86/BRZ第9戦:ブリヂストン勢がウエットの予選で上位独占。決勝レースは台風で中止に

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2017年10月24日 10:42  AUTOSPORT web

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プロフェッショナルシリーズで今季初予選ポールを獲得した阪口良平(大阪トヨタ86レーシングBS)
GAZOO Racing 86/BRZ Raceの第9戦が鈴鹿サーキットで行われ、プロフェッショナルシリーズでは今季初のポールポジションを阪口良平(大阪トヨタ86レーシングBS)が、クラブマンシリーズでは庄司雄磨(OTG AREA 86)初めてのポールポジションを獲得するが、決勝レースは悪天候のため中止に。なお、クラブマンシリーズでは最終戦を待たずして、神谷裕幸(N中部ミッドレス スノコ86)のチャンピオンが決定した。

 残す戦いは、鈴鹿と富士のみとなって両シリーズとも、そろそろチャンピオンの行方が気になり始めた86/BRZ Race。また、プロフェッショナルシリーズでは、前回のヨコハマに続いて、ブリヂストン、グッドイヤー、ダンロップも新スペックのタイヤを投入。その動向も注目された。

 しかし、このレースウイークは絶えず雨模様。それもひとえに台風21号の接近の影響が大きいよう。金曜日の専有走行も含めて、練習の機会はすべてウエットコンディションとなっていた。

 そこで明らかになったのは、ウエット性能ではブリヂストンが圧倒的だったこと。ちなみに専有走行では阪口良平(大阪トヨタ86レーシングBS)を筆頭に、ブリヂストンユーザーによって上位が独占されていた。

 土曜日に行われた予選は、やはりウエットコンディションに。それも直前に行われたメインレースのスーパーフォーミュラの予選が赤旗中断の連続で、23分間遅れでの開始となった。

 そんな路面状態だっただけに、いつ赤旗が出されてもおかしくないから、ほとんどのドライバーが計測開始と同時にコースイン。ひとりディフェンディングチャンピオンの佐々木雅弘(小倉クラッチREVO 86 BS)だけが、5分間経過したところからのスタートとなった。練習走行の勢いそのままに、いきなりトップに立ったのは阪口だった。しかも、2周連続でタイムを詰めていき、ひとり2分38秒台にまで乗せることとなった。

 そんななか、阪口にコンマ1秒遅れとはいえ、やはり2分28秒台に乗せてきたのが佐々木だ。このあたりの肝の座りは感嘆するしかない。ほぼ同じタイミングで、久保凛太郎(CG ROBOT BRZ BS)が3番手に浮上。結局、ブリヂストン勢はトップ9まで独占し、アンチ系ではヨコハマ勢の織戸学(サミー☆K-one☆MAX86)が10番手で最上位となった。

「1周目からタイムが出ていたんですが、思いのほか滑りやすかったんですよ。それでもタイムはけっこう出ていたので、とりあえずタイムが出るまで走り続けました」と阪口。

「途中、黄旗が出ていたので抑えて走って、最後にもう一発と思ったんですが、グリップ感が足りなくて。それでも自分の実力は出し切ったので、久々のポールポジションが獲れたんだと思います。すごく鈴鹿に合わせてくれた大阪トヨタ、チームのおかげだと思っています」

 一方、クラブマンシリーズでは練習で、チャンピオンに王手をかけている神谷裕幸(N中部ミッドレス スノコ86)が絶好調。これに最大のライバル、小野田貴俊(ネッツ東埼玉ワコーズED86)が続くことに。しかし、2組に分けられた予選において、神谷は1組の4番手に。

「絶えず(他車に)引っかかっていたのと、せっかくクリア(ラップ)を取れた周に白線を踏んでしまい、少しズルっと(滑ってしまいました)。今回のうちに決めたいんですけどね」と悔しそうに語る。

 その前に立ちはだかったのが、庄司雄磨(OTG AREA 86)と小野田、そして手塚祐弥(栃木スバルBS BRZ P.MU)と優勝経験のある者ばかり。特に庄司は「路面状態の変化とタイヤの美味しいところをうまく合わせられて、2周目、3周目とタイムを伸ばすことができました。明日の雨がどんな感じか分かりませんが、予選と同じぐらいならば、自信があります」と強く語っていたのだが……。

 なお、2組のトップは水野大(リキモリ剛式制動屋カークリ86)で、2番手は河村直樹(N中京GRガレージ小牧BS86)が獲得したが、タイムに優った庄司がポールポジションを獲得し、水野以下はイン側グリッドに並ぶことに。

 プロフェッショナルシリーズの予選が終了してから、しばらくすると日曜日の全レース中止が発表される。特に阪口や庄司の無念さは想像に余りあるが、レースの安全、そして何より観客の安全確保を重視したとあっては、中止はやむを得まい。その結果、最終戦を待たずして、クラブマンシリーズで神谷の初タイトルが決定した。

「実感もまだ湧きませんし、正直『えっ?』って感じです。戦って、小野田さんと白黒つけたかったですね。でも、今年1年間を振り返ると、最初のうちはクラブマンのタイヤの使い方が分からなくて、やっていくなかで3戦目、4戦目あたりからいいところが分かって、特に4戦目の岡山は慣れているところなので、そこで確信が持てたのが、その後につながっていると思います」と神谷。

「去年まで使っていたクルマと、今年のクルマを比較テストしたら、普通に同じセットでも1秒遅くて。ちゃんとセットアップも進んだので、それが連勝につながったのかもしれません。今年も自分でセットアップはやっていましたよ」

「まだ最終戦も残っていますので、そこで勝って。ヴィッツの頃からライバルとして一緒に戦い続けている、小野田さんの庭を荒らします(笑)」

 2017年シーズンの最終大会となる第10戦は12月9〜10日、富士スピードウェイで行われる。

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