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平昌冬季五輪 小学1年生の息子のフラットな世界

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2018年02月19日 09:02  MAMApicks

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つい2週間前に、アメリカのスポーツ界最大のイベント、NFLのスーパーボウルがあったとは思えないほど、我が家はすっかり平昌冬季五輪一色である。

五輪といえば「マイケル・フェルプスが速かったね。メダルをたくさんもらったよね」と言うところからして、息子の記憶に2016年のリオデジャネイロ五輪が入っていることがわかったが、7歳ともなると、五輪というのはいろいろな国のすごいアスリートが競い合うところといったことが、なんとなくわかってきたようだ。

そして、最初はアメリカか日本に勝ってほしいと言っていたが、すごいアスリートたちに幼い心をすっかりわしづかみにされたらしく、そんなことはすぐに忘れ、誰彼なしにすごければ感動している。朝起きるなり、そして学校から帰るなり、「五輪やってる? テレビつけてもいい?」と、目をキラキラしてきいてくるので(ネットではもっとたくさん中継を見られるというのは教えていない)、テレビをつけて見入ってしまい、親子で「あーもうこんな時間!」とあわてることの繰り返しである。

小学1年生の息子にとって、世界はまだとてもフラットだ。あからさまな差別を受けたことがない環境で育っているからか、日常生活でも「人種」「国」を「違い」とは認識しても、上下関係をつけることは考えもしない。自分は日本人のお母さんがいるアメリカ人で、〇〇も僕と同じなんだよ、〇〇のお父さんはフランス人で、〇〇のお父さんとお母さんはインド人で、というように、単なる「事実」でしかないのだ。


だから、スノーボード男子のハーフパイプで3個目の金メダルを獲得して大泣きしたショーン・ホワイト選手はアイルランド・イタリア系、スノーボード女子のハーフパイプで金メダルを獲得したクロエ・キム選手は韓国系、フィギュアスケート選手のシブタニ兄妹と長洲未来選手は日系で、ネイサン・チェン選手とヴィンセント・ジョウ選手は中国系、スピードスケートのマーミー・ビニー選手は5歳のときに移民してきたガーナ系の「アメリカ人」であることに、なんの不思議もない。


一方、アメリカのトップは72歳になろうというのに、アフリカ諸国と中南米諸国を“shithole”呼ばわりし、人種や宗教に対する差別の言動が自然に出てくる始末だし、小学校ですでに人種のヒエラルキーができているところもあると聞く。そんなふうに「アメリカ人=白人」「アメリカ=白人の国」という思考の人たちにとって、こうした有色人種のアメリカ人が自分の国の代表として世界のトップアスリートたちと競い合うのを見るのはどうなのだろう。

周りにそういう人がいないので想像するしかないのだが、自分が見下しているその有色人種のアスリートが自分などが及びもしないことをやっているのを見ても感動もできずに、自分の器の小ささに情けなくなりもせずに、「彼らはアメリカ人じゃない」と否定したり、「本来なら自分たちと同じ白人が優先されてアメリカ代表になるべきなのに」といまいましく思っているのだろうか。または、同じ競技に出ている外見が自分たちと似たような人だけを応援していたりするのだろうか。

息子もいつかアジア系・日系というだけで、「アメリカ人ではない」と言われたり、差別されたり、誰かが特定の人種を差別するのを見たりして、ショックを受けたり、怒りや悲しみを感じたりする日が来るのだろうか。そんな時、私や夫はどんなふうに話を聞いて、どんなふうに話すのだろう……。トランプ政権になってから、そんなことをもやもやしつつ考えることが多くなった。

大野 拓未
アメリカの大学・大学院を卒業し、自転車業界でOEM営業を経験した後、シアトルの良さをもっと日本人に伝えたくて起業。シアトル初の日本語情報サイト『Junglecity.com』を運営し、取材コーディネート、リサーチ、ウェブサイト構築などを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。

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