聖地巡礼!『美少女戦士セーラームーン』を求めて麻布十番でちょっぴりセレブな散歩【ちゃんみお道中膝栗毛〜第4歩】

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2018年01月20日 18:02  おたぽる

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おたぽる

きみちゃん人形と華山みお

 あけましておめでとうございます。昨年中より始まった当コラム。本年も色んな所をお散歩したり、寄り道したりして進めていきたいと思います。よろしくお願い致します。



 私は幼いころから、大切なことは漫画から教わりました。友情・努力・勝利・そして恋愛。主人公と一緒に笑って泣いて悩んで喜んで、日常生活でも真似っこしたりしていました。影響を受けて、いまの私になるきっかけを与えてくれた漫画があります。それは『美少女戦士セーラームーン』。



 ということで、今日は『美少女戦士セーラームーン』の聖地、麻布十番周辺を巡ります。ふと思ったのですが、『美少女戦士セーラームーン』を知らない人っているのでしょうか……? 変身して悪と戦う。前世からの運命の恋人、かわいい変身アイテム、魅力的な仲間、相棒の猫、コスチューム、月、星、宝石……女の子の好きなものがこれでもかと詰め込まれているこの作品。連載25周年経ったいまでも新しいファンを生み続ける、言わずと知れた名作です。



「私、月野うさぎ! 14歳、ちゅ〜に!(中二) 性格は人よりちょっとおっちょこちょいで、泣き虫、かな? あるとき、ヘンテコな黒猫ルナから不思議なブローチをもらって、セーラー戦士になれって言われたんだけど、悪い奴らと戦えー、なんて言われちゃって、不安タラッタラ〜って感じ。でもま、なんとかなるか! えへへっ」



 っていうアニメの冒頭のセリフがそらで出てくるくらいには皆アニメ見ていましたよね。



 そう! 平凡な女子中学生がある日突然マスコットキャラにより正義の戦士として戦うことを任命される、いまとなっては王道・定番の設定です。セーラームーンがその元祖! この作品があったからこそ、戦うヒロインがその後も生まれていったのです!



 私はセーラームーンがなかったら、月や星に興味を持つことも、宝石の種類とか水晶との名称、そして仲間がいることの素晴らしさとかも知ることなく、戦う女の子に憧れることもなかったと思います。私の基礎はセーラームーンで出来ていると言っても過言ではありません。人生の教科書だったのです。おしゃれで強くて、かわいくてかっこいい。最高じゃないですか。



 小学生のころは、セーラー戦士になりたい、どうやったらなれるんだろうって、本気で考えていました。突然猫が話しかけてくるかもしれないと野良猫を見るたびにソワソワしたり、中学生になったらうさぎちゃんたちみたいにスタイルが良くなると思っていたし、ピアスをあけるのが常識なのだとも思っていました。でも、私が通う予定だった中学校がセーラー服じゃないと知ったとき、私はセーラー戦士になる資格がないんだと思って、かなりショックを受けたものです。(そして中学生の時にピアスをあけるなんて絶対にダメ! と怒られ、高校生になってからやっとあけました)



 ……ああ、思い出と愛を語っていたらお散歩に行けないので先に進みます。



 麻布十番と書きましたが、最初に到着したのは乃木坂駅出てすぐにある『桂由美子ブライダルショップ』。ここは原作の木野まことちゃん(※セーラージュピター。以下、まこちゃん)登場回で出てきたブライダルショップのモデルになった場所なのです。



 その昔、お仕事に向かう際にこの道を通ったときに、「ここ、セーラームーンに出てきた所だ!!!」とすごく驚いたものです。原作と、初期の無印(※TVアニメ『美少女戦士セーラームーン』のこと)は繰り返し何度も何度も見て育っているし、特にそれぞれの初登場回は思い入れが強いのです。偶然通りかかった場所がまさかの聖地。それからここを通るのが楽しみになりました。今日は久々に来たのですが、写真を撮るのは初めてです。この塔の一番上から花嫁さんのマネキンがふわっと降りてくるんですよ〜。



