高橋メアリージュンが語る、女性としての生き方「自分の意見を人に押し付けるのはよくない」

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2018年02月15日 06:02  リアルサウンド

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 自由設計で造られた集合住宅という新しい住まいの形“コーポラティブハウス”に暮らす家族の姿を、オリジナル脚本で描いたドラマ『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)が話題を集めている。


 登場するのは、子どもが欲しい夫婦、子どもは欲しくない女性とバツイチ男性のカップル、理想の家族像に執着する主婦と会社を辞めた夫と子どもたちの家族、男性同士のカップルと、それぞれに事情を抱えた4組の家族。深田恭子演じる妊活を続ける主人公の奈々と松山ケンイチ演じる夫の大器のエピソードもさることながら、高橋メアリージュン扮する「子どもを作らない」ことを決めて婚約したちひろの生き方が多くの女性の共感を呼んでいる。前クールのドラマ『コウノドリ』(TBS)に続き、反響の大きな役柄に挑んでいる高橋にインタビュー。役への共通点や今後の見どころなどを聞いた。(望月ふみ)


参考:『隣の家族は青く見える』2月15日放送第5話場面写真(チェキプレゼント企画あり)


■「私自身は、いつかは子どもが欲しいと思っている」


ーー現代家族のさまざまなテーマに切り込んでいる作品ですね。高橋さんは、『コウノドリ』に続いて反響の高い作品への出演です。


高橋メアリージュン(以下、高橋):そうですね。確かに反響はあります。私が演じているちひろには、自分が言いたいことを全て言ってくれたというメッセージをよくいただきます。


ーー2話での深雪(真飛聖)さんとのバトルはすごかったです。高橋さんも共感する部分が強かったですか?


高橋:子どもを産む産まないはその人の自由だと思いますし、自分の意見を人に押し付けるのはよくないと思っていたので、あの場面は私も共感しました。


ーーオファーを受けたときに思われたことを教えてください。


高橋:私自身は、いつかは子どもが欲しいと思っているんです。ちひろは子どもは欲しくないという役柄なので、そうした考えの友達に話を聞いたり、本を読んだりしました。友だちに、「自分に子どもがいるというのは想像がつかない」と言っている人がいて、私自身はいつかはお母さんになるのが当たり前と思ってきたところがあったので、そういう考えもあるんだなと驚きました。


ーー今回のドラマによって新たに知ったこともありますか?


高橋:ちひろの役とはまた違う部分ですが、不妊治療についてちゃんとは知らなかったので、奈々ちゃんたちのカップルを見ていて、すごく学ぶことができました。不妊の原因は男女半々だとか。確かに言われれば当然のことなんですけど、勉強になっています。


ーー奈々さんといえば、ちひろさんを見ていると、あそこで暮らすのは大変そうだなと感じていたのですが、奈々さんと朔(北村匠海)くんとの3人組が仲良しになってくれたので、こちらもほんわかしています。


高橋:朔ちゃんとは仲良くなるシーンが描かれたわけではなかったのですが、いつの間にか仲良くなっていました(笑)。3人のシーンはガールズトークみたいですよね。本当にのほほんとしていて。カメラの外でものほほ〜んと、本当に女同士の会話のようなんですよ。


ーー一方で、あの共有スペースではギスギスした関係も。


高橋:深雪さんですね(苦笑)。


ーー撮影の合間は、みなさんとどんな感じなんですか?


高橋:裏ではとても仲良しです。真飛さんは、めちゃめちゃいい人です(笑)。とても明るくて、真飛さんか松山さんが結構お話をされて、場を明るくしてくださっています。


■「ああいう風に合わない人がいたらキツイ」


ーー高橋さんご自身は、ああしたコーポラティブハウスに住むというのは。


高橋:個人的には住めないです。人見知りですし、ああいう風に合わない人がいたらキツイですよね。それだけでストレスになっちゃう。賃貸ならまだしも、買う勇気はないです。たとえば家族とか、兄弟夫婦と一緒にとかなら、いいですけど。ドラマで疑似体験して楽しむことにします(笑)。


ーーそれぞれに住んでいる家にも個性があります。ちひろさんの家の空間はどんな感じですか。


高橋:すごく洗練されていてオシャレです。ちひろはネイリストなので、ネイル用のチップが飾ってあったりします。仕切りとかもない空間で、シャワー室も透けているんです(笑)。あの家族たちの中でも特に洗練されている家だと思いますが、この後、亮司(平山浩行)の子どもの亮太くんが来ることによって、たぶん崩れていくと思うので、その変化も楽しみです。


ーーちひろのキャラクターに関しては、どのように捉えて、どのように表現できたらと思っていますか?


