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嫌われる副業って? ハードル下がった時代の落とし穴 正能茉優さんに聞く 向いている人、向かない職種

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2018年02月15日 07:01  ウィズニュース

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写真学生時代に起業した会社の経営を続けながら一般企業に就職した正能茉優さん=正能さん提供
学生時代に起業した会社の経営を続けながら一般企業に就職した正能茉優さん=正能さん提供

 副業が注目されています。でも、みんながみんな、副業という働き方に合っているとは限りません。「やってはいけない副業」や「副業をやらない方がいい人」はいるのでしょうか? 学生時代に起業した会社を経営しながら一般企業に就職し「副業・兼業・パラレルキャリア」について積極的に発言している正能茉優さんに、副業のリアルについて聞きました。

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「人のためのウルトラC」
 地方の特産品をプロデュースする会社「ハピキラFACTORY」を大学生の時に立ち上げた正能さん。会社を経営しながら新卒で広告代理店に入り、現在はソニーに転職。新商品の企画に携わっています。

 副業のような新しい働き方をしようとすると、職場の理解を得にくいことも少なくありません。そんな時、正能さんは副業で得た経験や人脈を「本業の会社のために使うことが大事」だと言います。

 「“ソニーの正能”という会社員の立場では『広報を通して』と言われてしまうようなお相手でも、“ハピキラの正能”という起業家の立場なら会えることがあります。ハピキラでのご縁を、ソニーの事業と引き合わせると、なかなかうまくいかなかったことからスッと抜け出せたりするんです」

 正能さんはそれを「人のためのウルトラC」と呼びます。

 「副業でのつながりや経験を『ここぞ』という時、会社のために、誰かのためにいかす。逆に、自分のために使うと、ズルいと思われてしまうこともあるので、あまりやらないようにしています」

 また、副業のような新しい生き方を行動に移す場合、周囲の理解をすぐに得られるとは限りません。そんな時、忘れていはいけないのが「人にはそれぞれ正義がある」ということ。

 「年上の世代にとって、自分たちが経験していない働き方を目の当たりにしてびっくりしてしまうのは仕方ない。時に感情的になることもあります。だからこそ、きちんと説明をする責任が、新しい働き方・生き方をしようとしている私たちにはあると思います」

「副業という生き方、合わない人もいる」
 注目が集まる副業ですが、正能さんは「副業ありき」の流れには懐疑的です。

 これまでの副業の位置づけについては「もともと、副業がしにくい制度・仕組みがあったのがこれまでの日本の会社。これまでは、その環境の中で、限られた人だけが、能力とやる気でその制度・仕組みを超えて副業をしてきた」と考えています。

 一方で厚生労働省の検討会は2017年12月、副業を認めるガイドライン案をまとめました。同省の「モデル就業規則」にある副業禁止規定を削除し、原則自由化します。

 社会の生産性を上げる仕組みとしてマクロな目線で見る副業と、個人の生き方を広げる選択肢としてミクロな目線で見る副業。正能さんは、同じ副業という言葉でも、個人はミクロな目線で整理するべきだと言います。

 「副業という働き方が合わない考え方や環境の人も、もちろんいます。でも、今後、仕組みや制度面でのハードルが下がり、マクロな意味での副業という働き方が一人歩きすることで、その人に合わない選択をしてしまう人が生まれてしまうのなら、それは悲しいことです」

一つの事業を最後まで形にする経験
 副業で注意したいのは本業との関係です。場合によっては、本業のライバル会社のお手伝いをするような状況になりかねません。

 「コンサル業や広告代理店のように、複数のクライアントをもって、事業のお手伝いをする仕事は、一見、副業がしやすそうですが、注意が必要です。副業の業務の広がり方によっては、本業の仕事や得意先と重なる可能性が高くなる。逆に、メーカーのように業務領域の明確な事業会社は、副業がしやすい会社といえます」


 副業をするにあたり、正能さんが大事にしてきたのは「自分の得意なことや好きなことを、『What』ではなく『How』で考えること」。

 「『ハピキラFACTORY』は、地方をに関する仕事を漠然としているのではなく、地方にある魅力的なお土産や特産品を発掘して、その価値をコンセプトやパッケージで見える化し、ターゲットに合ったプロモーション・PRや販路の開拓をする「つくる・広める・売る」という『How』を提供してきました」

 正能さんが副業を始めるうえで、まず大事なこととして挙げるのは、どんなに小さな規模でも、一つのことを最後までやりとげて「お金にする」経験をすること。学生時代、価値が埋もれがちだった地方のお菓子をプロデュースし、東京で2千個を売り切った経験は、今も自身の活動に生きていると言います。

 「売り上げにしたら、100万円ほど。利益まで考えると、本当にわずかなものでした。でも、自分たちの『How』を、事業としてやりとげた経験は、規模感の大小にかかわらず、今もいきています」

人生のタグを増やしてくれる読書
 学生時代から数えると6年にわたり、会社を経営してきた正能さん。「可能性の詰まりを感じたこともあった」と明かします。そんな時、財産になったのは「身の丈」の広げ方でした。

 「身の丈って、実は、縦の概念だけじゃなく、横の概念でもあると思うんです。一つのことを突き詰めてプロになること以外にも、様々な可能性を『タグ』として取り込む。そうすると、それらの掛け合わせで、選択肢がさらに広がっていって、別の展開が無限に生まれていくんです」

 実際、正能さんは、社長を続ける中で、地方に関わる会社の事業とは離れた「副業」という働き方・生き方についてテレビなどで発言する機会を得てきました。

 「これまで、人生のタグは、人に会って、実際にお話をすることで増やしてきました。でも、最近ある仕事がきっかけで、本を読むようになって。これまで本にはまったく興味がなかったのですが、読んでみると、その人の考えがパッケージになってまとまっている。こんなに効率的にわかりやすく『タグ』を増やせるツールはないと思って、26歳にして読書にハマりました」

 もしかしたら、副業という言葉自体は一過性のブームに終わるかもしれません。それでも、変化の激しい時代、自分の生き方を常に考え、常に可能性を広げていくことは大事なスキルになりそうです。

 「レストランのビュッフェで、カレーが好きなら、ずっとカレーを食べ続けてもいい。『でも、パスタも食べてみたい』と思ったら、まずは食べてみる。食べられる量は一緒だから、その分、カレーの量をちょっぴり減らして。口に合わなかったら、またカレーに戻ればいいし、そのままパスタに乗り換えてもいい。ずっと両方食べていたっていい。副業って、そんな風に考えたらいいんじゃないでしょうか。「ビュッフェキャリア」と私は呼んでいます(笑)」

     ◇

正能茉優(しょうのうまゆ)慶應義塾大学の学生時にハピキラFACTORYを創業。卒業後は、広告代理店に就職。ソニーに転職後もハピキラFACTORYの社長をつとめる。2016年には、経済産業省「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」最年少委員にも。イベントの登壇も多く、2月28日には直木賞作家の原錣気鵑箸痢崙表餡顱廚謀仂賤縦蝓

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