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リバース アート:偶然が生む抽象画 透明板の裏に絵の具

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2018年01月14日 11:03  毎日新聞

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毎日新聞

写真「リバース アート」の画法で描いた作品「光年」(左)などを説明する岩船健三郎さん。「可能性が無限に広がる」と話す=岩手県宮古市茂市のギャラリー「ヒロ」で2018年1月11日、鬼山親芳撮影
「リバース アート」の画法で描いた作品「光年」(左)などを説明する岩船健三郎さん。「可能性が無限に広がる」と話す=岩手県宮古市茂市のギャラリー「ヒロ」で2018年1月11日、鬼山親芳撮影

 岩手県宮古市磯鶏の宮古美術協会会員、岩船健三郎さん(77)が透明のアクリル板の裏面に、油絵用の絵の具を指でこすりつけるように混ぜて描く画法を見つけた。表から見ると、偶然が生み出す幻想的な雰囲気の抽象画が広がり、その底深さに衝撃と感動さえ覚えたという。「裏」という意味の「リバース アート」と岩船さんは名付けた。この画法で仕上げた初の個展を、同市茂市のギャラリー「ヒロ」で開いている。【鬼山親芳】


 昨年9月のある日、絵を描いている自宅で、パレット代わりにしているアクリル板を眺めたところ、絵の具の反対の面に、夜空に輝く星雲のような模様があるのに気づいた。「あれ、これは絵でないか」。絵の具をチューブからしぼり出したその反対側に、偶然にもある種の作品性を見つけた。


 アクリル板には最初から表、裏はない。片面が表、反対の面を裏に見立て、裏面に生の絵の具をしぼり、指でこすって混ぜていく。こすっては表をのぞいて出来を確かめる。絵の具が乾かないうちが勝負なので、「相当体力が必要。一発勝負の格闘技です」と岩船さんは苦笑する。


 ペンキアートの第一人者でギャラリー「ヒロ」を主宰する安部博さんに見てもらったところ、その画法に注目し、「銀河を描いてみたら」と助言を得た。大きめのアクリル板に同様の画法で繰り返すと、壮大な星雲のうずが広がった。裏面からだけでなく、表からも絵の具を施す「サンドイッチ画法」も見いだした。


 アクリル板は畳1枚の大きさのものが7000円ほどで市販されているという。


 岩船さんは30歳で建設資材会社を起こし、2008年まで経営。しばらく絵の世界から離れていたが、「リバース アート」の可能性に今は夢中だ。「偶然が生み出す幻想とでもいいましょうか。筆では出せない抽象の世界です」


 個展では出品40点中13点が「リバース アート」。入場無料。水曜、木曜日休館。28日まで。


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