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同世代ママとして、安室奈美恵さんの引退報道に思うこと

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2017年10月27日 12:03  MAMApicks

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2017年もあとおよそ2ヵ月を残すのみとなったが、賑やかなエンタメ関連のトピックスの中でも、今年一番、いや私にとっては2010年代の中でも最大級のビッグニュースであろう、安室奈美恵さんの引退報道について、発表から1ヵ月あまりを経過した今も、ぼんやりと考えている。


デビューから25年、日本を代表するアーティストの引退宣言は、連日ニュースや情報番組でも持ちきりで、CDショップやダウンロードサイトのチャートには過去にリリースした楽曲が軒並みランクインするなどを賑わいを見せていた。

40歳という節目の年に発表というのももちろん意義があるのだろうが、引退する来年はお子さんが成人、というのがよりインパクトが強く、「もう息子さん、二十歳になるんだ……」と遠い目になってしまった。

安室奈美恵さんの存在を初めて目にしたのは、1993年の冬、『いちご白書』というテレビ朝日系のドラマだった。主人公の友人役でドラマの中では二番手だったけど、可愛い子だなーと思いながら見ていた。

その頃は『Seventeen』『mc Sister』といったティーン誌にちょこちょこ出ていて、本業は歌手なのだということと、私の2歳年上だということを知った。CDを買って聴くほどではなかったけど、彼女がCMに出ているからという理由でマスカット味のガムを買ったり、デオドラント製品を選んだりはしていた。

その後も『ポンキッキーズ』でうさぎの着ぐるみ姿を披露していたり、いつも何となく気になっていた彼女が、95年にソロ名義でデビューしてからの快進撃は誰もが知るとおりだろう。

カラオケに行けば誰かが絶対新曲を歌う、彼女の真似をして眉毛を細くしすぎて生活指導の先生に注意されるなどは序の口で、ファッションやカルチャーのトレンドが気になりだしてから20数年経つけど、たしかにあれは「社会現象」と呼べる規模だった。

今でこそ当たり前のように歌って踊れるミュージシャンがごろごろいるけど、安室奈美恵さんの出現以前はダンサーはあくまでもダンサーで、歌う人の後ろにつく存在だったような気がする。しかも10センチ以上あるヒールを履いて踊る人なんてまずいなかった。

……と、彼女が与えた影響は計り知れないけど、当時はまだカリスマ的な人気というよりは、もっと大衆的でポップな存在だった。電撃結婚発表の直後はクラスメートの男子が「俺の安室奈美恵が!!」と嘆いていたし、アイドルとしての役割も果たしていたように思う。

そこから、小室ファミリーを離れたり、音楽もよりディープな路線にシフトしていったりしながら、10年ほど前から音楽好きの友人の間で「最近の安室ちゃんってすごいカッコいいよね」と話題になりだした。

普段は洋楽ばかりで邦楽はあまり……という男友だちも、「安室ちゃんのCD買おうかな」とボソっと呟いていたし、音楽のランキング番組でも再び頻繁に見かけるようになり、10代の時と変わらずミニスカートで激しく踊って歌う姿を見ては、「……でもお母さんなんだよね」と言うのもお決まりになっていた。

小学校時代の参観日に「〇〇ちゃんのお母さんはマブい」と思っていたのと同じくらい「若くてきれいなお母さん像」という稚拙な考えだけど、自然とそういう発想になってしまう。

より思い入れの深い、同世代のアーティストはほかにもいるのだが、安室奈美恵さんが特別な存在に思えるのは、二十歳で出産し、キャリアのほとんどをママとして過ごしているのにも関わらず、プライベートがまったく透けて見えないことかもしれない。

ブログやSNSをやるわけでもなく、コンサートでもMCをほとんどせずにひたすらにストイックなステージらしいので、熱心なファンでもそこまで素顔は分からないんじゃないかと思う。

芸能活動と子育てを並行するのはハードだったのか、それとも楽しんでやっていたのかもまったく想像がつかないし、引退してしまうのだから、もう知る術もない。


近頃は「人生100年」なんてワードも聞かれるようになって、60歳で退職なんて夢のまた夢、80歳まで仕事しなきゃダメかもねーなんて話もしている中、40歳での引退には衝撃を受けた。

25年間もずっとトップスピードで駆け抜けてきて、その決断を潔いというのか何というのが一番適切なのかも迷うけど、とにかく「カッコいいな」しか言葉が出てこなかった。友人がこのところずっと「『安室ちゃん』さん」と言うのだけど、その呼び方も納得というか、リスペクトの気持ちしか浮かばない。

今回の引退報道でふと思い出したのが、その昔、新聞で見たインタビューだ。
ある日の夕刊の生活面に安室奈美恵さんの写真が載っていたので、何々と読み始めた。髪形がショートヘアになっていたので、恐らく結婚を発表した頃だったと思う。

どういう文脈だったかはもう覚えていないのだが、「高校に進学していたら、経験できたこともあったかもしれないとは思う」みたいなことを話していた。高校に行きたかったと明言していたわけでも、こういう選択をしていたら……みたいなトーンではまったくないのだけれど、すでにトップスターになっていた安室奈美恵さんからこんな言葉が出てくるのが当時の私には新鮮で、「安室ちゃんクラスの人でも普通の女の子の生活を想像する時があるのか」と印象に残った。

それ以降、雑誌のインタビューでも、そういった発言は一切見たことがなくて、私が唯一知っている彼女の等身大の言葉だ。

引退したら一般人として普通の女性になるのか、それさえも想像がつかない。
今まで好きなバンドの活動休止だとか解散だとか、タレントの引退などは数々見てきたけど、その中でも類を見ないことの大きさだ。

人の何倍も濃密な人生を送ってきた同世代のスターに、とにかく「お疲れさまです」と敬服の気持ちを送りながら、彼女が残してきた功績を振り返っている。

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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  • 女版永ちゃんや浜省やヒムロックって感じだな。
    • イイネ!1
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