地中海料理により体外受精の成功率が高まる

地中海料理と不妊治療
ハロコピオ大学の研究チームは、「Human Reproduct」にて、地中海料理により体外受精の成功率(妊娠・出生率)が高まると発表した。

地中海料理とは地中海沿岸地域の食文化であり、イタリア料理、ギリシャ料理、スペイン料理、モロッコ料理が含まれる。

地中海料理の摂取量による効果
研究チームは、22歳から41歳までの非肥満体(BMI値30以下)の女性244人を対象に、日常生活や食生活が不妊治療に与える影響について調査した。被験者は、2013年11月から2016年9月に掛けて、ギリシャ・アテネの医療機関にて体外受精1サイクル目を受け、妊娠に至らなかった。

被験者が回答した食事摂取頻度調査票に基づき、地中海式食事の摂取量を地中海食スコア「MedDietScore」(0〜55)にて評価したところ、摂取量と体外受精の成功率に相関関係が認められた。

地中海食スコアが36以上の86人における体外受精の妊娠率は50%、出生率が48.8%であった。一方、スコア30以下の79人では、妊娠率29.1%、出生率26.6%となった。地中海料理の摂取量が多い女性は、体外受精の成功率が約66%増加した。

特に、35歳以下の場合、地中海料理の摂取量が高い女性は、体外受精の成功率が2.7倍増と報告されている。なお、地中海料理の摂取量が卵母細胞の発育、卵子の質、着床率に与える影響は小さかった。

食生活改善としての地中海式食事法
地中海料理には、穀物、豆類、野菜、果物、オリーブ油が多く含まれる。料理に使用する魚類、乳製品、肉類(牛、豚、鶏)は少量である。

研究チームは、それゆえ、健康的で栄養バランスがとれた食事となり、体外受精成功率の向上につながると結論付ける。

（画像はPixabayより）

Human Reproduct

New Scientist