■励まそうとすると逆ギレ!
家がリラックスできる場所なのは、夫も妻も同じ。だが、家で愚痴ばかりこぼす夫に辟易としている妻も少なくない。
「よく次から次へと、あれだけ愚痴が出てくるなあと感心するほど(苦笑)。愚痴って建設的じゃないでしょ。私も仕事をしていますから、夫の気持ちは分かるんだけど、それでもじゃあ次はどうしようかと前向きにならないと仕事なんて続けていけない。私がそう言うと『お前とオレとで立場が違う。分かったようなこと言うな』って上から目線になる。だったら、最初から愚痴なんてこぼすなと言ってやりたい」
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憤懣(ふんまん)やるかたないといった様子で、ユウコさん(42歳)は言った。励まそうとする妻の意見が、かえって夫の神経を逆なでしているようだ。
「ただ黙って聞いて、『あなたなら大丈夫よ』と言ってほしいのかもしれません。たまにならそれもできるけど、毎日のように愚痴を聞かされるとこっちだって大変なんだからグダグダ言うなと一喝したくなりますよね」
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中学生と小学生の子を抱えた働く女性には、夫を「よしよし」と労り続けるエネルギーは残っていないのだ。
■浮気疑惑を追及したら「話を聞いてもらっているだけ」
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つい最近、夫が浮気しているのではないかと疑念を抱いたトモコさん(45歳)。夫をしつこく追及したら、会社の同僚女性とときどき2人きりで会っていることは認めた。だが、「話を聞いてもらっているだけ。きみが聞いてくれないから」と言い訳したときには、がっかりしたという。
「夫は私より4歳年下。だからなのか、以前は甘えてばかりいたんですよね。よく、私はあなたのお母さんじゃないから自分で考えて自分で決めなさいと言ってきました。そういう経緯があったので、夫は私に弱みを見せてはいけないと思っていたようです。だからといって、他の女性に話を聞いてもらって慰められたり励まされたりしていたのかと考えると、それも腹立たしいんですけどね」
夫婦は長年一緒にいると、逆にコミュニケーションがとれなくなっていくものなのだろうか。夫の心妻知らず、妻の心夫知らず。お互いにどこか一歩、踏み込めずにいるような印象がある。ときに甘え、ときに頼り、そして一緒に考えていくのが理想だと思うが、それぞれ置かれた状況や思いは日々変わる。人間関係はナマものなのだ。だからこそ、日々、コミュニケーションを深くとっていかなければいけないのだろう。