『「スマホ依存」を治す意外かつ簡単な方法』に引き続き、また東スポがお役立ち(そうな)ニュースを紙面で展開していた。
『悲報!「新ルール」導入www
ユーチューバー難民続出!?』
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……といったタイトルで、Googleが1月16日、傘下の動画投稿サイト「YouTube」の新規約を発表。それによって月に数万〜数十万の“お小遣い”を稼いでいた中堅ユーチューバーたちが無収入となってしまうことも……みたいな“近未来の可能性”について言及した内容である。もう少々詳細を加えてみよう。
昨年末、人気ユーチューバーのローガン・ポール氏(22)が、富士の樹海で偶然発見した自殺者の遺体にケラケラと笑う姿や、「おーい! 生きてる?」と話しかけながら茶化すシーンを配信して、世界中から非難の声が上がった件を受け、YouTubeはローガン氏との提携を解除。さらに同社は、広告掲載ルールの厳格化を図り、暴力や差別的な内容を含む不適切な動画には広告を付けないことを決めた。
また、広告掲載基準の根本的な変更も。これまでは視聴回数1万回に達すると広告を付ける基準を設けていたが、2月20日以降は「登録者数1000人以上」と「過去1年で4000時間以上の視聴時間」の2つを満たすチャンネルでなければ、広告は付かない仕組みとなる。
この新規約が、どのような社会的影響を及ぼすのかと言えば、
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「従来の視聴回数基準なら、極論、再生ボタンを連打すればよかった。それが視聴時間基準となると、クオリティーと固定ファンが求められる。結果、月に数万〜数十万を稼いでいた中堅ユーチューバーが淘汰され、全体の1%とされているトップユーチューバーと、趣味で動画をアップする人の二極化が進むかもしれない」(東スポの取材に応じたネット事情に詳しい関係者)
……ってなわけである、らしい。
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早い話、ユーチューバーもようやく「それなりの修練を積んだ突出的センスの持ち主」、すなわち「真っ当なプロフェッショナル」しか収入を得ることができない健全な職業となりはじめている……のだろう。
私は、とても良いことだと思っている。東スポも「悲報!」と「www」を並列する、矛盾極まりないシュールな見出しを打ってるし。おそらく、どーでもいいニュースを勢いと筆力だけで一面クラスのニュースにまで仕立て上げる(でっち上げる?)、ある意味「プロ中のプロフェッショナル集団」とも呼べる東スポ記者陣からすれば、糞みたいなアマチュア連中がネット業界の“金銭派生システムの未整備”に乗じ、小銭を稼いでいるさまは、内心面白くなかったに違いなく、「www」の三文字には明らかに「ざまあみろ」的な“念”が込められている。深読みしすぎな気もするが……w?
一昨年末の「ウェルク(WELQ)事件」あたりをきっかけに、素人に毛も生えていないような“なんちゃってライター”がネット上から弾き出されつつあり、じわじわとではあるが「きちんとした原稿が書けるプロのライター」に仕事が集まり出している……と聞く。「趣味の文章」と「プロの文章」の二極化はネット上でも確実に進んでおり、私らのようなプロからすれば、これはまことにありがたい兆候だ。そして、こういった「有象無象の淘汰の段階」こそが、優れた技術と感性、あと持続的な安定感を身につけている者だけが、その能力を存分に発揮できる、絶好のビジネスチャンスなのではなかろうか。