野菜を摂れば健康になれる! 350g食べなきゃダメ? 「野菜神話」にまつわる素朴な疑問

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2017年12月20日 22:00  citrus

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「野菜を1日350グラム食べなさい、というけれど、そんなに食べられないし……」「そもそも野菜350gって根拠ないでしょ?」いえいえ、そんなことはありません。根拠はちゃんとありますし、野菜を350g食べることは、そこまで夢のような話ではありませんよ。

 

■1日350gの野菜摂取量に根拠はある!

 

厚生労働省、農林水産省では「野菜を1日350グラム以上食べましょう」と推奨しています。この350gは、「日本人の食事摂取基準」と呼ばれる、日本人に必要な栄養素量をまとめた指針から逆算して求めた数字です。確かに、この根拠も最新である2015年版を元に逆算したものではありませんが、以前は300gでしたから、アップデートは適宜行われていると考えてよいと思います。

 

一方で摂取量は、日本人の平均摂取量は2017年12月20日現在の最新版である「平成28年 国民健康・栄養調査報告」で、平均276.5gです。

 

目標である350gには届いていません。しかも、これだけ「野菜を食べよう」と啓もうしているにも関わらず、「この10年間で有意に減少している」というコメント付き。これもまた残念な話。日本人はもう少し野菜を食べたほうがよさそうです。

 

 

■350gは夢みたいにほど遠い話じゃない?

 

ではどのくらい不足しているかというと、目標量と摂取量の差は75g弱。これは「野菜の小鉢1杯分」くらいの量です。野菜を1日1品追加すれば達成できる目標です。これくらいなら意識すればできそうに思いませんか?

 

ここで、野菜を追加するにあたって、野菜についてよく質問される内容についてお答えします。野菜を食べることで得たい栄養素は「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」です。これを頭に入れて質問と回答を読んでください。

 

 

Q1. 野菜ジュースは野菜の代わりになりますよね?

 

欲しい栄養素が「ビタミン」「ミネラル」だけであれば、ギリギリセーフといいたいところですが、野菜ジュースは100%ジュースでも味を整えるために砂糖類を添加しているものも散見されます。「食物繊維」は搾り取って捨てられたカスのほうへ行ってしまっていますので、完全な意味での「野菜の代用」とは言えません。野菜ジュースは野菜ではなくジュースと心得てください。

 

 

Q2. コンビニ、スーパー等で見かけるカット済み野菜は栄養価を維持していますか?

 

「ビタミン」は維持していません。「ビタミン」は野菜をカットした段階から分解しはじめます。衛生管理のためにかなり念入りに洗浄されているはずですし、流通経路に乗って消費者である我々の手元に届くまでにけっこうな量のビタミンが分解しているはずです。それでもゼロにはなっていません。もちろん、ミネラルや食物繊維はカットしても分解しません。

 

コンビニやスーパーのカット野菜も野菜は野菜ですので、必要に応じて利用するとよいと思います。こんな風に書くと、日本人特有の「完璧主義」が頭をもたげ「ビタミンが減っているのでは意味がない!」と憤る人もいるのでしょうが、この忙しい現代、加工食品をまったく利用しないで生きていくことは難しいと思います。甘やかしても大丈夫な部分は、ご自分を甘やかすことも覚えないと、生きるのが苦しくなってしまいます。ご自分を甘やかしてはいけない部分で甘やかしてしまってもいけません。そう考えると「カット野菜は自分を甘やかしたいときに使う」と考えるのが正解かもしれないですね。

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