短時間作用型の喘息治療は妊娠を遅らせる

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2018年02月21日 22:11  妊活・卵活ニュース

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喘息の治療薬と女性不妊
アデレード大学ロビンソン研究所は、「European Respiratory Journal」にて、気管支喘息の女性が長時間作用型コントローラー(長期管理薬)ではなく、短時間作用型リリーバー(急性発作治療薬)を使用する場合、自然妊娠に至るまで時間を要すると発表した。

一方、長期管理薬の服用により妊娠が遅れることは認められず、自然妊娠率に与える影響はないと報告されている。

これまで、複数の先行研究において、喘息の長期管理薬が女性不妊の要因になると見なされてきた。

喘息の治療薬と妊活期間や女性不妊における関係性
今回、研究チームは、国際的な妊娠評価項目スクリーニング「Screening for Pregnancy Endpoints」に基づき、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランドにて、第一子妊娠初期である女性5600人以上を対象に、喘息の治療薬と妊活期間、女性不妊の関係性について分析した。

喘息の女性は10%であり、妊娠に至るまでの期間が全体的に長いことが認められた。喘息でない女性と比較したところ、急性発作治療薬であるβ2刺激薬の服用により、妊活期間が平均20%増となった。また、不妊(一年以上妊娠できない状態)リスクが、30%以上増えた。

一方、長期管理薬である吸入コルチコステロイド・吸入ステロイド薬(気管支の炎症を抑えて喘息発作を防ぐ薬)を使用する場合、喘息でない女性と比べ、妊娠に至るまでの期間は大差なかったという。

短時間作用型と長時間作用型による影響
研究チームは、長期管理薬であると女性不妊の相関関係は成立しないと結論付けている。

急性発作治療薬には生殖機能を低下させる作用があり、長期管理薬は生殖機能に影響を与えないと説明する。それゆえ、長期管理薬である吸入コルチコステロイドの服用は、女性の生殖能力を低下させ、女性不妊を引き起こす要因には成り得ないという。

(画像はPixabayより)

THE UNIVERSITY of ADELAIDE

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