■「リーダー系アイドル」がソロ活動で苦戦する理由
過去にAKB48で総監督を務め、現在はソロ歌手として活動する高橋みなみが苦戦しているようだ。自身初の全国ツアーでは全国15ヶ所を回り、会場はキャパ500人以下の“小箱”が中心だったにも関わらず、チケットは売れ残りが目立った。かつて総選挙で約14万票を獲得していた頃の人気は影を潜めてしまったのだろうか。
高橋みなみに限らず、アイドルグループから独立しソロ活動を行う歌手やタレントは少なくない。先日「引退宣言」をした安室奈美恵もかつては「SUPER MONKEY’S」のメンバー。ソロになってから飛躍的に人気を集めたり成功するケースもあるが、当然苦戦するケースも多い。原因は様々あると思うが、高橋みなみの場合は「リーダー系アイドル」というイメージが大いに影響しているのではないか?と思う。
|
|
AKB48のようなコアなファンを多く持つアイドルグループは、ファンに「自分たちが支えてあげないといけない」という使命感や愛着を持たせる戦略を意図的にとっている。かつて総監督を務めていた頃の高橋みなみには、かつてない50人近い(しかも競争を繰り広げる)アイドル集団をまとめ上げるという大役が与えられ、ファンの多くは重圧に苦しむ高橋を一緒に支える気持ちで応援していたはず。
しかしソロ活動を始めてからは、その重圧からも解放され、歌や演技など自分の個人のスキルを自由に活かして活動することができる。それらのスキルで新たなファンを獲得していけると良いのだが、残念ながら高橋みなみの持っている強烈な「リーダーシップ」は現在のソロ活動では、かつてほど活かし切れていないのかもしれない。
|
|
■「リーダーシップ」の次なる活かし方とは?
ソロ活動は個人の「プレーヤーとしての力」が最も求められ、歌手であれば「歌唱力」、女優なら「演技力」、バラエティタレントであれば「コメント力」などが成功には欠かせない要素となるだろう。高橋みなみもソロになってから幅広い活動をしているようだが、ファンとしてはやはり「リーダーとしての高橋みなみ」をまた見てみたいと期待しているのではないだろうか。
|
|
一番わかりやすいのは、別のアイドルグループをリーダーとして新たに立ち上げたりするとAKB48時代のリーダー像と比較できてファンは楽しいが、キャリアとしてのステップアップ感は弱い。どうせやるのであれば、AKB48の秋元康のポジションである「プロデューサー」のようなアイドルを発掘したり、育てていくような役割になると高橋が持つ「リーダーシップ」が大いに活かされるのではないだろうか。
人材育成の仕事をしている立場からすると、高橋みなみは人材に対する「育成力」が高いと感じる。理由はシンプルで、厳しいことも遠慮せず言うことができ妥協しない姿勢があるからだ。高橋みなみがプロデュース、育成したアイドルをみたいファンも多いはず。
■「女社長としての高橋みなみ」が見たい!?
あえてビジネスの世界に新たな活躍の場を見出すのであれば、法人を設立して「女社長としての高橋みなみ」も見てみたいリーダー像の1つだ。歌手のGACKTやプロサッカー選手の本田圭佑選手のように、現役の頃からビジネスの会社を立ち上げて活動する有名人も少なくない。
「アイドルしか経験していない子に経営者なんて務まるはずがない」と思う人もいるかもしれないが、それこそファンからすると高橋みなみらしい「重圧がかかる無謀なチャレンジ」に見え、多くの人が「自分たちが支えてあげないといけない」と応援される存在になるきっかけになるだろう。
「リーダーシップ」という世の中で汎用性の最も高いスキルを持っているからこそ、アイドルという枠を超えて、その可能性を模索してほしいと思う。あなたはどんなリーダー像を彼女に期待しますか?