前半戦は王者らしからぬ姿を見せたレアル・マドリードが、後半戦の初戦で久々に爆発力を見せ付けた。21日に行われたリーガ・エスパニョーラ第20節、レアル・マドリードはホームでデポルティーボ7−1で圧勝。揃って2ゴールを記録したスペイン代表DFナチョ・フェルナンデスとウェールズ代表FWギャレス・ベイルが、試合後のインタビューで喜びの声を上げている。
この日は23分によもやの先制点を奪われたものの、終わってみれば大量7得点をもぎ取ってデポルティーボを粉砕したレアル・マドリード。32分の同点弾に88分のチーム7点目と、ゴールラッシュの幕開けと幕引きを担ったナチョは、センターバックとしては珍しい2ゴールに満足感を表した。
「とても幸せだ。プロになって以来、1試合で2点を取ったことは一度もなかった。前線の選手にだって難しいのだから、守備の選手にとってどれほど凄い事か想像して欲しいね」
ナチョはまた、「僕達は今日のような結果が残せるよう、毎週ハードワークを続けて行くことは間違いない」とファンに約束すると同時に、42分に鮮やかな左足のシュートで決勝点を決めたベイルの重要性を強調した。
「100パーセントのベイルはチームのレベルを大きく上げてくれる。彼が素晴らしい選手であることは誰もが知っているから、今さら言うまでもない」
一方、ナチョから称賛されたベイルは、故障から復帰後の順調なレベルアップに手応えを感じていることを説明した。
「プレーの感覚は良い。まだ100パーセントではないけど、最高の状態に少しずつ向かっている。再びピッチに戻って来られたこと、高いレベルでプレーできていること、コンディションが上がっていること、その全てに満足しているよ」
圧勝劇を演じたとはいえ、依然として首位バルセロナとは19ポイント差で4位のレアル・マドリード。未消化分の第16節レガネス戦に勝利すると仮定しても16ポイント差と、リーグ連覇が極めて厳しい状況にあることに変わりない。しかし、ナチョが「僕達はファイティングポーズを崩したりしない」と強調すれば、ベイルも「リーガのタイトルが厳しいのは分かっていても、僕達は決して諦めない」と明言している。その言葉通り、王者としての意地を見せ、後半戦を是非とも盛り上げて欲しいところだ。
文=北村敦