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おばあちゃん世代と話していると、
「昔からずっとこうだったのに」「昔の育児と今の育児は違うから……」
といった言葉がよく出てきます。
そのような言葉を聞いて、筆者はいつも違和感を覚えます。
それはなぜか、そして“変わらないこと”とはなにかについて、助産師である著者が思うことをお伝えします。
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「昔はね」とお話しする祖母世代の言葉に違和感を覚える理由は、その「昔」とはいつをさすのだろうということです。
10年前?50年前?100年前?
赤ちゃんの祖母世代が育児をしていた背景と、さらにその上の世代の育児背景はまた異なります。十把一絡げに、区別なくすべてを全部ひとまとめにして「昔」とまとめることはできないほど、刻々と変化しているのです。
そして、大切なことの根本は、社会背景の変化があっても変わることがありません。
たとえば、出産。
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昭和30年代半ばまでは自宅出産が主流でした。自宅に産婆(助産師)をよび出産し、産後も添い寝が当たり前でした。
分娩台で産んで、赤ちゃんは出生後すぐに新生児室へ隔離されるようになったのはここ数十年間だけのことです。しかし次第に行きすぎた管理出産が見直されて、“カンガルーケア”や“母子同室”が見直されつつあります。
また、たとえば母乳育児。
70年以上前には、一般人は容易に粉ミルクを手に入れることすらできませんでした。もちろん母乳育児は当たり前で、出産直後からミルクを追加なんてことはできませんでした。
粉ミルク率が増えたのは病院出産が増えてからのこと。そして、ここ10年くらいで再び母乳育児が見直されてきています。
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この、病院での管理された出産で粉ミルク率が全盛期だった頃に育児をした方たちがちょうどおばあちゃん世代になっているため、「昔は、産後は赤ちゃんと別々の部屋だったのに、今は」とか、「昔は泣いたらすぐにミルクを足していたのに、今は」となるようです。
でも、出産や育児の大切なことは大昔からず〜っと変わりません。
戦後の高度経済成長のあとに、一時的に変わった事があるだけです。
また、「私のやってきたやり方は古臭いから今の育児には合わない」というおばあちゃんにもよく会います。
しかし、ちょっと待って。
世界一大切なわが子に、もっともよい方法だと考えてやってきた育児を「古臭い」なんて否定できるわけがありません。そのときの“ベスト”なやり方で大切に育てていただいたのだから。
育児とは、病院で教わった方法が最新で正しいわけではないのです。
育児とは本来伝承されるもの。だから、その家その家の育児法がある。ネットや育児本に書いてある内容とは別に“育児をしてきた体験”から得るものは大きいはずです。
「大切なものは変わらない」と、強く思います。
新米ママ世代は、自分たちをはぐくんでくれた世代の体験から学ぶこともたくさんあることを知ってほしい。
そして祖父母世代の方々には、「昔と今は違うから」ではなく、「私はこんな体験をした」と娘へ伝承してほしい。
「わが子を大切に最善を尽くして育てたい」という思いは、昔も、今も、そして未来も、絶対に変わることはない
と、筆者は思っています。
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【参考・画像】
※ 「日本人の子産み・子育て」(1990)- 勁草書房
※ 小山敦司 「スケッチ親と子の50年」(2011) – 赤ちゃんとママ社
※ 著者提供、Monkey Business Images、 Lifebrary / Shutterstock
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