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フィギュアの転倒続出理由は“魔の朝競技時間”にあり。宇野には追い風に

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2018年02月10日 05:42  THE PAGE

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写真宇野は団体戦で朝の競技時間にも適応して1位の演技を見せた(写真・ロイター/アフロ)
宇野は団体戦で朝の競技時間にも適応して1位の演技を見せた(写真・ロイター/アフロ)

平昌五輪で最大の注目競技であるフィギュアスケートは団体戦から幕を切った。ソチ五輪から採用された種目で、10か国が、男女シングルのショートプログラム、ペア、ダンスの4種目で予選を戦い、上位5か国が決勝へ進み、フリープログラムで争う。個人戦に向けての“前哨戦”の意味合いも込められた団体戦で、宇野昌磨(20、トヨタ自動車)は、出場選手中、ただ一人、100点を突破する103.25点で1位。一方、日本勢のライバルは転倒するミスが相次ぎ、金メダルの最有力候補の一人に挙げられているネーサン・チェン(18、米国)は転倒するなどミスを連発して80.61点で4位だった。

元世界王者のパトリック・チャン(27、カナダ)、ミハイル・コリヤダ(22、OAR)、チェンら10人中5人が転倒する大荒れの1日となったが、なぜ宇野はミスが少なく、チェンらライバルは転倒したのか。

 元全日本2位で福岡で後進の指導を行っている中庭健介氏は「明らかな理由のひとつが見えた」と分析した。

「団体戦の男子SPは転倒する選手が続出して荒れましたね。その原因のひとつには朝の時間帯に行われたという競技スケジュールにあります。どの選手も平昌五輪の競技時間を想定して準備をしてきたでしょうが、肉体にはリズムというものがあり、そう簡単には変えられません。僕も現役時代は、朝の時間帯の練習では4回転の成功率が低かったんです。体が動かず集中力に欠けました。睡眠のリズムもあるんだと思います。五輪の緊張、プレッシャーに加えて、時差の問題などもあり、体が硬くなって動かない、4回転の成功率が低い、という傾向が、宇野選手以外に出たのだと思います」

 “魔の朝時間帯”である。

 フィギュアは、放映権の関係でアメリカのプライムタイムに合わせて行われるため、午前10時に競技が開始される。16日からスタートする男女の個人戦も同じスケジュールだ。グランプリシリーズも含めてフィギュアの競技は、通常夜に行われるため、午前という競技時間は、夜の時間帯の競技に慣れた選手に多大な影響を与えたのは間違いないだろう。

 元世界王者のチャンは冒頭の4回転トウループで転倒。後半のトリプルアクセルでも再び着氷に失敗して81・66点の3位に終わった。4回転の申し子で金メダル候補であるチェンは、4回転トゥループが抜けて、まさかの2回転に終わり、そのミスで失ったリズムとテンポを立て直すことができないままトリプルアクセルでも転倒して80・61点と得点が伸びなかった。

ダークホース的な存在であるコリヤダも、冒頭の4回転ルッツで転倒すると、続く4回転トゥループ+3回転トゥループの連続ジャンプも失敗、ミスの連鎖をとめきれずに74.36点の8位と大惨敗。
 4回転時代は、イコール、4回転のミスをした選手が負けーという減点ゲームである。今回、その4回転時代の罠にはまって宇野の有力ライバルが次々と脱落した。

 米国のタイム誌も「チェンはカリフォルニアで練習時間を早めて準備を進めてきたが、早朝の競技が彼の演技に影響したようだ」と“魔の朝競技時間帯”に苦しんだと分析。チェンの「(カリフォルニアでの)朝7時の練習は、少し厳しかった」という談話を紹介した。

 無理に朝の時間帯に適応しようとした準備も足を引っ張ったようだ。

 だが、団体戦で4位に終わった後、チェンは「時間変更(通常の夜から朝に)があっても大きな問題ではなく、頭の中にあったことをすべて計算しなおす必要があるだけ。緊張もしたが、今回の経験で次の個人戦は、よりうまくできる。少なくとも、この場に来て、演技し学ぶ機会を持てたことは良かった。これからやるべきことを分析し生かして次に進むだけ」と前向きに語ったという。

 それでも16日のシングルスまで1週間ほどで、どこまで“魔の朝競技時間”に対応できるかは疑問だろう。


 対照的に、この競技時間帯を問題にしなかったのが宇野だ。
 冒頭の4回転フリップはステップアウトして片手をついたが、そこからの立て直しが素晴らしかった。後半の4回転トゥループ+3回転トゥループからトリプルアクセルにつなげるクライマックスは見事で演技終了後は、ニヤっと満足そうに笑った。
「五輪だからと言って特別な緊張はしなかったです。練習してきたことが今回のコンディションにつながっているのかなと思います」
 午前5時に起床、マイペースで10時の競技時間にあわせたという。

 中庭氏は、宇野が“魔の朝競技時間”を克服した裏には4回転の習得の“深み”が影響していると見ている。

「宇野選手は、練習の中で4回転を特別扱いせずに、当たり前に練習して、4回転をどんな状況であろうと、いつでも跳べるというところまで練習で突き詰めて身につけています。もう体で覚えイメージができているので、体が動きにくい朝の時間帯でも問題なく成功したのでしょう。4回転フリップでは手をつきましたが、大きな問題のあるミスではありませんでした。ソチ五輪では、羽生選手が団体戦のSPで1位となり、そこから個人での金メダルへとつなげました。五輪の舞台、リンク、そして時間帯。これらを一度経験したアドバンテージは大きいと思います」

ソチ五輪では羽生結弦(23、ANA)が団体戦のSP1位から個人金につなげた。宇野にとって、その前例は、自信につながるだろう。

前出のタイム誌は「フィギュアスケートの競技は通常夜に行われるが、今年の大会は米国時間に合わせるため、韓国時間の朝10時となっている。フィギュア団体で最初に演技した男子選手たちがジャンプの着地に苦戦していたように、この時間変更に慣れるまで少し時間を要するかもしれない。この競技のトップ選手で、きれいな滑りを見せたのは男子でトップだった日本の宇野昌磨だけだった」と伝えている。


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このニュースに関するつぶやき

  • 放映権を持つ国の都合かよ、まぁ向こうも結局“視聴率のため”なんだろな…?
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  • 放送権料をたてに競技時間をずらせるのは米国のいつものやり口だが、いい迷惑だ。でも、自国の選手が転んでちゃ世話ないやね。
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