JCASTニュースによると、9月15日から全国で放送されているフェイスマスク『オルフェス(ALFACE)』(ロハス製薬)の第2弾CMが、ネット上で物議をかもしている……らしい。とりあえずは、その“問題部分”を、かいつまんで説明してみよう。
CMは「チャンス編」「ピンチ編」「迷わせる編」の3種類あり、批判の的(まと)となっているのは「チャンス編」と「ピンチ編」。
「チャンス編」は、ある女性が落としたりんごをイケメン男性が拾い上げたところに、元アイドルグループKARAのク・ハラが通りかかり、その美しさに魅了されてしまったイケメンはうっかり、手にしたりんごを持ち主の女性ではなく、無関係なハラに渡してしまう……という展開(〆のコピーは「チャンスはいつでもやってくる」)。
一方の「ピンチ編」は、男性役を背が低くぽっちゃりした体型のブサメン男性に入れ替えて、同じストーリーを演じており、「チャンス編」とは対照的に女性出演陣は終始笑顔を見せず、ブサメンを前に怯えるような演技を見せている(〆のコピーは「キレイはピンチを招く時もある」)。
なるほど、まさに「格好の餌食」といった感じの連作で、案の定このように男性の外見次第で女性の態度が露骨に変わってしまう内容が「差別的ではないか」との指摘が続出しているのだという。
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私なんかは、「チャンス編」の「ある女性が落としたりんごをイケメン男性が拾い上げ、たまたま通りかかったク・ハラの美しさに魅了されて、うっかり持ち主の女性ではなく、無関係なク・ハラに渡してしまう」といったくだりも、けっこうな残酷さだと思うんだが(※微妙な顔面偏差値である“持ち主の女性”が“間違えられた”ときに浮かべる微妙な表情が、なんだかとても可哀相に見えた)、どうやらネット住民の皆さんの琴線は“そっち”じゃなく、“ブサメンの取り扱い”のほうにあった様子である。
実際のところは、ブサメン役の役者さんもチビ&ぽっちゃりといった身体的特徴のおかげでCM出演を果たし、メディア露出の機会といくらかのギャラをいただいている──つまり、不細工を自身のキャリアへと最大限に活かしているわけだから、むしろ本人にとっては「サクセス」の部類だったりするのだけれど、普段は男目線でつくられた「女性の美醜を判断目安とする差別的表現」ばかりが叩かれがちな昨今、その“逆バージョン”が現れたのを良いことに、ここぞとばかり鬼の首を取ったかのごとくバッシングしたくなる、男性側による反撃の心情もわからなくはない。ロハス製薬さんには申し訳ないけど、一種の毒抜的役割としては十分すぎる貢献をもたらしたと言えよう。
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だがしかし! はたして、ミスコンやら「容姿重視」で女性社員の採用を決める会社やらをターゲットとし、ヒステリックに抗議の声をあげる“ジェンダー問題に敏感”な皆さん方々は、この案件に関してどのようなリアクションを示しているのだろう? スルーなのか、それとも「男女平等」の原則に例外なくのっとり、またきちんとダメ出しの姿勢を貫くのだろうか?
私の今回のCMに対する基本的なスタンスは、「コンプライアンス」という言葉が一人歩きし出している今でも「これくらいのジョークは大目に見てあげましょうよ」であることに変わりはないが、フェミニズムを安易に公言するたぐいのリベラリストなヒトたちが、ここで沈黙するのは、ちょっとズルいんじゃないか……って気もする。