大気汚染が胎児の健康に悪影響を与える

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2017年12月09日 11:02  妊活・卵活ニュース

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大気汚染と胎児への健康影響
インペリアル・カレッジ・ロンドンとキングス・カレッジ・ロンドンの共同研究チームは、「BMJ」にて、妊娠期の母親が道路交通による大気汚染に晒された場合、胎児の健康に悪影響を与え、低体重児(出生体重2500g未満)になるリスクが高まると発表した。

イギリス首都のロンドンでは、自動車の排気ガス、煤煙、粉じんなどの微粒子状物質による大気汚染が問題視されている。

微粒子状物質による大気汚染
研究チームは、ロンドンにて2006年から2010年に掛けて誕生した子供540365人を対象に、イギリス政府公開の大気汚染データに基づき、道路交通による大気汚染・騒音と胎児への健康影響について分析した。

政府公開データでは、日中、夜間帯にて、二酸化窒素(NO2)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質PM2.5やPM10を含む大気汚染物質の濃度、交通騒音が測定されている。

分析結果より、妊娠期の母親がPM2.5など微粒子状物質による大気汚染に晒された場合、低体重出生児が2%から6%増、胎児発育不全は1%から3%増になった。

大気汚染の危険性
同大学のミレイユ・トレダノ(Mireille Toledano)氏は、微粒子状物質による大気汚染が胎児へ与える健康影響は大きいと述べる。また、低体重や発育不全にて生まれた子供は新生児死亡に至りやすく、循環器疾患の発症リスクが高まると懸念する。

なお、妊娠期における交通騒音と胎児への健康影響にて関連性は認められなかったが、レイチェル・スミス(Rachel Smith)氏は低体重児や胎児発育不全の要因に成り得ると考える。

研究チームは、自動車から排出される微粒子状物質の平均濃度を10%削減することにより、低体重児の年間出生数が約3%減になると述べている。

(画像はプレスリリースより)

Imperial College London

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