米フロリダ州高校銃乱射 校内にいた兄弟間で交わしたメッセージが心揺さぶる(米)

0

2018年02月20日 11:43  Techinsight Japan

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Techinsight Japan

互いの存在を再確認することになった、兄弟間のメッセージ(画像は『Uncle Sam Zeif #Douglasstrong 2018年2月15日付Twitter「Scariest part of it all was knowing my little brother was right above me and not knowing if I would ever see him again.」』のスクリーンショット)
米時間2月14日、フロリダ州パークランドの高校で起きた銃乱射事件。その高校に通う兄弟が切迫した状況下で交わしたメッセージが公開され、米国民の心を大きく揺さぶっている。『TIME』『Inside Edition』などが伝えた。

フロリダ州ブロワード郡パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校(Marjory Stoneman Douglas High School)に通う、4年生のサムさん(18)と1年生のマシュー・ズィーフさん(14)(Sam&Matthew Zeif)の兄弟。サムさんが7〜8回の銃声を耳にしたのは、2階の教室でちょうど数学のテストを終えた時だった。教室で10分ほど待機している時、ふと同校に通う弟のことが頭をよぎった。ちょうど上の階にいるはずの弟の安否が気になったサムさんは、マシューさんにiMessageで連絡した。

「大丈夫か?」

「だといいけど。愛してるよ、忘れないで。」

「俺もお前を愛している。」

「いつまでも愛してる。ぼくの最高のお兄ちゃん。」

「俺たちはここから抜け出すぞ。約束する。」

「サム?」

「うん?」

「警察は来てるのかな? 先生が死んだんだ。」

教師のスコット・ビーグルさん(Scott Beagle)は生徒らの安全を確保するため、教室に彼らを呼び入れようとしていた最中に銃で撃たれ死亡した。サムさんは「マシューは、ビーグル先生が銃で撃たれる前に救った最後の生徒でした」と当時を振り返っている。

幸いにも兄弟は無事だったが、この事件を境に2人の人生観は大きく変わったようだ。

「僕たちは決して仲の良い兄弟とは言えませんでした」と明かしたサムさんは事件以来、かけがえのない弟の存在に対し、これまでに感じたことのない“感謝の念”を抱いているという。弟の命が奪われてしまうかもしれない―そんな心配をしなければならない状況に陥るとは思ってもみなかったと述べている。突然恐ろしい事件に巻き込まれてしまった兄弟は現在、セラピーに通っているという。

なお今年に入ってから、米国の学校での発砲事件はすでに18件発生している。マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の在校生らは、全米ライフル協会(NRA)と親しい政治家らが銃規制を取り締まらない現状に対し「銃ではなく子供たちを守るべき!」「恥を知れ!」と痛烈に批判している。

今回の事件で、親友のホワキン・オリバーさん(Joaquin Oliver)を亡くしたサムさんはこのように語った。

「僕は友人を失いました。彼はもう声をあげることはできません。だから、僕自身が声をあげなければならないのです。彼の死は決して無駄ではなかった、彼は“変化”をもたらすために命を犠牲にしたのだと。」

2月19日の「プレジデント・デー」に、トランプ大統領や米国民はこの状況をどう受け止めているのだろうか。変化を求める若者らの声が、本格的な銃規制強化のきっかけになることを願ってやまない。

画像は『Uncle Sam Zeif #Douglasstrong 2018年2月15日付Twitter「Scariest part of it all was knowing my little brother was right above me and not knowing if I would ever see him again.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)

    前日のランキングへ

    ニュース設定