 まこちゃんは、ボーイッシュだけど中身がとっても乙女な、ギャップがかわいい女の子。バラのピアスと、編み上げのショートブーツ、他のみんなとはちょっと形の違うセーラー服。ファッションがすごくツボだったキャラクターです。セーラージュピターに変身したときの胸のリボンの「緑×ピンク」の組み合わせが大好きで、いまでもその組み合わせを真似したりするんですよ。



 お次は、アニメ版の火野レイちゃん(※セーラーマーズ。以下、レイちゃん)の経営する神社『火川神社』のモデルになっている『赤坂氷川神社』へ。乃木坂駅から徒歩10分くらいで到着です。アニメだと、階段を上った所に境内があるのですよね。



 レイちゃんはアニメと原作で性格が全然違うので、アニメから原作を読んだ人も、原作からアニメを見た人も、どっちもちょっとビックリしますよね。ちなみに私はどっちも好き。昔は原作のクールビューティーなレイちゃんに憧れていたけど、レイちゃんよりお姉さんになってからアニメ版のレイちゃんを見ると、あのツンデレ具合というか、ちょっとポンコツなレイちゃんもかわいいです。



 特に無印45話の『セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦』のレイちゃんがすてき! いままでうさぎちゃんを叱っていたのに、最後の最後で軽口叩いておどけて笑顔でうさぎちゃんの背を押して、ひとりで敵に向かっていくところがもう……かっこよすぎて涙を流しながら何度も見返しちゃいます。いまも昔も一番好きなレイちゃんはあのシーンです。そして実写版のレイちゃん(北川景子さん)の美しさよ……。
 
 その後、電車に乗って麻布十番駅へ。私は時間短縮のために電車を使いましたが、赤坂からだと、六本木駅方面に歩いて行けば麻布十番駅にも徒歩30分くらいで到着できます。



 麻布十番駅に到着したら、そこはもううさぎちゃんたちの日常の世界。どこから行こうかな〜と思って、最初に向かったのが、「一の橋公園」。 



 こちらは“タキシード仮面”様こと地場衛と、うさぎちゃんが懐中時計とハンカチを交換したり、ちびうさが空から降ってきたりするシーンなど、作中で何度も使用されている重要な場所です。絶対いかなくちゃ〜とウキウキして向かったら……なんと……工事中―!! えー!?



 しっかり閉鎖されていて力が抜けちゃいました。これ、工事終わったら全然面影が無くなるパターンかもしれない……。悲しい。ここで撮影するためにまもちゃん(※地場衛)の懐中時計(型のタブレットケース)持ってきたのにー!



 気を取り直してお次はうさぎちゃんの大親友・大坂なるちゃんの実家、ジュエリーショップ「ジュエル・OSA・P」のモデルとなった建物「ジュールA」へ。なるちゃんの実家であるこちらのエピソードは『セーラームーン』第1話の超重要な場所ですからね。外せません。



 とにかくいま読んでも衝撃的なのが中学2年生のキャラクターの皆さまが「テストの点数が良かったら宝石をパパにおねだりしちゃおう」って言っていたこと……。



 ねえねえ……。私中学生のとき欲しかったものって確かアニメのグッズとかだよ。宝石?何それ美味しいの? ってレベルだったし、パパにおねだりなんかしようものなら鼻で笑われるし、そんな発想は全くなかったですよ。これが麻布十番のレベルなのか……。大人になったいまだって宝石なんて縁がないよ〜。



 お次は麻布十番商店街に向かいます。



 そして、商店街入ってすぐのところには、作中でも何度もうさぎちゃんたちが通い、セーラー戦士の基地が近にあったゲームセンター「クラウン」があるのですが、現在はマクドナルドさんになっております。以前は同じ名前のパチンコ屋があったそうです。



 中学生になったらゲーセンでゲームをするんだと思っていたけど、毎月のおこづかいじゃアーケードゲームはなかなか手が出なかったなぁ。あとやっぱり雰囲気とか怖かったかも。だからそれもあって都会の中学生のうさぎちゃんたちに、さらに憧れが募るのですよね。ゲームクリアしたらあんなかわいい景品が出てくるんだ! とも思っていました。



 実を言うと、最初は私、うさぎちゃんがちょっと苦手でした。泣いてばかり、文句言ってばっかり。ちゃんとルナの言うことやみんなの言うことを聞けばこんな窮地に陥ることなかったんじゃないかな、この状況自分のせいじゃないかな、と思っていました。まぁ、主人公だから話の展開的にドタバタを巻き起こすとか、いまなら分かる部分もあるんですけど。



