「自由国民社『現代用語の基礎知識選』2017年ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が11月9日、発表された(大賞発表は12月1日)。
今年の30語は、「新語・流行語」としてピックアップされるには圧倒的に不利な“年始め”に開催されたWBC以外、オリンピックやサッカーW杯のように国際的なスポーツイベントもなく、目立った一発芸やヒット曲も生まれなかったせいか、全体的に「小粒」だと言われている。
あと、これはすでに毎年の恒例となりつつある批判なのかもしれないが、「なんでアレじゃなくてコレなの?」みたいな違和感が払拭できない、選考基準への疑問もさまざまなメディアでささやかれている。そこらへんの「なんでやねん!?」の裏事情を東スポが、なかなか踏み込んだ部分まで言及しているのだけれど、たとえば
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- 今井絵理子参院議員(34)の「一線は越えていない」
- 豊田真由子元衆院議員(43)の「このハゲ———ッ!」
- 森友・加計学園問題の見出し語「モリ・カケ」
- 小池百合子都知事(65)の「排除」
……など政治色の強い、しかもネガティブな意味合いを含むモノは一切ノミネートされていない、と東スポは指摘する。
なんでも、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(77)が昨年から選考委員を降りてしまったため、(選考側が)一気に弱腰になってしまったのが大きな理由……なのだそう。東スポの取材に対し、ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、2017年度のノミネート語の“顔ぶれ”をこう酷評している。
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「忖度」「共謀罪」……と一応政治ワードを拾ってはいても、与党に睨まれるのは嫌だという意識が透けて見える。「このハゲーーッ!」なんかを選ばなかったのも「ハゲは差別用語じゃないのか」と論議を呼び、昨年の「日本死ね」のような炎上騒ぎになるはもうごめん…なのが本音なのでしょう。(ゆえに)「ハンドスピナー」「うんこ漢字ドリル」など“ただの商品名じゃん!”っていうものや、『ユーチューバー』『炎上○○』みたいな今さら感のあるもの、“ただの掛け声じゃん”ってもので穴埋めしているだけで、世相も反映していなければ、毒にも薬にもならないとっ散らかったワードが並んだ印象です。
また、藤井聡太四段の活躍で将棋ブームに沸いた今年は「藤井フィーバー」と、引退した加藤一二三氏の相性「ひふみん」の2語が選出されているが、これに関しても、とある芸能関係者が
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「藤井君は将棋関連以外のイベントへの出席は望み薄なので、主催側は何が何でも(大手芸能プロに所属している)ひふみんを引っ張ってきたいのだろう」
……と、東スポの取材に漏らしている。
たしかに、「大賞語は(対象者が)授賞式に出席可能な言葉で…」といった暗黙の了解や、年々厳しさを増すコンプライアンスの問題……ほか諸々の“縛り”によって、最近の新語・流行語大賞が「堅苦しくてお行儀の良い年末の風物詩」となりつつあるのは一目瞭然である。が、皆さんここ10年くらい(?)、ちょっとコレに頼りすぎ、過大な評価と期待を寄せすぎなんじゃないのか?
このイベントの正式名称を、もう一度吟味し直し、よくよく考えてみてほしい。
「自由国民社『現代用語の基礎知識選』2017年ユーキャン新語・流行語大賞」──すなわち、しょせんは単なる一出版社が年一度、企業アピールのために催すPR事業でしかないのだ。したがって、与党のご機嫌取りをしようが、大賞にはきちんと賞状(のようなもの?)を受賞者に渡せる言葉をチョイスしようが、自由国民社さんの勝手、どういう作為が水面下で働こうが全然かまわないではないか。いつの間にか「今年のトレンドを振り返る重大な役目」を新語・流行語大賞が一身に背負っている意味が、今一つ私にはよくわからない……。