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強風の平昌五輪で渡部暁斗の金メダル獲得の条件とは?

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2018年02月14日 06:12  THE PAGE

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写真ソチ五輪で銀メダルを獲得した渡部暁斗は悲願の金メダルを狙う(写真・ロイター/アフロ)
ソチ五輪で銀メダルを獲得した渡部暁斗は悲願の金メダルを狙う(写真・ロイター/アフロ)

 ノルディック複合スキーのソチ五輪の銀メダリスト、渡部暁斗(29、北野建設)が日本のエースとして、今日、ノーマルヒルに挑む。直前のジャンプの公式練習では強風が吹き荒れたが、3回目に102・5メートルをマークした。これは全体2位の飛距離。「まだ金メダルを獲っている人がいないので、第1号になれれば」と、悲願の金メダル獲得へ決意を口にした。
 
早大スキー部時代から頭角を現し、銀メダルを獲得したソチ五輪後、W杯では表彰台の常連となった。得意としているジャンプで上位につけ、後半のクロスカントリー10キロで欧州の強豪選手たちと駆け引きをしながら差し切るタフさをも持ち合わせている。

 かつて「キング・オブ・スキー」と呼ばれ、五輪のノルディック複合団体で2つの金メダルを持つ荻原健司氏の時代は、前半のジャンプでリードして後半のクロスカントリーで逃げ切るパターンで“王国”を作った。だが、“日本潰し”のジャンプによるタイム差を少なくするルール変更が行なわれ、欧州勢が巻き返しを見せて日本勢は後退を余儀なくされた。

 その歴史を踏まえたうえで、これまで弱点とされてきたクロスカントリーを強化。ジャンプと後半のクロスカントリーのバランスをキープして勝とうとしたのが、近年の渡部に代表される日本チームの戦略だった。
 しかし、渡部は、4年前のソチ五輪では強者フレンツェル(ドイツ)に最終の周回でスパートされて銀メダルに終わった。あれから4年が経過した。

「自分の器を試したいのです。器さえあれば、五輪で金メダルを取り、W杯複合で個人総合優勝となります。いつも試合で、その器を試されているような気がして。だからひたすらに挑戦し続けていけば良いのです」
 
 平昌五輪前の「トリプル」として有名になったW杯ゼーフェルト大会(オーストリア)で3連勝を飾り、迎えた日本の白馬W杯。地元長野の大応援団が繰り出した。

 ただ五輪に備え自国調整を理由に強豪ドイツやオーストリア、ノルウェーの主力と、若き精鋭が揃うフィンランドチームなどは来日せず、通常であれば、約50名以上の出場のところ白馬の2試合ともに38名という寂しい試合となった、

 地元の期待を背に渡部は奮闘のランをみせて4連勝、続く2試合目では3位と表彰台をキープした。
 とくに時差ボケの影響から疲労が出てきていた2試合目には、ジャンプでは追い風に見舞われ飛距離が伸びずにトップから1分17秒の差をつけられた。

「クロスカントリースキーでは、先頭集団でもまれて、最後にそこから抜け出していく。そういうレース展開が理想のひとつです。もちろんジャンプのリードがあり、独走してひとり旅で勝利するというのもありますが。自分としては駆け引きしながら最後に競り勝つのが好ましく思いますね」

 つねに試合状況を冷静に分析しながら、相手の出方をうかがい、仕掛けて引き、突き放す。それをすべてイメージしながら、体力を配分していく。それも走りながらだ。

 じつにクレバーな頭脳の選手ではないか。

「けっして、守りには入りたくないですね。いままで攻めていったからこそ、いまの成績があるのです。それとクロカンはほかの選手との集団走で、競り合った方が好きです。それで自分の調子がわかるので」

 前哨戦は、3位に終わったが、本番に向けて、ジャンプのミスを犯したときに、それをどう取り戻すかのシミュレーションができた意義は大きかった。  

 


 さあ勝負のときが迫ってきた。
 渡部が金メダルを獲得するための条件は何なのだろう。
「ジャンプさえ何とかなれば、ですね。いつも強気で飛びますよ」
 前半のジャンプで上位につけることがメダルへの道だとわかっている。
 鉄則は、前半のジャンプで限りなく首位に近づけて余裕を持って後半のクロスカントリーの10キロに挑んでいくパターンである。

 だが、今大会は強風と気まぐれな風向きが勝敗を左右している。いい風に恵まれるかどうか、の問題もある。加えてライバルも多い。
 
 五輪2連覇をめざすフレンツェル、ルゼック、リースルらのドイツ勢は団体戦では金メダル確実といわれる選手層の厚さを誇り、シュミットやグラーバクとベテランのモアンなどクロスカントリーで実力のある強豪ノルウェーも要マーク。さらに有能な若手を揃えて10年計画で選手育成してきたフィンランドのヘロラやヒルボネンなどの勢いも見逃せない。ライバルは10名近くにもなる計算だ。

 ジャンプで大きなリードを奪うことができず、クロスカントリーで集団に埋もれるような団子レースの展開になってくると、最後の直線勝負などでスプリント能力が試されることになるが、そこは欧州のライバル達に一日の長がありそう。
 さらに懸念されるのは渡部のスタミナだろう。国内での調整を優先させてW杯白馬大会を欠場していた欧州勢はスタミナを温存している状態だ。

 ただ人工雪で固められた冷えた平昌の五輪コースでは、日本チームのワックス技術が威力を発揮しそうだ。

「後半の走りは滑るスキーをサービスマンが作ってくれますから、信頼しています」

 日本の仙台にあるガリウム社が平昌スペシャルを作ってチームに授けた。これはソチでも滑った特別なワックス、その開発技術を基軸に平昌のクロカンコースで渡部を勝たせるワックスに他ならない。

 それだけにもしジャンプでリードを奪われていても、トップとのタイム差が1分以内であれば、滑るスキーの効果もあり、クロスカントリーでの逆転も可能。いずれにしろジャンプで大きくリードすることが金メダルの条件だろう。

 平昌五輪では、渡部の表情にも注目してもらいたい。微笑みをたたえて走っているのがよくわかる。選手同士の競り合いを心の底からうれしく感じながら走っているのだ。本当にスキーが好きで、スキーが楽しくてたまらないのだろう。そういう精神を持つ選手には勝利が駆け寄ってくる。

(文責・岩瀬孝文/国際スキージャーナリスト)


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  • 今からドキドキハラハラ。強風の悪条件だけど夜じゃないからと自分をなだめている私。
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  • 韓国選手は不得手なジャンプ競技などどうでもいいと風対策を全くできない環境に設置し、世界のレジェンドの記録を邪魔したことには心が痛まないのだろうか?
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