 小さなころ(いまもだけど)、私はとっても泣き虫で、その泣き虫なのがとてもコンプレックスでした。泣いてばかりのうさぎちゃんなのに、ルナが来てくれてセーラー戦士になれて、ずるい! っていう気持ちがあったのかもしれません。でもアニメや漫画の中のうさぎちゃんがひとつひとつ困難を乗り越えて行くところ、泣いてばかりでは解決しないってちゃんと前に進んでいくところ、愛情深いところ、プリンセスらしく最後は誰よりも頼りになるところを見て、どんどんイメージが変わっていきました。



 表情がくるくると変わって、自分の気持ちに正直でいられるって、実はすごいことなんですよね。そう思ってからうさぎちゃんが大好きになりました。それどころかうさぎちゃみたいになりたいって最後は思っていました。いまも同じ気持ちです。理想の女性のひとりなんですよね。



 テクテク進んで、商店街の真ん中あたりにある、きみちゃん人形の元へ。



 きみちゃん人形は亜美ちゃん(※水野亜美)のエピソードに出てきましたね。あんまりきみちゃん人形に思い入れはないのですが、亜美ちゃんへの思い入れはすごくあるんです。すごく。



 小さなころ、ごっこ遊びしましたよね。私も姉やお友達とやりました。セーラームーンごっこももちろんします。どのキャラクターをやるかとなったとき、私はいつも亜美ちゃんをやっていました。チームのブレーンです。ついつい騒いじゃう回りのメンバーをびしっとたしなめ、鋭い頭脳で作戦を立てて仲間を勝利に導く亜美ちゃん。かわいくって頭も良くて、性格も良い亜美ちゃん。亜美ちゃんになりたかったのです。亜美ちゃんだけ変身後にゴーグルみたいなのしていて、いまでいうタブレットみたいなのを持っていたのも印象的でした。原作の担当編集のおさBさんも亜美ちゃん派だと原作にちょこちょこ書いてあって、当時は勝手にうれしく思っていました。いまもツイッターのアイコンが亜美ちゃん(※https://twitter.com/osabu8)。一途ですてき。



 さてここで、とても思い入れがあるアニメのエピソードをひとつ。



 無印24話で、敵であるクインベリル率いる四天王のひとり、ネフライトがセーラームーンから幻の銀水晶を奪うために、親友のなるちゃんに「三条院正人」という名前で近づくのですが、なるちゃんの純粋な恋心に打たれ想いが通じ合うも束の間、妖魔の攻撃からなるちゃんを庇い、命を落としてしまいます。私はこのなるちゃんとのエピソードが好きすぎてネフライト派です。セーラー戦士ではない普通の女の子、なるちゃんというキャラクターにスポットが当たり、平凡な少女が、一生懸命恋をして、悩んで苦しんで、少しだけ進展して、うれしくってたまらない! というところで目の前で打ち砕かれていくこの流れ……この取材に来る際にも改めてこのエピソードを見返していたんですけど、電車の中で号泣。この話を見るたびに号泣してしまう。未見の方はぜひ!!!



 その彼の最後の場所であるとされる網代公園。作中ほど芝生が生い茂っていたり、木がたくさん生えていたりはしません。でもネフライト様は木にもたれて息絶えたので、公園内で一番大きな木の所へ。ああ、ネフライト様……。なるちゃんの影響で彼だけは様付けで呼んでしまう。あ、タキシード仮面様もだ。



 その後やってきたのは、原作版の火川神社のモデルになりました、麻布氷川神社。とっても高級住宅地の中にある神社でした。アルゼンチン大使館のすぐ目の前。ここにもフォボスとディモスはいませんでした。こちらでも御朱印をいただきました。わーい。両火川神社の御朱印が並びました。うれしいな。
 
 そしてこのすぐ近く、仙台坂上のバス停へ。レイちゃん初登場時の事件! バス停の神隠しが起こるバス停です。わー! そのまんま! 麻布十番近辺は坂にひとつずつ名前がついています。仙台坂!



