皆さんは、WOWOWで放送中の連続ドラマW『春が来た』をご覧になったことがおありだろうか?私はこのドラマで、とある一つのことが引っ掛かって引っ掛かってしょうがないので、とりあえず毎回欠かさず視聴している。
原作は日本最高峰の脚本家・向田邦子で、主演はアジアのトップグループ『EXO』のメンバー・カイというイケメン──WOWOW曰く「奇跡のコラボレーション」なるフレコミであるが、正直言ってそこらへんはどーでもよくて、私がむしろ注目しているのはヒロイン役の倉科カナだったりする。
倉科が演じるのは、
|
|
「日本で活動をしている韓国の新進カメラマン役のカイと、ひょんなきっかけで知り合い、恋仲となっていくデパートの下着売り場で働く、31歳まで浮いた話がほとんなかった冴えない女性役」
……みたいな感じなんだけれど、この倉科がメイクやファッションこそ頑張って派手さを抑えているものの、まるで「31歳まで浮いた話がほとんどなかった女性」には見えないのである。
|
|
なぜなら、このドラマでの彼女は、一言で言ってしまえば「可愛い」。可愛すぎる! 「冴えない女性」を懸命に演技しようと、動作は最小限に……そのメリハリの薄さを表情でカバーしようとしているが裏目(?)となり、結果「眼と口角で男をコロす地味めな顔立ち&ファッションの女性」という“最強のモテ女”と化してしまっている。いわゆる「第一印象ではなく第二印象で男がなびくタイプ」で、キャバクラやフーゾクでは何故かナンバー1に、合コンでは何故か最後に美味しいとこをかっさらっていくタイプ、すなわち本来の役どころとはまったくかけ離れちゃっているのだ。こーいう子って、完全隔離しないかぎり歩いているだけでも間違いなく男が寄ってきて、おのずと“恋愛筋トレ”を定期的にこなしているものだし……。そもそも一度は、あの竹野内豊を落としたツワモノではないか、倉科カナ。これじゃあドラマに感情移入もできませんわ。
ならば、「冴えない女性」をリアルに演じられる“美人”とは、いったい誰なのか? パッと思いつくのは、井上真央・深津絵里・木村多江……あたりで、(同ドラマの)ヒロインの年齢設定からすれば井上真央が一番の適役って気がするが、単純に「適役を持ってくればいい」ってものでもない気もする。だって、なんだかんだ言いながら、私もこの“ミスキャスト感”にハマり、お得意さんとなってしまっているのだから……。商売的な視点に徹すれば、「WOWOWのキャスティングは正しかった」ってことになるのかもしれない。
あと、このドラマのもう一つの見どころは、怪優・佐野史郎の女装シーン! 「リストラのストレスから女装に走ってしまった(倉科の)父親」という役柄なんだが、これがまた「見た目は女性になりきれない男が精一杯女性的に立ち振る舞う女装の妙」を、かなり高次元な、ギリギリの線で演じているのだ。そして、今日の結論を申せば「WOWOWのドラマすげ〜!」ってことなのであった。この1月から始まった別の連続ドラマW『監査役 野崎修平』じゃあ、なんと! 織田裕二と松嶋菜々子が出てますんで……。もはや、旬を過ぎた俳優の都落ちの場ではなくなってきている?
|
|