚い雲に覆れ、気温21度、路面温度22度と肌寒さも感じられるなか、20分間のノックアウト式予選Q1がスタートした。路面コンディションは完全に乾き、各車タイヤを暖めながら、ドライコンディションでのマシンの最終確認を行う。最初にトップタイムをマークしたのはヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の1分06秒060。

 その後、各自確認を終えたのち、セットアップの最終調整とニュータイヤに履き替えるため、全車ピットイン。残り時間7分を切ったあたりで各車再びコースへと向かった。SUGOは1周3.704mとコース距離が短く、19台がアタックする中でいかにクリアラップを取れるかがまずは勝負どころ。計算とともに運も必要となる。

 最初のターゲットタイムとなったのはアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)が計測3周目で出した1分05秒712。そのあとをチームメイトの中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が続く。多くのマシンが計測3周目にアタックを行ったなか、計測4周目、チェッカーフラッグが振られるとほぼ同じタイミングでマーデンボローが1分05秒685とトップタイム更新。

 さらにその直後、チームメイトの関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が1分05秒530とマーデンボローのタイムをわずかに塗り替えインパル勢がワンツーでQ2進出。

 もてぎ、オートポリスとコースレコードを更新していた野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は0.009秒足りずまさかの15番手でノックアウト。そのほか山本尚貴(TEAM MUGEN)、山下健太(KONDO RACING)、大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)、小暮卓史(B-MAX)がQ1敗退となった。

 続く予選Q2セッション、ピットロード出口では定められたセッション開始3分前から早々とマシンが並び、Q1トップの関口はフロントタイヤのみスクラブしたタイヤで、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)は4輪スクラブ済みのタイヤを装着してセッション開始の時を待っていた。10分間のインターバルののち、7分間によるQ2が始まった。

 クリアラップを取るために時折ペースを落としながら前との間隔を作るマシンも見られるなか、ウォームアップラップが重ねられていく。

 計測3周目を迎え、各車ベストタイムを刻み始めアタックラップが始まった。最初にターゲットタイムを出したのは国本で1分05秒641、直後にロッテラーが1分05秒122と自身が持つコースレコード1分05秒005を更新目前のタイムでトップを奪う。そのロッテラーのあとに一貴、石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)と続き、この時点で国本は4番手まで落ちてしまう。

 Q1同様インパル勢は計測4周目に狙いを定めタイムアタック。まずは関口がコントロールラインを通過し1分05秒384と2番手へと浮上。マーデンボローは自己ベストタイムを更新するも8番手、ギリギリのQ3進出となった。Q2最終トップ3はロッテラー、関口、一貴の順に。

 国本は最後に9番手まで沈みQ2敗退。その他、中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING)、伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、フェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、塚越広大(REAL RACING)の6台がQ2で姿を消した。ホンダ勢ではピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)のみがQ3進出を果たした。

 最後の7分間のQ3セッションはロッテラーを先頭にコースイン。石浦、小林可夢偉(KCMG)、一貴はやや間隔を開けてコースへと向かう。

 ロッテラーのアタックラップはQ1、Q2と同様に計測3周目、ターゲットとなるタイムを出すかと注目のなか、1コーナーでミスがあったようでセクター1のタイムが伸びず3周目でのアタックを止め、勝負を次の周回へと見送る。

 代わりにガスリーが計測3周目でアタックを行い1分05秒080でトップに。その後、トップタイムの更新がなく、ポールはガスリーに確定したかと思われた。

 しかしセッション終盤、チェッカー間際でキャシディがコースレコードを更新する1分04秒910でトップに躍り出た。さらに、計測4周目で上位に名前のなかった関口が執念のアタック。計測5周目で2番手へと食い込みフロントロウを獲得した。

 最終順位トップ3はキャシディ、関口、ガスリーに。キャシディはスーパーフォーミュラルーキーイヤー6戦目にして初のPP獲得。これで今季のスーパーフォーミュラは第6戦の今回まで、ポールシッターが7人(第2戦が2レース制)という混沌を象徴する展開に。

 KONDO Racingの近藤真彦監督は「ニックは最終コーナーを立ち上がってまだチェッカーを受けてないのに『イェーイ!!』って無線で叫んでいた(笑)。マシンの速さはあるので、あとは明日のスタート次第。優勝をプレゼントしてもらいます」と、満面の笑みでテレビのインタビューに答えた。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定