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三井物産の凋落、社内で「役員総退陣論」高まる 伊藤忠、「ポスト岡藤社長」は岡藤

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2018年01月14日 00:22  Business Journal

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写真三井物産が本社機能を置く日本生命丸の内ガーデンタワー(「Wikipedia」より)
三井物産が本社機能を置く日本生命丸の内ガーデンタワー(「Wikipedia」より)

 総合商社の首脳人事が早くも動き出した。


 住友商事は兵頭誠之専務執行役員が4月1日付で社長に昇格する。中村邦晴社長は代表権のある会長に就任し、大森一夫会長は相談役になる。兵頭氏は取締役ではないので、6月の株主総会で取締役に選任後、代表権を持つ。中村氏は総会後に代表権のない会長になる。


 住商には「社長執行役員の在任期間は原則6年を超えない」という内規がある。そのため、今年6月で就任から6年を迎える中村社長が株主総会後に交代するのは既定の路線だった。


 住商では昔から、金属部門(鉄鋼・鋼管)の出身で、米州トップか経営企画室を経験することが社長へのパスポートといわれてきた。中村社長は自動車部門出身という傍流で、しかも前社長の体調不良によって緊急登板した経緯がある。社内基盤は弱く、金属部門の幹部は中村社長の頭越しに実力者の岡素之相談役を訪ね根回しをしていた。


“ポスト中村”の本命は、住商本流の金属部門出身の南部智一専務執行役員(82年入社、メディア・生活関連部長)で、対抗が中村社長と同じ自動車部門出身の田渕正朗専務執行役員(80年入社、コーポレート部門、企画担当役員)。ダークホースが、電力畑の兵頭専務(84年入社、環境・インフラ事業部門長)とみられていた。


 南部専務は2017年の役員人事で米州トップから現職に転じた。田渕専務は企画担当役員として3年目を迎える。兵頭専務は17年の役員人事で経営企画部長から現職を任された。


 田渕専務を社長に昇格させた場合、「同じ自動車部門の側近を社長に据えた」との“院政批判”が起きるのは必至。南部氏を社長にすれば「金属部門への大政奉還」となるため、中村社長は避けたかったようだ。


 そこで中村社長が選択したのは第三の道。本命、対抗を外して、ダークホースの兵頭氏を社長に抜擢したのだ。兵頭氏は京都大学大学院工学研究科卒。電力分野の経験が長く、インドネシアで大型の石炭火力発電所を手がけた。執行役員就任後は、社長への登竜門である経営企画部長として業績の立て直しに奔走した。


 住商の社長としては初めての理系出身者である。「あらゆるモノがインターネットでつながるIOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)技術を取り込み成長につなげる」と意気込みを語っている。


●伊藤忠商事の岡藤社長は続投か交代か


 4月で在任8年となる伊藤忠商事の岡藤正広社長の去就が、総合商社首脳人事の最大の関心事だ。「ポスト岡藤のトップを走っているのは岡藤さん」(伊藤忠の若手幹部)。任期6年を迎えた16年1月12日には「続投」のメッセージを社員に伝え、各紙がそろって「続投宣言」と報じた。今回についても、「2020年まで10年社長を続ける」という見方が浮上している。


 問題はCITIC(中国中信)だ。タイの財閥、チャロン・ポカパン(CP)グループと組んで、中国の国有コングロマリットのCITICの香港に上場している事業子会社、CITICリミテッドに1兆2000億円を折半投資。とはいえ、伊藤忠は6000億円を投下しただけの果実を得ていない。CITICの見通しが立つまでとなると「20年でも時間切れ」(前出の若手役員)だが、岡藤社長の性格からして、ここで中途半端にはできないだろうとの見方が強い。元役員のひとりは、「岡藤さんが会長兼CEO(最高経営責任者)になってCITICとCPの専任担当になればいい」と提言する。


 20年まで岡藤社長体制なら、現在の“社長候補”は米倉英一専務執行役員(81年入社、金属カンパニープレジデント)を除いてすべて消え、代わって久保洋三常務執行役員(81年入社、食料カンパニープレジデント)が浮上してくる。岡藤社長と同じ繊維出身だ。


 81年入社以降でカンパニーのプレジデントなのは、吉田多孝常務執行役員(81年入社、機械カンパニープレジデント)、原田恭行常務執行役員(82年入社、住生活カンパニープレジデント)となる。


