【医師Q＆A】加湿器肺って何？赤ちゃんがいる家庭での注意点

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冬になり朝夕の気温が下がり始めてくるこの季節、部屋で暖房器具を使用すると気になるのが空気の乾燥ですよね。

そんな乾燥対策にと、加湿器や空気清浄機を同時に使うママも多いのでは？　

しかし、赤ちゃんが生まれたばかりの家庭では加湿器などが関連する“呼吸器系や肌のトラブル”を心配する方も。

そこで今日は、渋谷スキンクリニック院長である吉田貴子先生に加湿器・空気清浄機を使う際に気を付けたいことやかかりやすい病気、赤ちゃんがいる家庭での注意点についてお聞きしましたのでご紹介します。

Q1. 加湿器・空気清浄機の使い方で気をつけたいことはありますか？

A.加湿器で繁殖したカビが空気中に散布された場合、呼吸器系のアレルギー症状を引き起こす可能性はありますが、肌そのものには影響することはまずありません。

よく家電量販店などで扱われている代表的な加湿器は、スチーム式・気化式・超音波式・ハイブリッド式の4種類に分けられます。

（1）スチーム（加熱）式…熱で水を温め、蒸気を噴出する方式
（2）気化式…水を含んだフィルターに風を送って気化させ加湿する方式
（3）超音波式…超音波で水を微細化し、それをファンで送る霧吹きのような方式
（4）ハイブリッド式…スチーム式にファン機能、温風気化式などをかけあわせた方式

それぞれにメリットとデメリットがあります。

（1）のスチーム式は加熱するため雑菌が繁殖しにくいですが高温の蒸気でやけどをする場合もあります。（2）の気化式は加熱しないためやけどの心配はありませんが、室温が下がる場合があります。

加熱しない気化タイプのものはカビや雑菌が繁殖しやすいため、こまめなお手入れが必要となります。

Q2.加湿器肺って何？ 加湿器を使っていて注意したい病気は？
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家庭用加湿器の使用増加に伴い、「加湿器肺」の発症が問題となっています。（※1）

加湿器肺は「過敏性肺臓炎」に分類されます。加湿器肺の原因はいくつかの菌やカビの関与が影響しています。

加湿器の加湿方法の中でも雑菌の増殖や飛散に対して特に注意を払わねばならないのは、上記の（3）超音波式と（2）気化式です。

水道水を使用し、水タンクは毎日清掃した上で水を入れ替えるようにすべきところ、水を継ぎ足して使用すると“グラム陰性桿菌”や“カビ”が発生しやすい環境になります。

長引く咳と微熱が主体の症状は、治りにくい風邪と思われがちです。

このような症状があり、加湿器を長く使用していれば、一度“肺のレントゲン”と“採血”で「カビの抗体検査」をしてもよいかもしれませんね。

Q3.赤ちゃんがいる家庭での注意点と風邪の時の正しい使い方は？

赤ちゃんがいる室内では、“室温計と湿度計のふたつ”を準備しましょう。

一般的に湿度は40%から60%の間が適正だと言われています。

適度な室温は冬場だと18〜23度くらいが目安とされていますが、湿度により体感温度が変わるので厳密な室温管理は必要がありません。（※2）

肌着などを利用して適温を探しましょう。

湿度が40%を下回ると「インフルエンザウイルス」が蔓延しやすくなると言われています。（※3）赤ちゃんが風邪を引いてしまった場合、湿度は下げないように注意しましょう。

蒸気が出るタイプの加湿器によっては、近くに置いておくと服が濡れて体が冷えてしまうものもあるため、加湿器の位置には気を配るほうがよいでしょう。

いかがでしたか？

使用する際は、注意点をよく確認し、安全に使用できるように加湿器のフィルターやタンクも清潔にすることを心がけてくださいね。

【参考・画像】
※1 過敏性肺炎の最近の動向 – 日本内科学会雑誌第105巻第6号
※2 保育所における感染症対策ガイドライン　4衛生管理（1）施設内外の衛生管理
※3 「湿度制御における感染管理（P4）」- 日本医療設備協会
※ Yury Stroykin、Elizaveta Galitckaia / Shutterstock

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