 ここでいったん落ち着くために、再度麻布十番商店街に戻ります。原作者の武内直子先生も通ったという、麻布十番でとても有名なたい焼き屋『浪花家』さんへ。



 冬のお散歩は空気が澄んでいてとっても気持ち良いのですが、長時間お外にいると体が冷え切ってしまうんですよね。



 アツアツあんこがぎっしりつまったたい焼きと、差し湯を添えて出されお茶のセットであたたまりました。お店から出るときに、年始に枕の下に入れるといい夢が見られるという宝船の絵をいただきました。うれしい〜!



 セーラー戦士のみんなも放課後にこうやってお茶したりしていたのかなぁ。ゲーセンのお兄さんこと古幡元基お兄さんの妹・宇奈月ちゃんがバイトするパーラーでのシーンとかありましたね。



 食といえば私は愛野美奈子ちゃん(※セーラーヴィーナス・セーラーV)。美奈子ちゃんが主役の『コードネームはセーラーV』の単行本の中のバレンタイン回で、バラの形のチョコが出てきますが、それがすっごく食べたくて、毎年バレンタインの時期はデパートとかに探してしまいます。バラの形のチョコは色々あるんだけど、コレ! っていうのはまだ出会えていません……。



 美奈子ちゃんも、アニメ・原作・実写とキャラクターがそれぞれなキャラですよね。ちょっとオバカなところがあって、うさぎちゃんと悪ノリしている美奈子ちゃんが好き! 原作のセーラー戦士のリーダーとして、プリンセスに全てを捧げている美奈子ちゃん。美奈子ちゃんの夢に向かって猪突猛進な姿勢とか、明るすぎるくらい明るくて前向きなところが大好きです。男なんてお呼びじゃないってね。かっこいいんだよー!



 そして、最後に向かった場所は東京タワー。東京タワーは作中に何度も背景に出てきます。私は原作の中でタキシード仮面様がセーラームーンを庇って倒れ、その衝撃でセーラームーンがプリンセスセレニティとして覚醒するというシーンが特に印象に残っています。作中のキーアイテムである幻の銀水晶が昔はすっごく欲しかったなぁ。



 いま思うと、誕生日やクリスマスのプレゼントのリクエストは、いつもセーラームーングッズでした。たくさん持っていたのに、当時は周りにアニメや漫画が好きっていうのが大声で言えない隠れオタクだったので、あるとき漫画とかおもちゃとか原作の画集とか、全部手放してしまったんですよね。時代は移り変わってアニメが大好き! おもちゃ最高! とオープンに言えるようになったいま、激しく後悔しています。どうしてであのとき、自分の【好き】にもっと自信を持てなかったのだろう。セーラームーンにたくさん力を貰ったのに。バカだったなぁ。



 だからいまの私は好きなものに対してまっすぐに「大好き」と言える自分でいたいと常に思っていますし、人の好きを否定しません。好きって気持ちは勇気になり、原動力にもなります。こんなものが好きなんて恥ずかしい、なんて思う必要は絶対になくて、誰に誇れなくても【好き】は自分の心を豊かにしてくれる、自分だけの宝物です。



 私の夢のひとつが「少女向けアニメへの出演」です。声優になりたい、と思ったとき最初に思い浮かんだのはセーラームーンでした。



 私の中のアニメと言えばセーラームーン。たくさんのキラキラした気持ちをセーラームーンからもらったように、私が出演したアニメを見て、たくさんの子供たちにもそんなキラキラした憧れや夢や希望を与えられる役がやれるようになりたい。



 取材のためにまた改めて原作を読みなおしたり、アニメを見返したりしていたらその気持ちがムクムクっと熱くなってきました。初心を忘れるべからず。大好きなものは私に力をくれます。がんばるぞー!



 ちなみに『美少女戦士セーラームーン』は、dアニメストアで全話配信されています。私もいま改めて1話ずつゆっくり見返しています。本当に面白い!



 乃木坂からスタートし、麻布十番周辺を巡った今回のお散歩。実は全部徒歩圏内なのです。するっとお散歩できるのでおすすめなんです。あのとき感じたドキドキを辿りながらのお散歩は胸が熱くなります。みなさんも自分の心をときめかせてくれる散歩道、ぜひ行ってみてください。



 さぁ、次はどこにお散歩にいこうかな。
(文=華山みお)


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