エピジェネティックスにより卵母細胞の質が保たれる

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2018年01月05日 16:02  妊活・卵活ニュース

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エピジェネティックスと卵母細胞
バブラハム研究所は、「Nature Structural and Molecular Biology」にて、混合血統白血病タンパク質2(MLL2)がエピジェネティックマーク(遺伝子の活性・静止状態を示すDNA機能)の特徴的パターンをもつと発表した。

今回の研究結果より、MLL2タンパク質が卵母細胞の休眠状態に影響を与えることが判明した。

エピジェネティックマークを特定する新たな高感度技術
卵母細胞は出生前に形成され、未熟な細胞の状態にて発育が休止する。月経・排卵は始まり、卵母細胞の発育が再開するまで休眠状態になる。月経・排卵が始まり、卵母細胞が成熟する時期を迎えたのにも関わらず、出生時の未熟なまま休眠状態である場合、生殖能力はなく、女性不妊が生じる。

研究チームは、卵母細胞におけるエピジェネティックマークの発現要因、エピジェネティックマークの異常と疾患の関係性より、少数の細胞からエピジェネティックマークを特定する新たな高感度技術を確立した。

卵母細胞の発育メカニズムを解明する手掛かりに
新たな高感度技術を用いて、卵子の発育に伴い、ヒストン修飾H3K4me3が遺伝子に拡散することが判明した。ヒストン修飾H3K4me3は遺伝子が活性化する直前に拡散するが、卵母細胞では異なる。

また、MLL2タンパク質は、卵母細胞におけるヒストン修飾H3K4me3の拡散を不規則にする。しかしながら、MLL2タンパク質が存在しない場合、卵母細胞におけるヒストン修飾は生じず、細胞が死滅する。

なお、ヒストンは塩基性タンパク質であり、DNAを構成し、遺伝子を制御する働きをもつ。あらゆる動物は、生殖細胞系列に固有するヒストンを有する。

ギャビン・ケルシー(Gavin Kelsey)氏は、エピジェネティックスと卵子の発育における関連性、母親と子供の細胞間における遺伝情報の伝達メカニズムが解明すると考える。

(画像はプレスリリースより)

Babraham Institute

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