JASRAC「来年から使用料徴収する」→音楽教室「まだ白黒ついていないのに…」

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2017年12月15日 17:02  弁護士ドットコム

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音楽教室から著作権使用料を徴収する方針を表明しているJASRAC(日本音楽著作権協会)が、全国約1000の事業者に対して、「来年1月1日から使用料を徴収する」と、文書で通知していたことがわかった。共同通信が12月14日報じて、話題になっている。弁護士ドットコムニュースの取材に対して、音楽教室側は「まだ、司法の判断を仰いでいるところで、しかも管理事業法上の協議もしているのに・・・」と困惑している。


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●JASRACから3通の文書

ことの発端は、JASRACが今年2月、音楽教室から著作権料を徴収する方針を表明したことだ。この方針に反発したヤマハ音楽振興会など、一部の音楽教室は「音楽教育を守る会」(会員数=363)を設立。さらに今年6月、JASRACに徴収権限がないことの確認を求めて東京地裁に提訴した。JASRACは全面的に争う姿勢を示している。


音楽教育を守る会によると、これまでJASRACから計3通の文書が送られている。1通目は10月17日付で、JASRACの管理楽曲を使用する講座の受講料収入のうち「2.5%」を使用料として徴収するという内容だった。文化庁が「司法・行政手続きの最中であり、誤解を招く」という懸念を示したため、10月24日付でその旨を付け加えた2通目の文書が送られてきたという。


音楽教育を守る会事務局の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して「司法の判断を仰いでおり、また管理事業法上の協議もおこなっている段階だった。1月1日からの徴収の有効性がはっきりしていないのに、契約を迫るような文書を送られてきて、率直に言って驚いた」と述べた。


また、文化庁の対応について、同担当者は「(文化庁が)懸念を示されたことは当然のことだと思う。(訴訟や協議など)重要な情報がまったく記載されていなかった。まるで1月1日からの徴収が既成事実のように書かれていた」と話した。会員から問い合わせが多数あったため、「保留するように」と案内したという。


2通目も「過去の判例から演奏権が及ぶことは明らかとして、契約を迫る内容だった」(同担当者)という。その後、11月29日付の3通目も届いた。JASRAC広報は「予定通り来年1月から徴収をはじめるには、10月ごろからお伝えする必要があった」と話している。


JASRACと音楽教室との訴訟は9月に第1回弁論が開かれたあと、弁論準備手続きがおこなわれている。


(弁護士ドットコムニュース)


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  • 係争中を理由に断るだけで良いかと。払ってしまったら例えその後裁判に勝っても返してくれない団体だよ。
    • イイネ!90
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