トキソプラズマ症は母から子へ胎内感染する

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2017年09月24日 05:32  妊活・卵活ニュース

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トキソプラズマ症と脳障害の関連性
16研究機関の研究者32人は、「Scientific Reports」にて、妊娠中の女性がトキソプラズマ症を発症した場合、トキソプラズマに感染している母親から胎児へ胎内感染し、胎児の脳神経における発達異常をきたす要因に成り得ると発表した。

トキソプラズマ症とは
トキソプラズマ症とは寄生虫であるトキソプラズマ原虫により生じる感染症であり、脳神経の発達に大きな影響を及ぼす。一方、世界人口のうち、3分の1はトキソプラズマに対して終生免疫をもち、症状が現れないといわれる。

トキソプラズマ原虫は、猫科の動物が宿主であるといわれる。猫が原虫をもつマウス・ネズミを食べて感染し、猫の尿を介して感染する。トキソプラズマに感染した猫は、数週間は強い耐性をもつ病原菌を含む尿を排出する。猫の尿に触れた水や土はトキソプラズマが残り、1年以上も生き延び、新たな感染経路となる。

猫科の動物から哺乳類へ
研究チームはトキソプラズマと脳障害の関連性について調査を行い、脳内にてトキソプラズマが増殖して慢性的に感染症が発症するメカニズム、および、寄生虫の休眠状態により症状が発症しないメカニズムの解明に努めた。

シカゴ大学のリマ・マクラウド(Rima McLeod)教授は、脳内の細胞がトキソプラズマに感染することにより、細胞機能は抑制され、脳の発達異常が引き起こると推測する。

また、トキソプラズマがマイクロバイオーム(体内に棲息する微生物の集合体)に欠損を生じさせ、脳障害の要因となると仮定する。

近年、トキソプラズマに感染したレオパルトの尿を介して、チンパンジーに感染した事例が確認された。事例を受け、研究チームは、猫科から哺乳類へ感染すると結論付けている。

(画像はPixabayより)

SCIENTIFIC REPORTS

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