 誰の目にも米倉氏が一歩抜け出していると映るだろう。同氏は、4代目社長の米倉功氏が父親というサラブレッドだ。


 仮に今春、岡藤社長が会長兼CEOになるとすれば、岡本均代表取締役専務執行役員(80年入社、CSO=最高戦略責任者、CIO=最高情報責任者兼CP・CITIC戦略室長)が最有力。岡藤社長と同じ繊維出身だ。対抗には吉田朋史専務執行役員(79年入社、伊藤忠インターナショナル会社社長兼CEO、紙パルプ出身)が挙げられる。17年11月中旬に、岡藤社長は1泊3日の強行軍でニューヨークに出張。吉田氏と“最終面接”をしたが、「岡藤さんが候補を絞り込んだ気配はない」(別の元役員)という。


 アジア・大洋州総支配人の福田祐士専務執行役員(79年入社、化学品出身)は岡藤氏に近いが、「部下に厳しい」(別の役員OB)との評価がある。とはいっても、「岡藤さんがコイツだと決めれば、その人が社長になる」(岡藤氏に近い若手幹部)。それだけ岡藤社長の権威は絶大ということだ。1月中には結論を出すことになるとみられている。


●丸紅はどうなる


 丸紅は朝田照男会長と國分文也社長の間に意思疎通がないとされている。「朝田会長が自ら退けば國分氏は留任。会長が辞めないとなると、國分氏が朝田氏を道連れに辞めることもあり得る」(丸紅の元幹部)との観測がある。社内の雰囲気は「國分さんの続投。交代の匂いがまったくしない」(同社幹部)との見方が大勢だ。だが、幹部の間でも、立場によって捉え方はいろいろある。


 丸紅の社長の指定席は紙パルプ部門。財務出身の朝田氏が就くまで、同部門が20年間社長の座を独占してきた。一方、國分社長は石油・エネルギー部門出身だ。


 國分社長の続投となると、秋吉満副社長(78年入社、生活産業グループCEO)の目はなくなり、18年の人事で専務執行役員に昇格する寺川彰常務執行役員(81年入社、素材グループCEO、化学品出身)が浮上してくる。対抗は柿木真澄専務執行役員 (80年入社、電力・プラントグループCEO、機械出身)、大穴は小林武雄常務執行役員(81年入社、紙パルプ本部長、機械出身)となる。


●三井物産は安永社長が人事権を握るか


 三井物産は安永竜夫社長と飯島彰己会長の“二頭政治”から安永社長がやっと人事権を奪取したとの情報がある。安永社長色が前面に出た人事になるかどうかが焦点だ。


 安永氏は15年4月、32人抜きにより同社史上最年少の54歳で社長に就任した。同氏は83年の入社。加藤広之副社長(79年入社)、本坊吉博副社長(79年入社)、鈴木愼副社長(81年入社)、田中聡副社長(81年入社)や専務などは全員、先輩にあたる。社内取締役9人のなかで、60年生まれの安永氏は依然、最年少だ。


 飯島会長をはじめ古参役員が退陣して、84年以降に入社した幹部を何人抜擢できるか、安永氏の役員人事での腕の見せどころである。


 伊藤忠に比べて三井は元気がない。18年3月期の最終利益を伊藤忠並みの4000億円に引き上げたが、株価の上昇テンポは鈍い。すでに伊藤忠に株価で逆転を許し、17年11月にはとうとう住商にも抜かれ、業界4位となった。


「これではいけない」(若手幹部)という危機感が出てきた。「飯島会長が代表権を手放し、安永社長に全権を委譲しない限りダメ。安永さんより年長の役員には総退陣していただかないといけない」(同)ことになる。交代が決まった日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征会長の言うことを聞いた数少ない経団連副会長だった飯島氏は岐路に立たされている。


 株式時価総額は、三菱商事が4兆9499億円、伊藤忠が3兆4970億円、三井が3兆2912億円、住商が2兆3949億円、丸紅が1兆4183億円(17年12月29日終値時点)。三井は時価総額でも伊藤忠に後れをとっている。


 名門、三井の復活は、安永社長が“自前”の役員人事を実行できるかどうかにかかっている。


 なお、三菱は垣内威彦社長の続投が決まっている。
(文=編集部)


このニュースに関するつぶやき

  • 住商の田淵なら、北野高〜京大時代によく弟を訪ねて遊びに来ていたなあ。社長を争う迄になっていたのか!
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