年末に発売された週刊新潮に、
「広瀬すず・竹内涼真がひっぱり凧の陰に芸能界“重大”問題」
というタイトルの、ちょっと興味深い記事が掲載されていた。どういうことなのかと言えば、
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現在、芸能界では、10代の俳優不足という“重大”問題が起こっている(※ゴメス註:「重大」に、あえて「“”」を付けているってことは、まさか「10代(じゅうだい)」と駄洒落風にかけているのか!?)。映画やドラマなどで高校生役をこなしているのは、どこかで観たような顔ぶればかり。女優では広瀬すず(19)に仕事のオファーが一極集中している。
……てなことであるらしい。一人勝ちとはいえ、広瀬すずがいる女優界はまだマシで、
一方、男優(※ゴメス註:「男優」とくれば、つい「AV男優」と解釈してしまいがちなのは、私だけなのか!?)では、20代半ばの菅田将暉や竹内涼真が、学ラン姿で演じるほかない有り様。
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……と、男優界はもっと深刻な状態なのだそう。ちなみに、週刊新潮が誌面上で作成していた「なんちゃって(中)高校生男優・一覧表」をざっと眺めてみれば、
小栗旬 『信長協奏曲』(2014年/フジテレビ系):(当時)31歳で高校1年生役
古川雄輝 『べっぴんさん』(2016年/NHK):(当時)29歳で中学3年生役
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窪田正孝 『僕たちがやりました』(2017年/フジテレビ系):(当時)28歳で高校2年生役
岡田将生 『オー!ファーザー』(2014年/映画):(当時)24歳で高校2年生役
菅田将暉 『暗殺教室〜卒業編〜』(2016年/映画):(当時)23歳で中学3年生役
竹内涼真 『帝一の國』(2017年/映画):(当時)24歳で高校1年生役
……ほか諸々、数字で表されると、たしかに「痛々しい」という言葉すら頭に浮かんでしまうほどの年齢詐称っぷりである。同記事内で、上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は、この現象に関して以下のような分析をしている。
広瀬(すず)さんより下の世代の女優が育ってきていないという印象を受ける。テレビや映画の製作者側はキャスティングで冒険しようとせず、いわば安易に広瀬さんを選び、一極集中が進むことになった。
(男優にいたっては)製作者側が大コケしないようにと、知名度のある男優を選ぶようになっています。その結果、どの作品も同じような人が出ているということになって、新しい人にはスポットライトが当たるチャンスが巡ってこない。すでに売れた役者ばかりに頼り切っていては、自分で自分の首を絞めることになるのに、製作者側がそれに気づいていないのです。
なかなかに耳の痛い言ではないか(私の耳は全然痛くないのだがw)。ただ、一昔前は、映画『バトルロワイヤル』で、当時18歳で中学3年生役を演じていた童顔の代表格・藤原竜也なんかが、ここらへんの役どころを一手に担っていた感があるのだけれど、昨今の若手男優サンは「つるんとした美肌系で厳(いか)つさに欠けた爽やか系」が主流ゆえ、まあ三十路あたりでも「高校生(あるいは中学生)に見えなくもない」のが、逆にアダとなっているのかもしれない。
碓井教授がご指摘するとおり、「新しいピチピチの若手男優を冒険的なキャスティングで育てること」は間違いなく必須だと私も思う。しかし、それよりも“塩顔ブーム”だかなんだか知らないが、スッキリ系の「高校生(あるいは中学生)役でも演じられなくはない若手男優」ばっか育ててないで、たとえば「石原軍団だったらドラ1」クラスの男臭〜い若手にも製作者サイドは今一度、目を向けて直してみてはいかがだろう?