なぜ? 松岡修造と熱血したい若者たち

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2017年10月24日 01:00  citrus

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ネタ・雑学・海外・スポーツ・コンピュータ・家電製品・エンターテインメント等のニュースを紹介するネットメディア『ナリナリドットコム』によると、「もし松岡修造があなたの上司だったら…」を物語仕立てにした自己啓発書『修造部長』が10月26日、宝島社から発売される……らしい。

 

本書は、元テニスプレイヤーでタレントの松岡修造(49)が「もし経営難の中小企業の部長に抜擢されたら…」という設定のもと、倒産寸前の“部品を扱う会社”を立て直していくフィクションモノ。

 

いつの間にか周囲を巻き込み、やる気にさせる修造部長は、個々が持っている力をうまく出し切る方向に導くナビゲーターとして重要な役割を担っており、中間管理職として部下からも上司からも信頼を獲得。数々の名言と「修造哲学」を軸に進んでいくストーリーは、面白いうえにわかりやすく、笑いあり、感動ありの内容となっている。

 

……のだそう。

 

なんか、いかにも売れそうな企画である。「修造みたいな上司がほしい」という人も「修造みたいな上司になりたい」という人も、つい手に取ってしまいがちな……つまり、20代から40代、いや50代前半あたりまでの幅広い年齢層の食指を動かし兼ねないキラーコンテンツとなる予感がムンムンする。担当編集も「修造さん本人主演でドラマ化したいです!」と鼻息も荒く……充分にあり得る話だ。ちなみに、表紙のイラストは『島耕作シリーズ』でお馴染みの漫画家・弘兼憲史さん。いっそ、オール漫画にして、弘兼センセイに描いてもらえばよかったんじゃないか?

 

松岡修造というヒトは、いっけん「純・熱血漢」のイメージがあるが、じつは「自分にできることを冷静に考え、論理的に物事に向き合い、具体的にシミュレーションを行ったうえで着実に成功を収めていくタイプ」だとも聞く。

 

「崖っぷち、最高じゃないですか。新しい自分を、新しい会社を作るチャンスじゃないですか」

「今日も頑張っているね。ここからは大いに緊張して、脳をぶるぶるさせて、楽しもう」

 

……などと、作中には典型的な熱血発言が差し込まれているいっぽう、

 

「僕は根性論が嫌いです。いわゆる、根拠や理論に裏打ちされていない根性論が、です」

 

……と、“意外な一面”もかいま見られるという。たしかに前述までを読むかぎり、“理想の上司”として遜色ない人材だと、ロクに会社勤めもしたことがなく、上司らしい上司に仕えたこともなったこともない私も思う。

 

ただ、いつも修造がそばにいる環境は、やはり暑苦しいことに間違いはない……とも思う。はたして、今の若者たちは、修造がかもし出す尋常じゃない熱量に最後まで堪えうることができるのか!?

 

自分で「〜できるのか!?」なんて問いかけをしておきながら、こう言ってしまうのもなんだが、私は「大丈夫!」だと即答する。私のまわりにいる若者たちからジャッジするかぎり、彼ら彼女らの多くは、けっこう「熱血」が嫌いじゃなかったりする。むしろ、「熱血したい!」と秘やかに願っているフシさえあると言ってよい。でも、「熱血」をキャラに自身を売り出すなら、「しょうがねえな…あのヒトは(笑)」といった言い訳的なクッションと「(笑)」、正確には「(苦笑)」といった毒抜きが不可欠なのである。笑えない熱さはうっとうしい汗をかくだけ。そして、このどこか滑稽でもある「(笑)」の要素を、万一修造が計算尽くで振る舞っているならば……これはもう天才策士以外の何者でもない。「部下として一生ついていきます!」と、フリーランスの私ではあるけど、声を大にして宣言したい。

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