夫婦のコミュニケーションロスが原因…最近のドメスティック・バイオレンスはどこで「スイッチ」が入るのか?

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2017年10月03日 18:00  citrus

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(C)NTV

10月4日から放送されるドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。ワケありの過去を持つ主人公・菜美(綾瀬はるか)がひょんなことから主婦となり、街で起こるトラブルを解決していくストーリーです。citrusでは本ドラマの連動企画として、各放送回で取り上げる社会問題にまつわる記事を掲載。さまざまなジャンルに精通したcitrusオーサーが、ドラマをより深く楽しむためのヒントを提供していきます。

 

〜『奥様は、取り扱い注意』連動企画 Vol.01〜
「DV(ドメスティック・バイオレンス」からの逃れ方

 

<第一話あらすじ>ある日、菜美(綾瀬はるか)は優里(広末涼子)と京子(本田翼)に誘われて料理教室に通うことに。そこで出会った知花(倉科カナ)は、夫にDVを受けながらも、その事実を周囲にひた隠しにしている様子。その事実を知った菜美は、知花を救うために問題解決に乗り出していく…。
 

 

今回ご登場いただくcitrusオーサーは、結婚離婚カウンセラー・岡野あつこさん。ドラマのテーマにあわせて、最近のDVの傾向、解決方法を岡野さんの視点で語っていただきました。

 

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■夫の「DVスイッチ」が突如オンになる瞬間

 


(C)NTV

2017年の話題として、多くの人の記憶に残っているのが「突如、キレて暴言を吐く女性」ではないでしょうか。松居一代さん、豊田真由子議員といった、強烈なインパクトの女性がいたおかげで「キレる女性」が注目されました。しかし、一般的にそうしたことは、夫婦間の「DV」にも発展しかねません。ちなみにご存じのとおり、DVは物理的な暴力はもちろん、精神的な暴力も含みます。

 

ひと昔前と比べ、最近はDVに対する社会の受け止め方もやや変わりました。たとえば、以前は「DVは治らないから、暴力を受けた時点で即、離婚したほうがいい」という意見が主流でした。ところが、最近は「なぜパートナーの“DVのスイッチ”が入ってしまったのか考え、まずは自分自身の言動を振り返りましょう」との声も少なくありません。離婚を前提に話を進めるのではなく、「どうしたら夫婦関係を修復してお互いに幸せになれるか?」を重視して行動する考え方です。

 

以下、具体的に「夫が妻に対して暴力をふるう」ケースで説明します。ただ単に暴力をふるう癖がある男性ばかりではなく、妻が夫の「DVスイッチ」を無意識にオンにしてしまっている場合もある、という例です。

 

 

■Case1:「夫がキレた理由に気づけない妻」

 

Aさん夫婦には2歳の子どもがいます。妻は、家事や子育てに非協力的で口うるさい夫に、日々不満をぶつけています。かたや夫は、妻の面倒くさがりでルーズな性格、家の中がいつも片付いていないことに、口には出さないものの毎日イライラしている状態です。夫が妻に暴力をふるうようになったきっかけは、子どもがカーペットにジュースをこぼしたこと。妻は「ジュースをこぼしたのは私ではなく子ども。なのに、どうして私が暴力をふるわれるのか、その理由がまったくわからない」と夫の豹変ぶりに唖然としてしまいました。夫いわく、「子どもがジュースをこぼしたら、カーペットにしみ込む前にさっさとタオルで拭き取るのが母親の役目。それを何もせず眺めていた挙句、オレに言われてようやく重い腰をあげ、タオルを取りに行くとは何事だ。もうカーペットにジュースのシミができて汚れてしまったし、今度はそれを洗ったり干したりしようともしない。だらしがないのも、いい加減しろ!」とのことでした。

 

……このケースだと、夫のDVは常習的ではないかもしれません。口が達者でない、言葉で伝えるのが苦手なタイプは、内側に不満をためこんでしまい、文句があっても相手にうまく伝えられません。もちろん、暴力は卑劣な行為ですが、暴力で訴えるしかない状況まで妻に追い詰められてしまっているとも言えます。妻への不満が積もりに積もっていたところ、妻のルーズな行動が引き金となり、とうとうキレた、というわけです。幸い、Aさん夫婦はカウンセリングを受け、夫が暴力をふるった理由や背景もお互いに納得。夫婦関係を無事修復できました。妻は夫に暴力をふるわせないよう自分の言動をあらためる努力を、夫は自分の気持ちを妻にきちんと言葉で伝える努力を、それぞれ実践したことも効果大でした。

 

このように、「DV=即、離婚」ではなく、DVにいたるまでの背景を夫婦で考え、勇気を出して向き合うと、離婚を回避できることもあります。ふたりで解決できない場合は、友人や親せきに頼るのではなく、カウンセラーに相談して士業の力を借りて「二度と暴力は振るわない」といった公正証書を書いてもらうのも手です。ただし、それでもDVがおさまらないなら、離婚も仕方ありません。いずれにしても、幸せになる方法はひとつではないのです。

 

***

 

岡野あつこさんが語るように、DV(ドメスティック・バイオレンス)を逃れる方法はいくつかあります。「DV=即、離婚」と考えずに、「幸せになる方法」をじっくりと模索したいものです。10月4日放送の第1話でも本稿の実例のように、うまく解決したのでしょうか…?

 


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日テレ水曜ドラマ

『奥様は、取り扱い注意』

10月4日放送開始 毎週水曜22時〜
<出演>
綾瀬はるか
広末涼子
本田翼
西島秀俊 ほか
<スタッフ>
原案・脚本:金城一紀
音楽:得田真裕
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:枝見洋子 松本明子(AXON)
演出:猪股隆一
製作著作:日本テレビ

HP:http://www.ntv.co.jp/okusama/index.html

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