真の頼れる男!2017年・プロ野球『殊勲打』ランキング

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2017年11月18日 12:11  ベースボールキング

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ベースボールキング

日本ハム・レアード(C)KYODO NEWS IMAGES
◆ チームの勝利に結びつく「殊勲打」

 日本シリーズの閉幕から約2週間、すっかりオフモードに入りつつある野球界。各種表彰なども発表され、シーズンを振り返ることも多くなってきた。

 野手の打撃成績というと、やはり「打率」・「本塁打」・「打点」の主要三部門、いわゆる“三冠”を見られることが多い。なかでもチームの得点そのものに結びつく打点が多いと“勝負強い打者”という印象になるが、それが実際にチームの勝利に直結しているかとなれば、一概にそう言い切れないものがある。

 積み上げ系の記録である打点は、チームの勝敗がかかるところで打つだけでなく、大量リード時のダメ押し点や大差で負けていたときの追い上げでも加算される。そのため「打点王=勝負強い」と断言することはできないのだ。

 そこで、“真の勝負強さ”を計るデータとして取り上げたいのが「殊勲打」である。先制、同点、勝ち越し、さらに逆転打となる安打を総称したもので、それらはいずれもチームの勝敗を左右するもの。チームにとって頼れる男がわかる指標である。

 今回は2017年の打撃成績をもとに、今シーズンの殊勲打ランキング上位5人を調べてみた。


◆ 順位争いの直接対決で輝いた殊勲打

 対象としたのはセ・パ両リーグの規定打席到達者。まずは第5位からチェックしていこう。

▼ 第5位(同率) 殊勲打数:26
筒香嘉智(DeNA)
[今季成績] 打率.284(503−143) 本28 点94

浅村栄斗(西武)
[今季成績] 打率.291(574−167) 本19 点99

 第5位には、同数で筒香と浅村がランクイン。筒香は春先に出場したWBCの影響もあり、開幕からしばらくはエンジンがかからなかったが、ロペスと入れ替わるかたちで3番打者に固定されるようになってから先制打が増加。特筆すべきは本塁打で、28本中およそ3割にあたる9本が殊勲打だった。

 一方の浅村は、シーズン開幕と同時に3番打者としてほぼ固定。得点圏打率.293はシーズン打率とさほど変わりはないものの、勝ち越しのかかる場面では打率が.307に上昇。とくに楽天戦に強く、9月14日の試合では前年までの同僚・岸孝之から勝ち越しタイムリーを放ち、シーズン2位通過を目指す楽天に引導を渡した。


▼ 第4位 殊勲打数:27
福留孝介(阪神)
[今季成績] 打率.263(441−116) 本18 点79

 チーム打率.249、本塁打113は巨人と並んでリーグ3位、得点は589でDeNAに次いで3位など、打撃成績ではイマイチだった阪神の中軸を担った福留が4位に。シーズンの打撃成績を見ると、本来の実力からすれば物足りない数字が並ぶなか、得点圏打率はシーズン打率よりも2分以上高い.290。そして殊勲打も多かった。また、本塁打18のうち、約半数を占める8本を重要な局面で打っているのもポイントが高い。


◆ 1位はファンに愛されるあの助っ人

 続いて、トップ3を見ていこう。

▼ 第2位(同率) 殊勲打数:29
ホセ・ロペス(DeNA)
[今季成績] 打率.301(569−171) 本30 点105

柳田悠岐(ソフトバンク)
[今季成績] 打率.310(448−139) 本31 点99

 第2位も同数で2名が並んだ。セ・リーグ打点王のロペスがここでランクイン。日本シリーズでも存在感を示したが、今季は得点圏打率が.322と通常の打率よりも2分以上高く、例年以上に頼りになる存在となった。

 ロペスの特筆すべき点は先制、同点、勝ち越しなどの重要な局面で本塁打が多かったこと。その数はシーズン本塁打30本中、じつに半分以上の16本を数える。本拠地・横浜スタジアムで放つことも多かっただけに、横浜ファンにとっては数字以上に頼りになる存在だったといえるだろう。

 そして、そのロペスと並んだのが柳田。サヨナラ打こそ6月6日の対ヤクルト戦で放った三塁線ボテボテの内野安打1本にとどまったが、試合を決める決勝打点は両リーグトップの20。かつてタイトルだった「最多勝利打点」をも受賞していたことになる。

 そんな勝負強い男だが、ポストシーズンでは1番打者として起用された。特に日本シリーズでは、第3戦目まで連続して先頭打者として塁に出て、先制のホームを踏むという獅子奮迅の活躍を見せたことも記憶に新しい。

▼ 第1位 殊勲打数:30
ブランドン・レアード(日本ハム)
[今季成績] 打率.229(503−115) 本32 点90

 栄えある第1位は、日本ハムのレアードだった。思えば2016年シーズンもサヨナラ本塁打を3本放ち、日本シリーズでもMVPを獲得するなど「ここぞ」の場面には定評があるが、今季はさらにパワーアップした感がある。

 シーズン成績こそ、来日3年目にして打撃三部門の成績はいずれもワーストだったが、決勝打点は自身初の2ケタ超え。そして本塁打の3分の1がチームの勝利に結びつくもので、低迷した日本ハム打線のなかでひとり気を吐いた。

 細かく調べていくと、少し意外な名前も浮上してくる『殊勲打』ランキング。来シーズンはどんな打者がランクインしてくるだろうか。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

このニュースに関するつぶやき

  • 『殊勲打』を打つ人達の前には、必ずチャンスメイクをする打者が居ることを忘れちゃダメですよ。
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