ブロックチェーンを活用したデジタル版卒業証書をMITが試験的に導入

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2017年11月20日 22:03  Techable

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米マサチューセッツ工科大学(MIT)は、2017年6月に修士課程を修了したファイナンス専攻の85名およびサイエンス専攻の26名を対象に、従来の紙ベースの卒業証書に加え、ブロックチェーンを活用したデジタル版卒業証書を試験的に発行した。
・ブロックチェーンを活用したデジタル版卒業証書が誕生
このデジタル版卒業証書は、代表的な仮想通貨であるビットコイン(bitcoin)と同様のブロックチェーン技術によって保護され、その正当性を認証されているのが特徴。

暗号化された卒業証書のファイルをMITの教務課からメールで受信し、セキュアなストレージに保存すると、専用スマホアプリ「Blockcerts Wallet」を通じて卒業証書を閲覧したり、進学先や就職先などにこれを共有することが可能だ。

また、MITの認証ポータルでファイルをアップロードするか、リンクを貼り付ければ、卒業証書の正当性を瞬時に確認できる仕組みとなっている。

今回のデジタル版卒業証書の試験的導入は、MITメディアラボと米ソフトウェア開発企業「Learning Machine」との共同研究プロジェクトの一環で実施されたもの。

このプロジェクトは、ブロックチェーンに基づく教育修了証の作成、共有、認証のためのプラットフォームの構築を目指して2016年からすすめられており、これまでの開発成果は「Blockcerts」と呼ばれるオープンソース型ツールキットとして公開されている。

ブロックチェーンをベースとするデジタル版卒業証書は、たとえ卒業大学が廃校になっても公式な記録として永続的に保存できるのみならず、卒業生自身がその記録をセキュアな方法で自律的に扱えるようになるのが利点。

取得した学位や資格をブロックチェーンで一括管理し、キャリアアップなどに効率的に活用できるようになる日も、そう遠くないかもしれない。(文 松岡由希子)

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