■「結婚にメリットがない」と女性たちが言い出した
家事をする男性が増えたとはいえ、結婚するとなぜか妻任せにする男性は少なくない。女性たちはそんな話を既婚女性たちから聞いている。
「職場の先輩女性が結婚したんです。家事は分担すると言っていたのに、いつのまにか彼女の負担が大きくなったと愚痴ってました。子どもが生まれて職場復帰してからは、本当につらそうでした。いつも疲れていて、生き生きしていた彼女はいなくなっていた」
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ミキさん(32歳)はそう言う。その先輩は、なんと子どもが1歳になる前に離婚。実家の両親に助けてもらいながら仕事を続けている。
「そうしたら、また生き生きした先輩が戻ってきた。みんなで言ってるんですよ。子どもは女性ががんばって生きていく糧になるけど、男性はならないんだねって(苦笑)」
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ミキさんは、そういう先輩たちを見ているうちに自らも結婚する気力がなくなったという。
「結婚って、ある意味で勢いがないとできないと思うんです。メリット・デメリットを考えたり、結婚したらああなるのかとシミュレーションができてしまうと、かえって踏み込めない。私も2年付き合っている人がいて、彼は結婚したいと言うんですが、この人と家庭をもってやっていけるんだろうかと考えると決められないでいるんです」
彼は実家暮らしで、家事は親任せ。「やればできるよ」と言うそうだが、そう言う人に限ってやらないはずとミキさんは苦笑する。
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■「1人より2人」に疑問
昔から「1人より2人」と言われる。1人で生活するより2人のほうが経済的にやっていけるというのだが、女性たちはこれにも疑問を呈する。
「どちらも非正規で働いている友人カップルが結婚したんですが、結婚してすぐ彼のほうが契約を切られて彼女はものすごく苦労していました。非正規同士だと何があるかわからない。私も契約で働いているし、付き合っている彼は自営業。先行きが怖くて結婚なんてできません。彼は『なんとかなるよ』と結婚を急かすけど、危機管理ができてないと思いますね」
アイさん(33歳)も、そういった経済的な観点から結婚をためらっている。愛さえあれば……とのんきなことを言っていられない時代なのだろう。
「私は子どもがほしいと思っていないので、結婚する意味も見出せないんですよ。子どもがいらないなら、結婚は老後の楽しみにとっておいてもいいくらい。今はこの先の自分の人生のために手に職をつけるなど、もっと自分に投資したほうがいいかなと思うんです」
まさに「個」の時代なのかもしれないと痛感する。この分だと非婚がますます進むのかもしれない。だが、人生は自分のもの。結婚するもしないも、個人の自由であることは間違いない。