高橋:今後、物語の中で描かれるかどうかは分かりませんが、ちひろには本人が気付いているかは別として、深層心理として、子どもがいらないという理由にも繋がるつらい過去があると思っています。だからこそ、明るくいたいという。


ーー亮太くんを引き取ることにした亮司にも、揺れている本心を見せませんね。強がってしまう気持ちはよく分かりますか?


高橋:分かりますね。よく分かります。


ーーそうした部分でも、奈々さんや朔くんと仲良くなれて、気持ちを打ち明けることができてよかったなと思いながら見ています。


高橋:確かにそうですね。話せる人がいないと、それこそ『コウノドリ』のときのようになっちゃいますよね。


■「日本だけじゃなくて海外にも行けたらと思っています」


ーー高橋さんご自身は、ゆくゆくは子どもが欲しいとのことなので、ちひろとは異なる部分がありますが、脚本を読んでいる段階ではご自身の感想も入りますよね。そこからキャラクターに入るときには、自分と完全に切り離すのでしょうか。それとも役とはどこかで繋がっていますか?


高橋:全く別物というよりは、ひとつでも共通点があれば線が繋がるので、そこから役に入っていくようにしています。ちひろとは、辛いことを人に相談できずに隠してしまうところがすごく似ています。普段はサバサバしているけれど、恋人の前では女でいたいとか。そうした共通点を頼りに、ちひろになっていきます。今回、意識したのは、ちひろは犬でいうとペットショップの犬のような感じかなと。


ーーペットショップの犬ですか?


高橋:ちょっと説明しづらいですけど(苦笑)。親犬と一緒に飼われていて、そこで兄弟たちと一緒に育った犬ではなくて、親や兄弟と離されてペットショップで育った犬。寂しい体験をしているからこそ、ひとりになるのがすごく寂しいというか。あくまでも感覚ですが(苦笑)。


ーーところで高橋さんご自身は、昨年の11月に30歳になりました。女性としてどう生きていきたいですか?


高橋:母親にはなりたいと思っています。結婚して。憧れています。仕事は30歳になった途端に、もっといろいろチャレンジしようと思うようになりました。


ーーこれまでもチャレンジングな役柄をされてきたと思いますが。


高橋:そうですか?(笑)。でも、日本だけじゃなくて海外にも行けたらと思っています。その辺は垣根なく、いろんなことに挑戦し続けたいです。


ーー女優の活動以外では、最近、本(『Difficult? Yes. Impossible? …NO. わたしの「不幸」がひとつ欠けたとして』(KKベストセラーズ))も出版されました。


高橋:はい。自分の経験を話すことで、背中を押されました、『励みになりました』といった声を聞くと、とても嬉しいですね。ただ、身近な人や知り合いに読みましたと言われるとすごく恥ずかしいです(笑)。会話する前からいろいろ知られちゃったみたいな(笑)。でも本を出せたことはよかったと思っています。


ーーちなみに今回のドラマに絡めて、ほかの人がよく見えたり、ないものねだりをしたりといった気持ちは分かりますか?


高橋:分かります! Instagramで、すごく幸せそうなご夫婦とか、温泉に行ってきましたとか、旅行に行ってますといった内容を、『羨ましい!』って思いながらいつも見ています。


ーーインスタといえば、ドラマでも深雪さんが幸せを装っていますね(苦笑)。


高橋:そうですね。現実にもあるんでしょうね。でもそこはリア充を目指したいですね。


■「小宮山さんのところもすごく気になっています」


ーー物語も中盤に入りました。これからの見どころを教えてください。


高橋:5話で亮太くんと対面します。子どもが欲しくないと言っているちひろですが、亮太くんが来てどう接するのか。意外にしっかりした接し方をするので見てほしいです。あとは小宮山さんのところもすごく気になっています(笑)。深雪さんがなぜあそこまで頑なな考えなのか、知りたいです。


ーーやはりほかの家族のことも気になりますか?


高橋:気になりますね。どうなっていくのか、私自身もわかりませんが、奈々ちゃんのところは子どもが授かってほしいし、逆にちひろには子どもを作らないでいてほしい。もしちひろが子どもを作っちゃったら、共感してくれている人たちを裏切ることになるので。産むことが正解みたいになったらイヤだなと思っています。産まないと決めたのなら貫きたいですね。


(望月ふみ)


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